シーズン7 #16(#108)『その取り壊し待った!』

  • 原題:mr. MONK Fights City Hall

  • 放送日:

  • 2009年2月20日

  • 2009年7月20日

  • スタッフ:

  • 脚本 トム・シャープリング、ジョシュ・シーガル&ダイアン・モーガン

  • 監督 チャック・パーカー

カリ・ロシャ(マリア・シェター役)
ティム・コンロン(ポール・クロフォード役)
ジョン・ポリト(ジョージ役)
タムリン・トミタ(アイリーン・ヒル役)
E.J.キャラハン(アル役)
キース・バーク(保安官役)

<ストーリー>
 市議会が、トゥルーディ殺害現場である古いパーキングビルの取り壊しを決定。跡地は公園になる予定で市民はみな大喜びだが、ただ1人猛反対するモンクは、ビルの柱に自分の体を縛りつけ解体工事に抵抗していた。騒ぎの中駆けつけた市議会議員アイリーン・ヒルはモンクの長年の活躍を高く評価しており、彼の思いを汲んで議会での再採決を約束してくれる。ところがその当日、ヒル議員は何と行方不明に……。彼女の1票なしには取り壊しを阻止できないモンクは、延期された日程までに探し出すべく捜索を開始するが、まず向かったヒル事務所にいたのは、なぜか議員が採用していたやる気ゼロの秘書だった――。

<解説>
 トゥルーディの殺害現場という大ネタをメインテーマに据えた、第7シーズン最終作。ここまでずっと、いうならモンクの主観から描かれてきた“聖域”を、客観的/現実的に描き直してみせる脚本チームの大胆さ/クールさには、心から驚かされる。
 ミステリとしても、殺人事件の謎解きと再評決の行方の2つが有機的に絡み合う構成が見事であり、殊に、クライマックスで「ある人物の存在」がその両方の要となる展開――モンクがその人物の意味を指摘することで真相が解明され、同時に再評決での敗北が決定する!――は非常に美しい(そして、後者の原因が、OCD症状というモンクの“弱い部分”ではなく、高学歴の天才という“強い部分”に起因しているのが――ヒル議員の壮絶な性癖と併せ――このシリーズらしい容赦のなさである)。
 だが今回、それを超える名シーンは、セラピーでのやり取りだろう。「11年通い続けてきた駐車場に、まだ見つかっていない証拠が本当にあると思うのか」と訊ねるベル先生と、一瞬の葛藤ののち「いいえ」と認めるモンク。そして「5年前なら無理だったかも。でも今は――乗り越えられる」と先生が続けるその会話は、シリーズ7年目ならではの、さりげないが感動的なものとなっている。そして、その会話を踏まえた上で今回のエピローグは、「大丈夫?」と訊ねるナタリーに、モンクがほんのわずかに首を振ってみせる姿のみで、余韻を残し終わっていくのである。
 そしてもう1点。事件解決後、ナタリーがついに「ベル先生」という名を漏らしてしまい、ハロルドが「待合室で会おう」と満面の笑みで去っていくという、次シーズンに向けての楽しいクリフハンガー(!)が用意されていることも、謹んで特筆しておくべきだろう。
 さあ、いよいよ最終第8シーズンへ。

<MEMO>
*(以下、準備中)




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