シーズン6 #8(#84)『一事不再理の壁』

  • 原題:mr. MONK and the Wrong Man

  • 放送日:

  • 2007年9月7日

  • 2008年5月20日

  • スタッフ:

  • 脚本 サルヴァトーレ・サヴォ

  • 監督 アントン・クロッパー

ゲストスター:
ティム・デザーン(マックス・バートン役)
ナンシー・メッテ(シェリー役)
ジョン・カペロス(ポーリー・フローレス役)
ジュリー・アリオラ(サラ・マクナリー役)
アンドリュー・ボルバ(保護観察官役)
アンディ・クライス(ジャスティン役)
ジョン・ヘンフィル(エリック役)
ケイト・アンソニー(シンディ役)

<ストーリー>
 14年前、まだ刑事だったモンクが殺人罪で刑務所に送り込んだ男、マックス・バートンが控訴審で無罪となり釈放された。最新技術による再鑑定の結果、現場にあったDNAがマックスのものではないことが判明したのだ。罪悪感、そして「他にも同じ過ちがあったのでは?」という恐怖に苛まれたモンクは一人煩悶。マックスの再出発を何とか支援しようと、就職先を支援し、別れた妻を探し出して再婚を踏みとどまらせ、と奔走する。一方、事件の再捜査を開始した警部たちは、新たな容疑者として浮上したマックスの相棒ポーリーの自宅を探し当てるが、何と彼は首を吊って死亡していた――。

<解説>
「もし、過去のモンクの推理に間違いがあったら?」という大ネタに挑んだ一本で、“名探偵”としての自信が最も大きく揺らぐ、「ぶっとびモンク」以来の異色エピソードである。とはいえ、シリアスなテーマとバランスを取るかのように、いつも以上にギャグ満載なのがこのシリーズらしく(ただしブラックなものが多い)、真摯な反省と贖罪の気持ちがありながら、“ボコボコにされる”のが嫌でクローガー先生に代りに謝罪の手紙を届けさせようとしたり、ナタリーにマックスと“いたす”よう提案(!)したりと、周囲を巻き込む邪悪な〈黒モンク〉っぷりが、可笑しくも危ない見どころとなっている。
 ミステリ的には、解決につながる証言を行うある人物の設定が面白く、そこが本作の魅力と独自性を高めているのだが、唯一、その人物が控訴審の直後にモンクに直訴してこなかった理由、そしてクライマックスまで登場してこない理由が弱く(「ずっとあなたをつけて、監視してたの」という台詞がある)、惜しいことである。

<MEMO>
*本作には、素晴らしい“楽屋ネタ”が存在するので、再見の際はぜひお確かめいただきたい。すなわち、冒頭近く、マックス・バートンの釈放を報じるニュース画面の下端を文字が流れるニュースのヘッドラインは、「地元の少年たち、セメント工場で埋蔵金を発見」「“シスコフライ”、市当局の裏をかいてスタントを敢行」「ノバート地区の不動産市場、記録的な高騰」「エクストラ・ラージとマーダラスが……」というもので、これはすべて、本シーズンの他のエピソードに関する内容なのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?