魔女になりたい

 私は魔女になりたい。

 この憧れの原点は幼い頃に読んだ魔女や魔法使いが出てくる児童書の数々だと思う。ハリーポッター、なんでも魔女商会、黒魔女さんが通る、etc……。保育園の卒園文集にも魔法使いになりたいと書いてるのでそれよりも前に原点があるかもしれないけど。魔法の世界に飛び込んで楽しんできた。その他占い、おまじない、妖精などに興味を持ちつつも、いつの間にかそれらに熱心になることから離れていた。心の片隅に魔女への憧れを持ちつつ。
 ただ漠然と魔女になりたいと思いながら過ごしてきて、半年ほど前に魔女としてのTwitterアカウントを作った。作ったきっかけはあってないようなものなのでとばす。プロフィールに「魔女になりたい」と一言書いて情報収集を始めた。タロット占いも始めた。

 調べていて感じたのは、自分がなりたい魔女像とのズレだ。もちろん空は飛べないし、現代の魔女は私の思う理想とは違うことは分かっていた。私が見ていたのはサバトやまじないをするといった魔女の一面だけで、その奥に祈りや信仰といった宗教的な面があった。儀式の根底には信仰があるから避けて通りようがない。私は自分の宗教と信仰について考えなくてはならない。
 この魔女の信仰についても根本的に自分のイメージとのズレがある。自然に宿る女神と男神を信仰するというものに違和感があった。神は私にとっては遠すぎて、本当に力を貸してもらえるのだろうかと思ってしまう。妖精や精霊に力を貸してもらうと思っていた。そこに関しては自分の勝手な思い込みなので「魔女ってそうじゃないんだよ」で終わりでいいのだが、それでもしっくり来ない。
 そもそも信仰やら宗教やら難しく考えすぎな気もする。あーでもないこーでもないと考えて袋小路のどん詰まりだ。
 私はなにを信じるべきなのか。儀式をする中で考えるべきなのか。どれほど打ち込める意欲があるのか。魔女ではなく魔術師になりたいのか。知識不足の状況で下手に自論に走るべきではないのか。難しく考えすぎなのか。私の浅い考えで答えが見つかるのか。それを模索するのが魔女の道なのか。
 疑問はたくさん湧いてくる。 

 多分、私がやりたいことは宗教ではなくて儀式やおまじない、占いなど「魔女っぽい」ことだ。きっと空を飛ぶ魔女に憧れるのをやめることはできない。でも魔女の信仰について調べていると、自分の(ふんわりとした)宗教観に一致することも多く見つけられた。全てのものに魂が宿っていると考えるアニミズム、自身の中にも神が存在するということなど。ならば、とにかく実践のなかで考えていったほうがいい気もする。
 また、私は魔女になって何をしたいのか。これはまだ「憧れているからしたい」の状況から進めていないと思う。なんのために魔女になるのか、を見つけ出さなくてはならない。
 今の所、魔女を目指して儀式の準備など実践的な事をしながら自分の信仰について考えるというのが方針だ。普通とは逆だと思う。こう生きたいから魔女になるではなくて、魔女になりたいからこう生きるだ。ただの魔女ごっこかもしれない。本当の魔女じゃないかもしれない。人から正しくないと言われることが苦手な性分でとても不安がある。でも、好きなこと、憧れていることをやってみたい。

 私は魔女になりたい。

 まだまだ勉強不足の身で浅すぎるかもしれないけど、現状の自分の考えたことというか悩んでいることまとめ。もちろんまだまだ考えなくちゃならない。これからどんどん考えは変わっていくと思う。魔女になりたい気持ちすら変わるかもしれない。とりあえず、魔女の世界に足を踏み入れた時の自分ということで残しておきたい。

 


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