【15分で読めます】青と赤の接点(ミステリー・ホラー)
バスに揺られて、そろそろ1時間近くになるだろうか。
高橋亜樹美は、「ふう」っとため息をついた。
最初は10人ほどいた乗客も途中のバス停で降りていき、今は中年の女性と中学生らしき男の子、そして亜樹美だけとなった。
車窓に目を向けると、若葉色の田んぼが美しく輝いているのが見えた。
今日は、目が覚めるような晴天だ。
雨の多いこの地方では、天気予報で晴れマークだとしても、完全に晴れることはほとんどない。
晴れていても、どこか薄雲がかかっているような、すっきりしない感じなのだ。