衛星のはなし

当初からあまり理解していなかった。
最初ジェムソンというウイスキーの会社とのコラボ企画でハロウィンにかけた歌を一曲。
とのことで、ハロウィンについてたくさん考えた。わたしハロウィンあまり知らない。
だからわたしなりの怖い事という解釈で歌を作ろうと思いました。

怖い事、怖い話。たくさん思いつくけれど身近にある怖い事の方が気づかないだけで余程怖い。
精神的支配なんかまさにそうだと思った。
愛が余り、使い方を誤るととんでもないことになる。
どこで何をしているの、どこにいたって見ているよ、心の中までどうか従順に愛を認めて、他のものに目を向けている暇など作らないで。
同じ話を、おなじどれだけ互いを愛しているのかそんな話をしていよう。
機械の中身のすべてすらも僕等で埋めていてほしいんだ。

って。
そんな支配下に置かれている人のことを書いた。
衛星はどこまで離れていても一定の距離で地球を見ている。

どこに逃げても発信と受信の関係はかわらない。

そんなことを思って書いた。
わたしはそんな目にあったことがないけれど、きっとそんな行きすぎたロマンスはある。存在する。

そう思って何ヶ月間も歌っていたけれど、時間が経って二回目の録音の頃にもしかしてこれわたしは衛星側の気持ちの方がわかるのかもしれないと思った。ゾッとした。

恋人じゃなくても人じゃなくても物事を自分の手中に入れておこうとするわたしは。
守りたい。と思う。
守れると思っている。
過保護なのだ。
それでいて感情論だけで動いたり出来ない。
みんな揃って悲しんでいるなんてことは嫌なんだ。先を見たい、悲しみの先に何があるのかを考えたい。
怒る時も着地点を模索したい。
だから、悲しかったや寂しかったの感情論にもよく理解が追いつかないことが多い。
そんなこと言われても堂々巡りだ。と思ってしまう。

守りたい気持ちは確かにあってただそんなこと伝えていない。当たり前だと思っているから。

そんなことでは守ったところで幸せではないね。と気付いた。

未来には未練がある。
どんな判断にも後悔が必ずある。
時代が変わったとしても。

だから今決めたことが最良だと信じていないといけない。

後からやってきた未練に嘆く事があったとしても形が違っただけでどんな判断を下したとしてもあった未練だ。

長い永遠が無限ではないように、当たり前の事を気付かず伝えずにいたから。

衛星を離れていこう。
もっと自分のことを守るために、あなたのことを守るために。

だから離れたことを離れることを恐れずに、新しい未来をお気に入りにするために。
形が気に食わなくなったのならば新しいものを見つけようとすればいいのだ。

恋愛も生活も、全てにそう言える。
不変の愛なんか素晴らしくもない。
形を変えても存在する愛だけが素晴らしい。

今になってとっても好きな歌になりました。

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