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海外送金ロジック3

エターナルウォレットにはプールがあるという説明は前の記事にてご説明しました。
そのプール内残高が偏っていたとして話を進めていきます。

偏り方はAのプールの残高が多くBのプールの残高が少ないとします。


残高が多い通貨AのプールにTTTを貸し出した時の配当が5%
残高が少ない通貨BのプールにTTTを貸し出した時の配当が10%
だと仮定します。


エターナルウォレットの目的は、2か国間の資金の残高を同じにすることによって、事業者による海外送金を行わずに、国内送金にて完結させる事です。

しかし、この例ですと通貨Aの残高が多く、逆に通貨Bの残高が少ない状態となっています。

これを手品のように残高を同じにする説明を、トレーダー目線を交えながらご説明します。


Bの国に住む山田はプールの配当が10%と高い事に目をつけて、B国の通貨でTTTを買います。

その後、山田は通貨BのプールにTTTを貸し出します。


山田が通貨BでTTTを購入した事によって、TTT/Bの価格は上がりました。
(TTT/Bとは、1TTTの価格をB国の通貨で表した単位です)

アービトラージ

アービトラージ(裁定取引)とは簡単に説明すると安く買って高く売る事です。

山田がTTT/Bを購入した事によって、TTT/BはTTT/Aよりも割高になりました。

A国に住む下田はこの価格の歪みを見てトレードを行います。
※エターナルウォレットでは一目で価格の歪みが分かるチャート表示となっています。

下田のトレードはまず、安い方のTTT/Aの取引を行います。
取引は通貨AでTTTを買います。

次に購入したTTTをTTT/Bの取引を行ってTTTを売却して通貨Bを手に入れます。

この下田のトレードによって、TTT/Aの価格は上がり、TTT/Bの価格は下がる事になり、TTT/AとTTT/Bの価格はほぼ同じになりました。

下田は現在B通貨を持っています。
しかし下田はA国の国民ですので通貨Bを保有しておくことは為替リスクがあるので、エターナルウォレットで通貨Bを両替して、通貨Aにする必要があります。

下田が通貨Bから通貨Aに両替する事によって
プールには通貨Bが増え、そして通貨Aが減る事になります。

当初、通貨Aの残高が多く、通貨Bの残高が少なかったプールが
この一連の取引によってプール内残高が同じになります。

簡単に説明するとこれでエターナルウォレットがプール内残高を同じにする事ができるロジックとなります。

上記の説明は分かりやすく登場人物を少なく価格の変動も大きくご説明しましたが、基本的に参加者の人数が増えても同じような動きとなります。

また、この説明では通貨Aを初めに持っていた下田が最後に両替を行ってアービトラージが完結しましたが、通貨Bを持っているユーザーも初めに両替を行う事によってアービトラージを行う事ができます。

前記事で説明したように、どこの国のユーザーでも通貨Bを持っていれば、配当が高い通貨Bのプールに貸し出すことが出来るので、配当率が高い通貨Bのプールに貸し出すために、TTT/Bの取引にてTTTを購入するユーザーが増える事となります。
当然ですがTTTを購入するためには、通貨Bが必要となりますので、プールで両替を行って、通貨Bを手にいれるユーザーが増えても、この説明の一番初めに戻る事になります。

私からの一言

このロジックの凄い所は、両替をしたくない人に両替をさせる動機を与えたことだと思います。
例えばビットコインの価格が違う取引所があれば、誰でも安い取引所でビットコインを購入して高い方の取引所でビットコインを売却します。
このような取引が行われることによって、ビットコインの価格は基本的にどこの取引所でも同じくらい価格となります。

エターナルウぉレットという一つの取引所の中に複数のTTTの価格を表示させることによってアービトラージをしやすくしたことが、私は面白いと思っており、外貨両替を行って海外送金を行いたいユーザーと、アービトラージ取引を行いたいユーザーとプールに貸し出して金利(配当)を得ようとするユーザーを組み合わせた事が今までに存在しなかった発想だと感心いたします。

結果として、海外送金事業者の課題であった送りたくない人に送らせるという不可能な課題を、海外送金を行う必要がない別のユーザーの取引にて充当する事によって、不可能を可能とさせたという事になります。

凄い発想!の一言につきます。

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