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占いを絶対に信じない男、占いの館へ行く①

 占いやお祈り、あるいは宗教や神託の類いを一切信じていない。信じていない、というよりは、それらに熱中することができない。「非科学的」だと言って口撃するつもりも、積極的に拒絶するつもりも別段ないけれど、お賽銭やお守りが、特に意味のあるものだとは思えない。日によって変わる「ラッキーカラー」なんてものがあるとは、どうしたって考えられない。

 つい先日の雨の日のこと。店を退勤していつもの帰り道を歩いていると、「予約不要、10分 /1100円〜」と書かれた、どぎついショッキングピンクの看板が目に入った。占いの館だった。

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