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成功する音楽家の新習慣 第二章を読んで

ヤマハミュージックメディアから出版されている
「成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~」
第二章 深く練習する Ⅰ を読んでの感想です。

「深く練習する」とは何か?
考え出しただけで底なし沼の予感がしますね。考えすぎて練習する内容迷うことないですか、私はあります。
その底なし沼の中をもがく指針となるのがこの第二章なのです。
私に、あなたに適した練習方法は自分自身にしか作れないが、本質と効率は各人に共通するものだと思います。

p.30~、練習の際に重要な7つの習慣として、以下の項目が挙げられています。5つは演奏に関わること、2つは心の持ち方に関することです。
1.脱力
2.表現力
3.正確さ
4.躍動するリズム
5.美しい音
6.集中力
7.前向きな姿勢
この7つさえ守れば練習の質もぐっと上がる…のですがなかなか難しいことです。
脱力するためには自分のレベルに見合った無理のない選曲(それがエチュードであっても)、
表現力を伴うためには書いてある音を正しく読み表現すること、
正確さのためには間違えにくい方法で練習すること、
躍動するリズムのためには拍をとらえ曲を進めること、
美しい音のためには豊かな音のパレットを手元に用意すること、
集中力のためには平常心で練習すること、
前向きな姿勢のためには、困難を自分の欠点としてではなく学習の機会としてとらえるようにすること…と
分かっちゃいるけど難しいよう!と目を背けたくなったり、逆に、これだけでいいのか、と肩の荷が下りるような気持ちになるフレーズが並んでいます。

中でも、「2.表現力」については大いに考察されるべきことだと思います。
簡単に言うと「楽譜、読めてますか?」ということなのですが、読めてますかね、どうですかね…
楽譜を読むというのは、そこに書かれている音がわかるということだけではなく、楽曲の背景であったり曲想や様式、テンポ等をつかむということかと思います。その上で解釈が始まります。
音楽ってふわっととらえられがちですけど、ふわっとしたものより先に理屈なりお作法なりが来てそこからスタートなので…
強弱をつけて演奏すること一つとっても、どこが山場でどこが主和音で…等々、楽譜から読み取れることはたくさんあります。そこをすっ飛ばして演奏してしまうと、どうにも不自然になるんですよ…(経験者は語る…)
楽譜の読み方を正しく行うことは、演奏する側・聴く側双方にとってまず「自然に聴ける」音楽をやるためには、のヒントの一つですね。

p.43~、イメージトレーニングとウォーミングアップについて触れられています。
イメージトレーニングについては、理屈ばかりで音楽が出来るには在らず、自分の心をコントロールして練習し演奏することは楽に自由に音楽をやるコツだなぁと思います。
自分に見合った曲を練習すると同時に、頭の中でリアルに自分の音楽の地図を作っていくこと、それは他ならぬ自分のためであるということだと理解しました。
また、ウォーミングアップについては、音楽家にとって音楽と同じくらい大切な身体への意識について触れられています。読んでいてアレクサンダーテクニークを思い出したのですが、音楽と身体は密接な関係があるのでどうか皆様身体の声を大事に、音楽と同じくらい大事に…と思いましたね…。
音楽に集中するということは、音楽以外に集中するということと同義かと。

以上、第二章「深く練習する Ⅰ」を読んでの感想でした。

目に留めていただき、読んで頂き有難うございます! この文章から何か感じるものがあればうれしく思います。