H3ロケット試験機の打ち上げを見に行った話

この記事はCanSatチームFUSiONのアドベントカレンダー2023,8日目(12月10日)の記事です。

はじめに

初めまして.FUSiONで構造系の研修生として活動している増田です.他の方が技術的な話を書かれている中,方向性が違うかもしれませんが,H3ロケット試験機の打ち上げを友人と共に見に行きましたので,その話を簡単に書かせていただきました.

出発まで

そもそも年中金欠大学生の自分が,なぜ種子島まで行くことになったのかということですが,友人に誘われたからというのが一番の理由になります.比較的時間がある学生のうちに,ロケットの打ち上げ,それもH3ロケット試験機の打ち上げを見たい,ということで実際に行くことになりました.打ち上げ予定日は直前に何回か延期されていたため,出発日を決めるのに苦労しましたが,最終的に2月9日に「2023年2月15日(水)」に打ち上げ日時を再設定したとプレスリリースがあり,2月11日に羽田空港から鹿児島空港に向けて出発しました.

1日目(2/11)

とにかく移動の日でした.羽田空港から7時10分発のJAL機で鹿児島空港に移動した後,鹿児島空港からJR鹿児島中央駅に移動.鹿児島では水や食料品の買い込みなどをした後,高速船に乗り屋久島まで移動しました.(本当は種子島で宿泊できればよかったのですが,予約を取るのが遅かったためどこも空いておらず,最終的に屋久島で宿泊することになりました.)

屋久島到着

海が荒れている中での高速船で,限界まで船酔いした自分と友人でしたが,雨予報だったため,港近くのAコープで食料品関係を追加で購入後,宿泊先に急ぎました.友人は宿で大学の活動関係の作業をしていましたが,自分は体力が限界で直ぐに寝てしまったことを覚えています.

2日目(2/12)

この日は特に予定はなく,宿泊先で各々大学の活動関係の作業をしていました(当時FUSiONには入っておらず,今も所属しているNUPPsという大学のサークルのような活動でCansatの画像認識を担当していました.).

3日目(2/13)

この日も特に予定はなく,宿の近くを散策しようと思いましたが雨が降っていたため断念.2日目と同じように各々作業をしていました.

4日目(2/14)


朝一番の高速船で種子島まで移動しました(この日の海は穏やかで助かりました…).その後,南種町までバスで移動したところ,町役場にH3ロケットの絵があり,種子島に来たのだという思いが強まったのを覚えています.しかし,少しして打ち上げの再延期が決定したとの報道を知ることになります.当然延期することは想定していましたが,種子島では宿泊先が取れておらず,予定していた野宿が1日から2日間になるのは流石にきついのではと感じていました.しかし,数少ないバスを乗り過ごすわけにもいかず,当初の予定通り長谷展望公園に向かいました.

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載したH3ロケット試験機1号機の打上げを2023年2月15日に予定しておりましたが、本日の天候判断の結果、打上げ当日の気象条件が整わないことが予想されるため、万全を期して下記のとおり変更いたします。



打上げ日:2023年2月17日(金)
打上げ時間帯:10時37分55秒~10時44分15秒(日本標準時)
打上げ予備期間:2023年2月18日(土)~2023年3月10日(金)

打ち上げ延期のプレスリリース(出典:https://www.jaxa.jp/press/2023/02/20230209-2_j.html)
町役場での写真(数分後に打ち上げ延期を知ることになります)

長谷展望公園に到着して最初に見えたのがVAB(大型ロケット組み立て棟)でした.あの中にH3ロケットがいるのだということに友人と感動しながら,公園内の端に持ってきていたレジャーシートを引き,夜を過ごす準備をします.当初は友人と交代で寝ることにしていましたが,気温が低く,寝ると低体温症になりそうだということで徹夜することになります.そこで,星空の写真を撮りながら大学の話などで盛り上がっていました.(その後寒さの限界を迎え,体を温めるために朝までジョギングすることに…)

夜のVAB(長谷展望公園にて撮影)

5日目(2/15)

ロケット打ち上げの日まであと2日あるわけですが,もう一度寒さに耐えながら夜を明かすのは無理だということになり,宿泊先の確保に奔走した結果,なんとか予約することができました.再びバスに乗り宿泊先まで移動しましたが,チェックインの時間までだいぶあるということで,近くの郷土資料館に寄ることになります.資料館では火縄銃や様々な遺跡について知ることができ,とても有意義な時間になりました.なお,資料館を出る際に館長さんが「『ROBOTICS;NOTES』というアニメを知っているか?」と声をかけていただき,近くに舞台となった場所があるということを教えていただきました.さらには,普段ロケットの打ち上げを見られている際のお話や,最近発見された地層のお話などを聞かせていただきました.その後は宿泊先に着くと,布団で寝られることに感謝しながら眠りにつきました.

火縄銃(郷土資料館にて)

6日目(2/16)

布団で寝られたことに感謝しながら,もう一度長谷展望公園に向かいました.公園では,東京から来ていた大学生2人組や今回の旅で一番お世話になったWさんにお会いすることになります.自分たちは車の免許を持っていないことから,行くことを諦めていた種子島宇宙センターなどにもWさんのご厚意で連れて行っていただき,H3ロケットがVABから出てくる様子などを見ることもできました.

VABから出てくるH3ロケット(PCのデスクトップ画面にしています)
射場に到着したH3ロケット

7日目(2/17)

打ち上げ当日です.宇宙が丘公園で夜を明かすことになりましたが,種子島最後の日ということで,友人と夜空の写真を撮りながら再び盛り上がっていました.

打ち上げ当日の朝

その後,打ち上げを見るために予約していた恵美之湯さんの方に移動しました.ご存じの通り,この日の打ち上げは中止となってしまいましたが,LE-9エンジンの音を聞くことができただけでも非常に満足でした.

打ち上げ直前の様子(恵美之湯にて撮影)

この後は,鹿児島で一泊後に羽田空港に戻り解散しました.約一週間の旅でしたが,野宿したり,H3を自分の目で見れたり,さらには多くの方々と出会えたりと非常に有意義な日々になりました.ちなみに,約1週間後には種子島ロケットコンテストに参加するために再び種子島を訪れ,その際にはH3ロケットの打ち上げを見ることができました.

まとまりの無い内容になってしまいましたが,H3ロケット試験機の打ち上げを見に行った話を書かせていただきました.次回は,50号機で運用を終了するH2Aロケットの打ち上げを見に行きたいですね.



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