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横溝正史『三つ首塔』を読んで

  米澤穂信が「『三つ首塔』は少々官能的すぎる」と『米澤屋書店』で書いてらした意味がよくわかりました。もちろん直接的な表現はありませんが、何度もアレ?私官能小説読んでるのかな?という気分になりました。それに作中ちょいちょいあらゆる特殊性癖が紛れ込んでいた気が致しますが気のせいでしょうか……いや、このシリーズにはよくあることのような気もしてきたな……そもそもこれはミステリなのか、というところからよくわからなくなりました。でも好きな人には物凄く刺さる小説なんだろなと思いました。あと登場人物の皆さんにおいて、女性の尊厳に関する諸々の倫理観?価値観?が昭和と令和とで違いすぎてなんだかなぁ……と思ったりしました。こればっかりは仕方ないものですが。(登場人物の心情も私が想像するより傷ついていないのかもしれないしそうでないかもしれない……うーんよくわからない……音禰さんの考えは特に私にはよくわからなかった……)
  金田一耕助ファイルに挙げられている作品はこれで全て読んだわけですが、パッと言える好きな作品はやっぱり『迷路荘の惨劇』ですねー。もちろん『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』等代表作もめっちゃ面白いです。(そろそろ『獄門島』読み返そうかな。)どの作品も読んでいてドキドキワクワクしますし、金田一先生の人柄に絆されてしまいます。不覚にもどの作品か覚えていませんが、静養に来ていたのに事件が発生した結果「『静養』という文字がどんどん遠退いていくのを感じた」という一節がコミカルで印象的だったなぁ。今後も金田一耕助ファイル以外の金田一作品も探してぼちぼち読んでいきたいです。

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