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「バレないメンズメイク」は存在しない


はじめに

 ネット記事でもYouTubeでもなんでも、「メンズ_メイク」と検索すると、必ずその検索結果について回るフレーズがあります。それが「絶対にバレない!」「女性にバレない!」「バレたくない人の〜」という文句です。

 自分はちょうど一年前から、簡単なベースメイクの習慣をつけるようになったのですが、ハッキリ言って、「バレないメンズメイク」などは存在しません

 薄づきの下地のみを使用するような、超ナチュラルなメイクであれば「バレない」かもしれませんが、少なくとも、YouTubeで紹介されているようなメイクは、動画映えを重視したものなので、実際に至近距離で見たら、またお日様の下に出たら、化粧をしているかしていないか、肌に何か塗っているか塗っていないかという違いは、すぐに分かると思います。


 面と向かって「メイクしてるの?」と聞かれたことこそありませんが、男の自分でも化粧をしている男性はなんとなく分かるので、長くメイクの習慣がある女性であれば、対面した時に絶対に気がつくはずです。BBクリームを顔に塗りたくって、「バレない!」などと言ってるのは女性の観察力と美意識を舐めすぎです。

 そこで私は、この一年のあいだ、いろいろな化粧品やメイク法を試しに試して、そのメイクが不自然か、自然か、というのを都度 姉に判断してもらいました。今回はその中で、「近くで見たらメイクをしていることはわかるけど、不自然ではない。むしろ印象はいい」という評価になったベースメイクの方法を紹介したいと思います。

 できるだけ詳しく書いていきますので、新年度・新学期が始まって、気持ち新たにメイクに挑戦してみたいという方は、ぜひ参考にしてみてみださい。




メンズメイク(ナチュラルメイク)の鉄則


 個別の化粧品の紹介に入る前に、自分の失敗を踏まえて、まず男性がするベースメイクの前提を共有しておきたいと思います。


①メンズメイクだからと言って、考えなしに男性用コスメを買わない

→男性と女性で、肌の脂や水分量の違いなどはもちろんあるのですが、それと同じくらい「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌(Tゾーン=皮脂の分泌が多い、頬=乾燥しやすい など)」という肌タイプの違いがとても大きいです。まずはそれを見極めて、自分の肌質に合った化粧品、スキンケア用品を使うようにしましょう。一般に、女性向けに販売されている商品の方が選択肢も多く、安価で優れた商品が多いです。

②ファンデーションやBBクリームは全顔に塗りたくらない

→自分は男性ベースメイクにファンデーションは必要ないと考えていますが、もし使う場合でも、顔全体に塗り広げるのはやめましょう。厚塗りに見える上、時間が経つと崩れて、余計に汚く見えてしまう場合があります。BBクリームも同様です。部分使いをしましょう。

③メイクは肌荒れを隠すというよりは、肌のトーンを均一に見せるためのものである

→メイクで肌荒れをカバーすることは可能です。しかし、肌荒れを隠すほどのメイクでは、かなりの厚塗りやカバー力の強い化粧品が必要になるので、不自然な上に、更に肌に負担をかけることになります。ニキビや肌荒れには、皮膚科の通院や、毎日のスキンケアで対処するようにしましょう。


④(メイクをする人で)髭が濃い人はまず脱毛しよう

→これも③と同様です。オレンジ色のコンシーラーを使えばなんとなく髭を隠すことはできますが、完全に青髭を失くすことは不可能です。髭は日中にも伸びるので、朝髭隠しのメイクをしても、夕方〜夜になるとだんだんと下から髭が浮いてきて、変に汚らしく見えることがあります。また、毎日髭を剃ると口周りが荒れやすくなるので、特に肌の弱い人は脱毛してしまうのが早いと思います。
 自分は一年三ヶ月くらい、家庭用のレーザー脱毛器(トリアプレシジョン)で髭をパチパチやっていますが、一年とちょっとで顎と唇のキワのしぶとい数本以外はキレイに抜けていきました(頬や首にまで生えるような濃さだとクリニックの方がいいかもしれません)。前にケノンのパチモンみたいな光脱毛機を使っていたこともあるのですが、男性の髭にはレーザー一択でした。超痛いのだけが難点です。詳しくは下のnoteを参照してください。


⑤メンズメイクは「まず眉毛から」と言われるが、眉毛が一番難しい


→メンズメイクの記事ではよく、「まずは眉毛を整えて、BBクリームだけでも塗ろう!」と書かれているのですが、メイク初心者の男性には眉毛を自然に描くのが一番難しいです。一番いいのは、眉毛サロンのようなところにいって、一度綺麗な眉毛に整えてもらったのち、伸びてきたらそのガイドラインに沿って都度整えていくというやり方です。その際、禿げて見えるような部分を、眉ペンシルで一本一本書くようにするのが一番自然な仕上がりになります。自分は眉周りの皮膚が弱く、ワックス脱毛で整えたりすると赤くなってしまうので、人に口出しするほど綺麗にできてはいないのですが、比較的肌が強い人は眉サロンに行って整えてもらうのをオススメします。


 それでは、ここから細かい解説に入っていきたいと思います。ベースメイクの際にやった方がいいものは◎やってもやらなくてもどっちでもいいものは○をつけています(メイクの順番については好みですが、よく分からないという人は以下の順番で特に問題ないと思います)。


※以下、参考のために商品のリンクを貼っていますが、アフィリエイトではごさいません。


①保湿 ◎

 当たり前と思うかもしれませんが、メイクをする前には必ず保湿をしてください。洗顔も化粧水も肌にあったものであればなんでもいいです。自分は無印の化粧水のヘッドを霧吹きに変えて使っています。ちなみに、自分の肌タイプは脂性肌寄りの混合肌(Tゾーンの皮脂が多く、頬のあたりが乾燥しやすいタイプ)です。過剰な皮脂分泌は乾燥によっても引き起こされるので、皮脂が出やすい肌でも、しっかり保湿はしてください(私は朝は乳液は使っていません)。

〈オススメ〉

↑いろいろ試した結果、コストパフォーマンスと肌馴染みが一番よかったです。

↑こっちを使うこともあります。

↑最近は保湿後にこれを使っています。夜はCOSRXのレチノール(ビタミンA)を使用しています。面倒くさかったら美容液は全然使わなくてもいいです。

②下地 ◎

 正直、男性のベースメイクで、元から肌がある程度綺麗な人は、下地だけでもいいと思っています。日焼け止めの役割も果たしてくれるものがオススメです。顔と首とでトーンの違いがあると不自然なので、できれば、フェイスラインのあたりは百円均一で売っているメイク用のスポンジなどでボカしましょう。

〈オススメ〉

↑下地は色々と試して、いまはこれを使っています。初めは有名なセザンヌの皮脂テカリ防止下地(↓)を使っていたんですが、乾燥と時間経過によるパサつきがあったのでこっちに変えました。リキッドっぽいテクスチャーで伸びがよく、テカリをおさえくれますが、パサつきもありません。

↑しかしこちらは大変コスパがよく、優れた商品です。男性の場合はオレンジかピンクがいいと思います。赤身が強い肌でも、青はかなり白浮きします

↑秋や冬など、乾燥しやすい時期はこっちを使っています。乾燥肌の人はこれが一番いいと思いますが、脂性肌寄りの混合肌の人でも使えます。液体というよりはクリームっぽいテクスチャーで、伸びがいいです。少し値段は張りますが、かなり長持ちします。

↑ラロッシュポゼのジェネリックのような商品です。韓国コスメ特有の匂いがあります。それが苦手でない人はこちらでもいいかもしれません。気持ちラロッシュポゼより柔らかいテクスチャーです。

↑よく「ポルジョ」の下地と呼ばれているものです。薄めのファンデーションの役割も兼ねているので、下地の中では結構カバー力があります。かなりツヤっぽいので脂性肌の人には向きません。男性の場合は色が02の方が馴染むかもしれません。ナイチンゲールダンスのヤスさんは、セザンヌの下地の上にこれを重ねていました。そういう使い方もあるみたいです。

【参照】


↑スムースプライヤーといって、下地を塗る前に、毛穴などの凹凸を滑らかにするものです。スベスベはしますが、あまり効果が分からなかったので今は使っていません。

これは化粧品あるあるですが、下地は安いものをいくつか買って試すより、少し高くても、初めから質のいい/評価の高いものを買った方が結局長く使えたりするので、この中ではマキアージュ(混合肌、脂性肌の人)とラロッシュポゼ(混合肌、乾燥肌の人)を推しておきます。メイク品にお金をかけるなら、男性はファンデーションではなく下地にお金をかけるのがいいと思います。

 また、本当は保湿と下地のあいだに日焼け止めを挟んだ方がいいのですが、化粧水、乳液、日焼け止め、下地など、色々なものを肌に重ね塗りしていると、成分同士のかみ合わせによって白いポロポロ(化粧カス)が出たりもするので、私は朝は化粧水+下地という形にしています。そういった点からも、SPF/PA値の高い、上の二つの下地(マキアージュドラマティックスキンセンサーベースとラロッシュポゼのトーンアップ下地)はオススメできます。

【参照】



③青髭隠し ◎

 これは男性特有のメイク過程ですね。髭を隠す場合は、自分の肌よりもワントーン濃いものか、オレンジ色(青の補色)のコンシーラーを使ってください。白いものを使ってしまうと、青髭がより強調されてしまいます。

〈オススメ〉

↑まず上の濃い色を塗ったあとに、下の色を重ねて馴染ませます。少し濃いくらいの人であればこれで隠せますが、塗ってる感はどうしても出てしまいます。

↑これを使ってる人はあまり見たことがありませんが、髭がかなり薄い人、脱毛途中で薄くなってきている人は、このオレンジのチークをブラシにとってそっと撫でるだけで、かなり自然に青髭の印象を抑えることができます。画期的な方法です。

④コンシーラー𝗈𝗋BBクリーム ○

 しみやクマ、ニキビ跡など、気になるところを隠していきます。ファンデーションをメイク用の筆などにとって、それをコンシーラー代わりに使うのもありかもしれません。

〈オススメ〉

↑今はファンデーションは使っていませんが、メイベリンはカラーバリエーションが多いのでオススメです。

↑一番最初に買ったBBクリームです。たまたま自分の肌色に合っていたのでこれを使っていますが、正直なんでもいいと思います。【女子バレしない】なんたらかんたらと書いてありますが、広範囲に塗ったらまぁ普通にバレますね。部分的に使うのであれば一本でかなり長く使えます。

↑たまに気分で、無印のスティックコンシーラーを使っています。結構硬めです。ナチュラルとオークルの2色あって、オークル(濃い色の方)は、薄い青髭隠しにも使えると思います。

⑤眉毛 ○

 上で書いたように、眉毛はかなり難しいです。失敗すると、一番違和感がでます。個人的には、パウダーアイブロウよりも、先の細いペンシルタイプのものがオススメです。一本一本眉毛を書くように少しずつ調整していきましょう。

〈オススメ〉

↑ダイソーに売ってるアイブロウペンシルです。これが一番書きやすかったです。先が極細で、色も薄めなので、メイク初心者でも失敗しにくいと思います。

↑眉マスカラは好みですが、髪を染めている人、濃い眉(黒っぽい眉)の印象を薄めたい人は使ってみてもいいと思います。ヤーレンズの出井さんはヘビーローテーションの眉マスカラを使っているらしいです。

【参照】


⑥アイメイク ○

 ベースメイクであれば、アイシャドウは使わなくてもいいと思います。アイラインや粘膜ラインはもう好みです。一応上から、ナチュラルに仕上がる順です。

〈オススメ〉

↑またしてもセザンヌのナチュラルチークです。今度はN18という色です。指で軽くとって、目をすぼめてできる涙袋のあたりに軽くさっと塗ってあげると、とても自然な血色感がでます。薄づきでナチュラルなので、これは万人にオススメできるアイメイクです。ただし付けすぎると腫れぼったく見えるので注意が必要です。

【参照】(15:30〜)



↑涙袋を描くときに使うライナーです。ライナーを使う場合はこれが一番自然に仕上がります。上のケイトのダブルライナーのブラウンを涙袋に使っている動画がよくあるんですが、これは絵を描く時も、人の顔の影は紫の方がより自然です(ケイトのダブルライナーにも一応パープルはありますが少し高いです)。自分は元から涙袋が割としっかりあるタイプなので、その影を強調するような形で軽く引いていますが、涙袋がほとんどない人だと若干不自然になる可能性もあります。

上が影用グレージュ、下がケイトのダブルライナー(ブラウン)です。上の方がより自然なのが分かるでしょうか。

↑極薄ブラウンのアイライナーです。ダブルラインというのは二重のラインのことです。自分は目尻には使わなくて、二重のラインだけ1~1.5mmほど延長しています。使わない時もあります。

↑目を大きく見せるためにインライン(粘膜ライン)に引くライナーです。自分はB IDOLの「EASY EYE LINER 01」というのを持っていますが、それはもう廃盤(?)になっているみたいです。粘膜の近くにラインを引くのがあんまり目の健康に良くなさそうなので最近は使っていません。全然やらなくていいと思います。

↑アイシャドウ。顔が中性的で、可愛く仕上げたいよという人は使っててみてもいいかもしれません。「メイクしてる感」は一気に出ると思います。もし使うなら男性は03か05がオススメです。

【参照】


⑦シェーディング △

 個人的にはやらなくていいと思っています。ノーズシャドウなどをキレイにいれるのはかなり難しいです。特に、アイブロウパウダーを使うようなのは絶対やめた方がいいと思います。失敗するとツタンカーメンになります。パウダーを大きめのブラシにつけて、フェイスラインを削るくらいであればいいかもしれません。コントゥアペンなども使わない方が自然です。

〈オススメ〉

↑もし使うのであればこれがオススメです。ムーングレージュという色で、人の肌の影の色にかなり近いです。

⑧パウダー ◎

 ルースパウダーとかフィニッシングパウダーとかいって、最後にメイクを整えたり、テカリを抑えたりするものです。女性の場合はツヤがあっても綺麗に見えるのでいいんですが、男性の場合は肌がよっぽど綺麗でない限り、ツヤはただのテカリに見えてしまうのでパウダーで抑えましょう。パウダーを叩く時は、いきなり顔につけるのではなく、手の甲にポンポンの馴染ませるか、パウダーをパフに揉み込むようにして使うかしましょう。そうしないと真っ白になってしまいます。色つきのパウダーを使う場合は、フェイスブラシにとってのせるのもいいかもしれません。

↑一番ベタなやつです。人によっては下地とパウダーだけでもいいかもしれません。

↑こっちは薄いベージュの色つきのパウダーです。ウォンジョンヨさんというTWICEの専属メイクを務めている方が監修されているブランドで、特にTWICEが好きということはないんですが、なにかの弾みで買ってしまいました。パウダーはきめ細かくてかなりいいと思いますが、ちょっと高いです。

↑たまにこの無印の紙おしろいを使うこともあります。片面にパウダー(おしろい)がついています。化粧直しなどにいいかもしれません。

⑨リップ ○

 リップも好みなので、つけてもつけなくてもどっちでもいいと思います。ピンクっぽいもの、赤っぽいもの、茶っぽいものを一つずつ紹介しておきます。下唇にだけ塗って、唇をハムハムして伸ばすのがいいと思います。つきすぎた場合は、しっかりとティッシュオフしましょう。

↑使ってる人が多いウーノのリップです。芯はグレーなんですが、色の付き方は結構ピンクです。見た目が「リップ」っぽくないものを使いたい人にはいいと思います。

↑こっちは逆に、芯はかなり赤いんですが、すごく薄づきです。上で紹介した動画で出井さんも使っていました。

↑ブラウン系のリップです。発色はいいですが、あまり不自然な感じにはならないので、男性にもオススメです。


 細かい手順は以上です。夏場などのメイク崩れが気になる人は、最後にキーピミストを使ってもいいかもしれません。

〈オススメ〉


⑩クレンジング ◎

 メイクをしたあとは、必ずクレンジングして綺麗に落としてください。クレンジングにも色々あるのですが、大体 ミルク<クリーム<ジェル<バーム<オイル の順に洗浄力が強いものだと思ってください。これも自分の肌に合ったものを使わないと肌荒れの原因になるので、気をつけましょう。
 

〈オススメ〉

↑ミルクタイプのクレンジングです。かなり肌に優しいです。アイメイクなどがなければこれだけでも落とせると思います。

↑バームタイプのクレンジングです。黄色と黒があって、黒の方が若干バームが硬めです。

↑オイルタイプの中でもかなりマイルドなクレンジングです。肌が弱い自分でも問題なく使えました。



おわりに 

  どうでしょうか。案外簡単だったでしょうか。それとも、面倒くさいと感じたでしょうか。

 色々と偉そうなことを書きましたが、決して肌が綺麗なわけではありません。メイクやスキンケアなんてしなくても、自分よりもずっとハリのある綺麗な肌をしている人、カッコイイ人を沢山みます。
   
 しかし、それを嘆いてみても何も変わらないので、我々はとにかく自分にできることを一つずつ試していくしかないのです。それはメイクに限らず、なんでもそうですよね。

 頑張っても、メイク変えられるのはせいぜい1-2mmですが、1-2mmも違えば、人の顔の印象は大きく変わります。メイクの経験があまりない男性は、下地とパウダーを使うだけでも、パッと見た時の印象が違ってくるはずです。


 そうすると今度は、元の肌を綺麗にしたくなって、脱毛したり、スキンケアに興味が出たきたりするものです。 

 もしこの記事を読んで、少しでも参考になる部分があれば、ぜひ実践してみてください。メイクの大変さと楽しさ、奥深さがよく分かると思います。

  それではみなさん、素敵なメイクライフを。



おまけ

背表紙がラロッシュポゼと酷似している石原千秋の『漱石入門』(河出文庫)


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