シーズン2 #11(#23)『おかしな兄弟』
原題:mr.MONK and the Three Pies
放送日:
米 2004年1月16日
日 2005年3月29日
スタッフ:
脚本:トム・シャープリング
ダニエル・ドラッチ
監督:ランディ・ジスク
ゲストスター:
ジョン・タートゥーロ(アンブローズ・モンク役)
ホルト・マッカラニー(パット・ヴァン・ランケン役)
レスリー・ジョーダン(町役場の職員役)
マーシャ・アン・バーズ(ドーハン夫人役)
ダグラス・ベネット(ビンゴ愛好家役)
アイラ・ステック(ビンゴ会場の進行役)
<ストーリー>
百年祭で盛り上がる小さな町テュークスべリーで殺人が起こった。くじ引きでチェリーパイをゲットした婦人が、それを奪おうとする男に殺害されたのだ。翌朝、現場検証を開始したモンクに、弟のアンブローズから6年ぶりに電話がかかってくる。外出恐怖症で、もう*年も自宅から出られないアンブローズは、訪れたモンクに、一昨日の晩、隣家から4発の銃声が聞こえたのだと話し、夫が妻を殺した可能性は90%以上だと断言。モンクも事件の存在を確信し、隣家を調べ始める。そして〝隣家の夫〟とは、祭りの夜に女性を殺しパイを奪ったあの男だった――。
<考察>
モンクの弟(原語では「brother」。後に兄と判明!)アンブローズが初登場。性格俳優ジョン・タトゥーロが、すばらしい演技力でモンクに匹敵するキャラクターを造形してくれており、マニュアル・ライターという職業設定も秀逸である。
「まったく行動的ではないが、推理力は主人公以上の兄弟」という設定は、もちろん、ホームズの兄マイクロフトがモデルであり、劇中の「窓から見える対象についてアンブローズが推理を述べてモンクをやり込めるシーン」は、ホームズ聖典「ギリシャ語通訳」からの引用である。さらに、プロット自体も、ホームズ物の傑作「六つのナポレオン」のバリエーションとなっており(原題も)、見事なロジックを核に据えたそのすばらしい完成度で、シリーズのベスト3に入るだろう傑作ミステリに仕上がっている。
モンクの推理がすっぽ抜けるという新しい試みも、「犯人の行動に関する推理は合っているが、犯人自身が間違っていた」という無理のない形が工夫されているのがさすがといえるだろう。
<MEMO>
*ジョン・タトゥーロは、このエピソードで、エミー賞の「コメディシリーズ優秀ゲスト俳優賞」を受賞している。
*(以下、準備中)
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