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飛行機に乗らないのに羽田空港に行ってきた

昨日の夜、出張で東京に来ていた妹から連絡があった。
明日の昼の飛行機で帰るから朝ごはんを一緒に食べないか?というお誘いだった。
特に予定がなかったので行くことにした。

品川駅で合流をしてサラベスでエッグベネディクトを食べた。
卵が大好きなので外で朝食やブランチを食べる時にはつい卵料理を選んでしまう。
エッグベネディクトはもちろん美味しかったのだが、一緒に頼んだアールグレイがとても良い香りで美味しかった。朝から贅沢をして優雅な気持ちになった。

年末年始に実家に帰って会ったばかりなのに、お互いの仕事の話で盛り上がった。
実家ではあまり仕事の話はしないのだが、外で会うとよく仕事の話をする。
7割くらいは妹が話していて私は主に聞き役に回る。
グチも多いが私からするととても充実しているように見えて、ますます自分の仕事がいやになる。
まぁ自分の仕事がつまらないのは自分以外の誰のせいでもないのだから仕方がない。

空港に向かう妹をそのまま見送ろうかとも思ったが、特にすることもないので私も空港まで着いて行くことにした。

昔から空港という場所が好きだ。
旅行やビジネスで飛行機に乗ってこれから出発する人、今まさに到着した人、色んな人が行き交う空港はポジティブな感情が充満している場所に感じる。
お土産を選ぶのも楽しいし、空港グルメも見逃せない。
私はよく千疋屋総本店の絹ごし杏仁をお土産に持ち帰る。到着した時に自分用に購入することもある。昔からお気に入りのスイーツだ。

第二ターミナルで妹を見送った後、ターミナル間を移動する無料連絡バスに乗って第三ターミナルに向かった。
先日実家から帰ってきた時に行きたかったお店があったのだが時間がなく寄れなかった。そのリベンジをしようと思ったのだ。

第二ターミナルから第三ターミナルまでだいたい10分くらいだろうか。
大きなスーツケースを持った外国人観光客に混ざって、小さめのショルダーバッグ一つの軽装の私が混ざっているのは少し違和感があったかもしれない。

第三ターミナルは外国人観光客で大変賑わっていた。
最後に第三ターミナルに来た時がいつだったか忘れてしまったが、たしかコロナで外国人観光客がほとんどいない時期だったので第三ターミナルはとても閑散としていたのを覚えている。
その時の様子が嘘のように人が溢れ、国際線ターミナルらしい光景で自分が海外に行くわけでもないのに何だかワクワクした気持ちになった。

第三ターミナルには江戸の街並みを再現した「江戸小路」というエリアがある。
目的地はその中にあるおにぎり屋さん「こんが」だ。前からずっと気になっていた。
朝食を食べてからまだ2時間弱しか経っていなかったので食べるには早いなと思いつつ、とりあえずお店の様子を見に行くことにした。

「こんが」はカウンター販売形式で、お店の前に用意されている椅子やテーブルで食べることもできるしテイクアウトも可能だった。12時少し前だったが特に列もなく空いているようだった。
一旦お店の場所を確認して、小一時間空港の中を散策してから戻ってくることにした。

外国人観光客向けのお土産物屋さんをいくつか覗いてから、展望デッキに行ってみることにした。
空港はよく利用するが展望デッキにはあまり行ったことがなかった。
展望デッキは思ったよりは混雑していなかったが、家族連れや大きな望遠レンズのカメラを構えて写真を撮っている人もいて賑わっていた。
よく晴れていて天気は良かったが、風が吹くと結構寒かった。

甥っ子が乗り物が好きなので、離陸する飛行機や飛行機の周りを走る働く車を動画に撮って送ってあげようと思い、フェンスにスマホを極限まで近づけて何本か動画を撮った。
それをすぐに妹に送ったら、まだ離陸前だったようで返信があり、自分の乗っている飛行機を動画に撮って送ってほしいとのこと。
第三ターミナルの展望デッキから第二ターミナルを出発する飛行機が撮影できるか分からなかったが、とりあえず離陸時間に合わせて見えそうな位置で動画を撮り始めた。

自分のいる展望デッキから一番遠くに見える第二ターミナルの建物の奥から、妹が乗っている航空会社の機体が見えた時に不思議な気持ちになった。
よく考えたら自分の知っている人が乗っている飛行機そのものを認識して見送ったことはなかった。ドラマとかでそういうシーンを見たことはあるが、実際にそういう機会はなかった。
あの飛行機に妹が乗っていると認識するとなんだか急に怖くなった。見えなくなるまで無事に飛んでくれるだろうか。そんな気持ちがよぎった。

第三ターミナルの展望デッキからは、C滑走路は第二ターミナルの建物に遮られていて全体を見ることはできなかった。
今日みたいに天気が良くて、時間帯が昼間ならあんな事故は起きなかったのかもしれない。
それくらい展望デッキからの景色は見渡しが良くて、遠くの飛行機もよく見えた。

動画を撮ったり離陸や着陸する飛行機を眺めていたら少しお腹が空いてきた。
「こんが」に戻ったら先ほどはなかった待機列ができていて、お渡しまで15分という案内まで掲示されていた。
無事にテイクアウトしたおにぎりを持ってもう一度展望デッキに戻り、テーブルのある席に座って温かいお茶と一緒におにぎりを食べた。
やっぱり少し寒かったが、おにぎりは美味しかったし天気も景色も良くてとても気持ちが良かった。

自分が飛行機を利用する時は時間にあまり余裕がないことが多く、こうして制限時間なく空港を満喫するのもたまにはいいなと思った。
飛行機に乗らなくてもちょっとした非日常を味わうことができる。
暖かくなったらまた来よう。
その時も妹を空港で見送った後かもしれないが、乗っている飛行機を見送るのは今回限りにしようと思う。

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