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[番外編]森田療法とマインドフルネス(瞑想)


 前回、前々回の総合的な探求の時間では、“日本で”約100年前に生まれた精神療法として、「森田療法」を取り上げて紹介させてもらいました。しかし、実際に今、神経症患者の治療に森田療法を採用している医師がどれくらいいるのかということを考えると、なにせ古い理論ですから、その数が決して多くないことは確かでしょう。

 一方で、ここ数年、(特に西欧で)神経症や鬱病の患者に対するアプローチ、また患者自身の実践として、「マインドフルネス」と呼ばれる療法(“認知療法”とされるケースと“認知行動療法”とされるケースがあるため、ここでは単に療法)が注目を集めています。「マインドフルネス」とは簡単に言えば「瞑想」のことで、これは神経症の治療だけを目的としたものではありません。

 アップル社やグーグル社が瞑想室まで用意して社内に導入している(らしいぞ)というなにやら胡散臭い話に始まって、最近ではよく自己啓発本・ビジネス本でも取り上げられるマインドフルネスですが、今回は番外編と称して、この「マインドフルネス」と「森田療法」の相違点・共通点を少し考えてみたいと思います。

<主要参考文献>

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総合的な探求の時間

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