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#3 高配当株銘柄紹介「MUFG」

高配当銘柄を紹介するSECTIONになります.
僕が東京に来たばかりのころ,あるバイトを行う事になりました.そのバイト先の給与振り込みは指定された銀行口座で,僕はその銀行口座を持っていなかったので,慌てて銀行口座を作りに行ったのを覚えています.その銀行は三菱UFJ銀行,今回紹介する高配当銘柄です.新宿通支店で「銀行口座作りたいがいけど,どうしたらいいがけ?」と富山弁全開で相談していたあの頃を懐かしみながら紹介したいと思います.

 時価総額10兆円という大型株中の大型株です.時価総額では日本の株式市場全体で5位,銀行株では堂々1位です(銀行株世界ランキングもTOP10入り).
 配当利回りは3.7%とやや物足りない感じはありますが,ちょっと前までは4%後半で推移していました.後述しますが,日銀は金融緩和維持を発表しましたので,銀行株の買い時が来るかもしれません.来るべき買い場ではMUFGは有力銘柄になると思いますので,しっかり特徴を知っておきましょう!

MUFGってどんな企業?

 正式名称は三菱UFJファイナンシャルグループ(MUFG).三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングスなどの子会社を傘下に持つ日本最大手の金融企業です.

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 MUFGはこのグループ総合力の強みに加え,以下のような特徴があります

  • 収益の多様性(銀行業に依存しない企業体質)

  • ASEANの商業銀行プラットフォーム

  • モルガン・スタンレーへの出資・提携

■業績の多様性

銀行以外からの収益を増やし,低金利政策へ対応している
また,海外事業からの収益も充実

■ASEANの商業銀行プラットフォーム

ASEANの経済成長は今後著しいことが予測される.その恩恵を受ける体制を構築している.

■モルガン・スタンレーへの出資・提携
 モルガンスタンレーはアメリカの大手投資銀行であり,金融業における米国時価総額ではTOP5に入る企業です.MUFGとの出資・提携は世界最大級の資本提携と称され,強固な経営基盤を構築したと言えます.

 日本は長年継続する不況により,大規模な金融緩和を行っています.それにより銀行業は厳しい時代を余儀なくされています.MUFGはそんな時代でも成長戦略を展開している,素晴らしい企業であることが分かります.


業績について

 経常収益は「売り上げ」,純利は「純利益(最終的な利益)」と捉えてください.上記のグラフからは以下のようなことが分かります.

  • 安定した収益性(赤字は15年で1度,リーマンショック後のみ)

  • 自己資本収益率(ROE)は業界平均に対して高い

 MUFGを含むメガバンクは現在岐路に立たされています.従来,銀行はお金を企業に貸す際の金利による利鞘が収益源でした.しかし,昨今の低金利時代により,金利収入による収益が著しく低下しています.このような状況に対して,MUFGは前述したような金利以外の収益源の確保,成長国(ASEAN)への進出,米国大手銀行との資本提携を行い,収益源を確保しています.その結果,継続的に黒字を計上していることがデータから読み取れます.

自己資本収益率(ROE)とは?
自己資本を投入して得た利益を,自己資本の割合で表した指標
ROEが高い=効率的な経営 と評価される

財務について

 結論,問題ありません.
 自己資本比率の低さは銀行業特有のものです.銀行の資産の多くは顧客からの預金ですが,銀行からすると預金は「借りているもの」なので,負債に該当します.そのため,自己資本は低めなのが一般的です.
 ちなみに銀行は破綻する
とえらいことになるので,破綻しないような仕組みが施されています.興味ある方は自己資本比率規制(BIS規制)を調べてみることをお勧めします.

株主還元について

 非常に良いです.一株配当金は増配傾向にあります.配当性向も30-40%前後で推移しています.また,IRページでは以下のような説明があります.

  • 2023年度までに配当性向40%への累進的な引き上げ

  • 自己株式取得は,いろいろ見ながら機動的に実施

  • 発行済株式総数の5%程度を超える自己株式は消却

 基本的に,配当性向が上昇すると配当金が上がる,自己株取得して償却すると株の希少価値が上がるので株価が上昇,これらを行う事は株主にとって利益につながります.ただし,企業的には身銭を切らなければなりません.自分の痛みを取って,株主に還元する意識を強く感じます.

買い時について考察

現在の株価は861円です.今は買い時か,違うならいくらなら買い時かを考えていきます.

■PER(業績に対して株価は安いか?)で考える

 大変見えづらくて恐縮ですが,青線がPER,赤線が株価です.PERは業績が出ないと計算できないので,リアルタイムPERは予想値で計算されますが,MUFGは予想値が出ていません.そのため,2023.3.31が最終値となっています.
 そして,これまた大変分かりづらいのですが,PERは9.0倍辺りを中間点として,上下に変動しているように見えます.3月31日のPERが8.95で,その時の株価が848円ですから,過去平均と比較すると現在の株価でも明らかな高値掴みとは言えません.

■PBR(財務に対して株価は安いか?)で考える

 PBRの現在値は0.63倍です.これは,時価総額が総資産に対して0,63倍の価値としか評価されていないという意味です.通常は割安と評価されるのですが,PBRの過去平均は0.47ですので,明らかに割高です.

PBRから考える買い推奨価格
1375.6円(1株純資産)✖0.47(PBR5年平均)=632円

■配当利回りの推移で考える

 現在の配当利回りは3.71%です.過去5年の配当利回りは2.48-6.52の範囲で推移し,平均は4.36%です.配当利回りが4.36%以上で購入できれば割安で買えたと評価できます.

配当利回りから考える買い推奨価格
32円(1株配当)/0.0436(配当利回り5年平均)=733円

まっつんはここで買う!

 理論的な購入額目安を述べましたが,ここからはまっつんだったらいくらで買うのかを述べていきます.

★☆☆ 買い増し検討 733円 
 配当利回りの過去平均から算出した株価を採用いたしました.正直現在の株価はとても高く感じます.かと言って,MUFGの業績は好調です.ベンチマークをあまり下げすぎると一生買えないような気もします(笑)
 そこで,配当利回りを参考に買い増し検討タイミングを設定します.現在株価から-15%ですので,このくらいまで調整する場面は訪れると思います.その際は,10株ずつ買い増したいと思います.

★★☆ 722-700円 積極的買い増し 
 一株配当金32円,配当利回り4.5%で計算した株価です.過去平均の配当利回りは4.36%でしたので,これよりも高い利回りで購入すれば高値掴みはまずあり得ないかと.あとはどれくらいの利回りを希望するかですが,僕は4.5%以上になれば購入します.下記グラフは直近1年の株価推移です.12月20日の日銀政策金利の引き上げを発表してから一気にトレンドが上昇し,3月の金融緩和継続発表で現在のトレンドまで下がっています.この一連のイベント前は700円台前半で推移し,その時の下値は700円くらいだったんですよね.トレンド転換するとこの辺りまで下がる事は十分に考えられますし,ここまで下がれば明らかに買い場と判断します.

★★★ 500円 歴史的買い場!

 超長期で見ると,MUFGはボックスを形成していることが分かります.どんなに頑張っても,数年単位で訪れる金融危機の際にはちゃんと大暴落するのが銀行株の特徴ですね.抗えません.
 現在は長期的に見ると上昇相場ですので,何かのタイミングで大暴落する可能性は今後考えられます.その場合,歴史的には500円以下まで下がっていますので,1株500円を下回ることがあれば,勇気をもって単元で買い増します.グローバルかつ多彩なビジネスモデルのMUFGを信じて,,,

まとめ

今回は銀行株の最大手,MUFUを紹介しました!特徴を纏めます!

  • 低金利時代でも確実に利益を出せる強固なビジネスモデルを構築している

  • 業績,財務,株主還元は良好.投資適格あり.

  • PERに基づくと安値だが,PBR・配当利回りに基づくと明らかに高値圏

  • まっつんなら733円あたりまで待つ.


以上です!参考になれば幸いです!ここまで読んでくれた方,ありがとうございました!

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