シーズン4 #01(#45)『迷探偵 対決!』

原題:mr. MONK and the OTHER DETECTIVE
放送日:
2005年7月8日
2006年4月4日
スタッフ:
脚本:ハイ・コンラッド
監督:エリック・レニュービル
ゲストスター:
ジェイソン・アレキサンダー(マーティ・イールズ役)
ダナ・アイヴィー(イールズ夫人役)
ロッシフ・サザーランド(ヴィク・ブランチャード役)
アラン・ワイルダー(ハロルド・ガムバル役)
レイ・ガジェゴス(エディ・ダイアル役)

<ストーリー>
 
 ショッピングモールの駐車場で、警備員宝石店の店主が射殺された。現場検証中のモンクが犬のフンで集中できずにいるなか、三流私立探偵のマーティ・イールズが現れ、モンク顔負けの名推理でたちどころに事件の状況を解明してしまう。モンクは「何かズルをしている」と主張するが、マーティの推理はその後も次々と的中し、犯人一味の身元まで判明。ストットルマイヤー警部は「今回はマーティに調査を依頼する」と宣言する。自信をなくし、ついには引退を決意したモンクだったが、ある手がかりから、ついに“いかさま名推理”のからくりを解明した――。

<考察> 
 本作でマーティ・イールズを演じたジェイソン・アレキサンダーは、全米で6年連続視聴率1位に輝き、最終回はアメリカTV史上3番目の高視聴率を獲得したという大ヒットコメディ番組『となりのサインフェルド』(89~98)で人気キャラクター“ジョージ”を演じており、本国では、第4シーズン開幕を飾る本作へのゲスト出演は特大のニュースだったとのことである。
 ミステリ的には、そのライバル探偵の存在を利用し、モンク(と我々視聴者)が解くべき「謎」を、殺人事件解決に向けてのものではなく「なぜイールズは真相をつかめたのか」の方にスライドさせた、新鮮な構成となっているのがポイントだろう。その謎が解けた後、クライマックスでのモンクの名推理も、誘拐された人物の監禁場所を特定するものであり、つまり今回、モンクはメインの事件にまったく関与していないのである。インチキ名推理のからくりは、実際にあり得る小さな状況に基づく洒落たもので、それを核に巧みに構築していった脚本チームの巧みさは、いつもながらすばらしい。


<MEMO>
ジェイソン・アレキサンダーは、本シリーズでは珍しい“スペシャル・ゲストスター”としてクレジットされている。

*彼が、副主人公としてレギュラー出演し、大ブレイクを果したコメディ番組『となりのサインフェルド』(89~98)は、9年間の放映中、常に高視聴率を誇り、殊に4年目に全米第1位をマークしてからは、最終シーズンまでその地位をキープするという全米テレビ史上に残る偉業を達成。制作/主演のジェリー・サインフェルドが終了を発表した際には、ニューヨーク・タイムスが第1面にそのニュースを掲載し、最終回は、40%以上という、アメリカ史上3番目の高視聴率を獲得したという。

アレキサンダー舞台の名優としても知られ、89年にトニー賞のミュージカル部門最優秀主演男優賞を受賞している。


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