5年前のコーナーライブの因果の鎖。
先日とあるライブのコーナーで、後輩たち何人かが積み上げた笑いの形を、僕がぐちゃぐちゃに前に出て変な空気にさせてしてしまいました。お客さんも多かったのでテンション上がってたのでしょう。
その時、その後輩に「ええ〜…」みたいな目で見られたの忘れられません。
後輩のいわゆる出代(でしろ)を奪ったという形になります。そりゃ後輩も必死なので「おいおいまじかよ」とはなりますよ。申し訳ないです。
とは言え、板の上はエゴのぶつかり合い。そんな目されてもおれもお客さんに笑ってもらいたくて必死なんだ!そんな怒らんでくれ!と思ってたら、「あれ?この光景どこかで見た事ある…」と妙な既視感が。
瞬間、4年前の出来事がフラッシュバック。
おれこれ全く同じ事ブラゴーリの大ちゃんさんにされたな!!!!!!!!!!!!!
忘れもしません。
5年前のneedsという若手芸人がわんさか出るコーナーライブ。
その日はMCがダイタクさんで、張り切ってた大ちゃんさんは出番前に突如学ランに着替え、記憶も設定も定かではありませんが「バスケットボールヤンキー(?)」というキャラで恐らく見切り発車でライブ冒頭からめちゃくちゃ前に出ていました。
当時このキャラは別にライブのお馴染みキャラでも何でもなかったので、その仕上がりの悪さに皆ハラハラしましたが、大スベリの落下をしかけてもすんでのところでウケてギリ生還するというお笑い綱渡りを繰り返していました。戦士すぎます。
needsというライブは出演者が多いため、事前にどのコーナーに誰が出るか決まっています。
逆に言えばそれ以外の出番はほぼガヤに回るので、人によっては一回ジェスチャーして終わりなんてこともザラです。
そのため出番以外で自分のキャラを無理矢理にでも作ってその日の自分のポジションを確保するというのはとても大事なのです。
ただその行為は相当な勇気が必要で、勿論全員ができるわけなく、そのきっかけを生み出すためにコーナーの一部分の出番にのみ全力を賭ける人もいます。
僕もその1人だったのでその日は唯一の出番である「曲に合わせろ即興モノボケ」というコーナーに集中しておりました。
しかしここで、事件が起こりました。
内容は突如流れる踊る大捜査線のテーマ曲に合わせてモノボケするというコーナー。
1人目の人が曲に合わせてモノボケしましたがイマイチウケません。
1人1人挙手して順番でやるのですが、ここで狩野閃きます。鮮明に覚えてます。
前の人がスベッた瞬間、僕が曲のリズムに合わせておもちゃの刀を握ってフェンシングみたいな構えでぴょんぴょん跳ねながらリズムに乗ってカブせました。
これがめちゃくちゃウケました。
周りも「おい何かし始めたぞ!!?」と。
2年目のカス芸人の僕としてはこんな仕掛け方できたのは奇跡です。「良い形で前に出れた!」となんとも言えない高揚感でした。
続いて隣にいたネイチャーバーガー笹本さんも同じようにリズムに乗って別の踊りでカブせました。すごいです。めちゃくちゃウケてました。
この流れが数人続き、奇妙なコンボに会場は拍手笑いの大ウケ。
踊る大捜査線のテーマ曲に合わせて5人が各々モノ持って踊る様子は変ですがキレイな絵になってました。
ここで最初に仕掛けた僕が何かしてフィニッシュだ…!とワクワクしてたら次の瞬間。
戦慄走る。
全然コーナーに関係無い大ちゃんさんが突然5人の前をヤンキーのようにオラオラと横切り、一気に皆んなの積み上げたコンボをめちゃくちゃにしていきました。
僕は「な、なにが起こりやがったんだ…?」と困惑。
もちろんMCダイタクさんが止めに入り、周りのガヤもみんなで罵声の嵐。
皆から「何やってんだ!!」とか「邪魔だよ!!」とか言われてました。
が、しかし、そもそも冒頭からむちゃくちゃだった大ちゃんさんなのでこの日の大ちゃんのキャラならやりかねないし仕方ないし元来おバカだし、何ならめちゃくちゃにしたけどむしろ面白いという空気にまでなってました。
正直大ちゃんさんの一人勝ちです。
邪魔ではありましたがライブなのでウケりゃ何でもいいわけです。
勿論これでやり直すわけなくコーナー終了となり、僕の唯一の出番がここで終わりました。
この時青二才童貞の僕は思いました。
「唯一の出番を邪魔しやがって…(ワナワナ」と。
僕も皆に面白いと思われたいし、こんな事できるならしたいのに!でもできない!!
てか、後輩の出しろ潰してたな!!!自己中か!?いいでしょ!十分冒頭でウケてたんだから!!我慢してくれよ!
そんな自分の未熟さを認められずイライラが滲み出てしまった僕はコーナーのはけ際で大ちゃんさんに
「いやあんた前に出過ぎだろ!!!!!怒」
とお手本かような負け犬の遠吠えを放ってしまいました。
普通に変な空気になりました。
なーにをしてんだ僕は。
シンプルにあの時大ちゃんさんにムカついちゃいました。
何ならそれから泥すす始まるまでずっとムカついてました。
後から大ちゃんさんに聞いたらちゃんと覚えてて「普通に悲しかった。(´・_・`)」と言ってました。ごめんよ大ちゃんさん。
そして現在に戻ります。
あの時大ちゃんがしょぼんとした理由、今ならわかります。
僕も大ちゃんさんも後輩を潰そうだなんてそんな自己中なこと考えてたわけないんです。
ただ僕たちはウケたくてがむしゃらに動いたら頭真っ白になって視界がぎゅわーーーーーっと狭くなって気付いたら目の前がぐちゃぐちゃになっちゃっただけなんです。タイプ似てるのでわかります。そうですよね?大ちゃんさん?
マジで悪気が無い分それで後輩から怒られたらそりゃ悲しいですよね。
なら次おれができることは積み上げたものぶっ壊すような全力少年スタイルよりも舞台上で困った後輩を助けてあげる形でおれが犠牲になってぐちゃぐちゃに頑張りたいなと思います。
そう。この大ちゃんさんから続く因果の鎖は僕がここで断ち切ります。
そんな大ちゃんさんは最近ライブのコーナーで順番にバチョフのモノマネをすることになった時、後続無視で「舞台上で倒れて白目をむいて『おああああああ!!!チョフチョフミー!!!』」と咆哮していました。皆笑いすぎて膝から崩れ落ちて立てなくなりました。
汗ひとつかいてない大ちゃんさん。
遥か怪物…。
あれ?もしかしたら助けるとか考えずひたすらこれでもいいのかもしれない…。
7年経ってもお笑いってやっぱりわけわかんないです。
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