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3分前まで満足していたのに、他人のnoteを読んで、恥ずかしくなった話

これは、私だけだろうか。
noteを書いた数分間は、達成感と満ち足りた気持ちに駆られていたのに、投稿後に知らない人たち(特にいいねが多くついている文章)を読んで、「世の中にはこんなに素晴らしい記事を書く人が沢山いるのに、私はなんと稚拙な文章で嬉しくなっていたんだろう…」と思うことが。

私は、noteを初めてまだ10本も文章を書いていない。言ってしまえばnote界では赤ちゃんだ。もしかしたら、noteで文章を何千本と書いていて、noteの外でも沢山文章を書いているようなnote界の巨匠たちは、何をそんなことで恥ずかしくなってるんだい、と思うかもしれない。ちょうど、私が目の前で赤ちゃんが「うまく歩けなくて恥ずかしいんです、バブ」と言ってきたら、そりゃ君は赤ちゃんだからね!恥ずかしがることないよ!としか思わないように。

でもこれは、最近始まったことでも、noteに限ったことでもない。世の中、死ぬまで上には上がいる。インターネットのおかげで、恥ずかしくなるまでのスピードが早くなったかもしれないが、昔もきっと、自分の村では一番強かったけど、すぐ隣の村でボコボコにされて恥ずかしくなったという人が歴史上足していくと1000人はいたんじゃないかと思っている。
そういう先人方の経験も踏まえてか、一般的に天狗になるのは恥ずかしいことだと思われているし、私は己に満足することが悪、と思っていた。それが煮詰まって、自信を持つのがスーパー下手くそ女になってしまった。

noteがいけないんじゃない。自分が好きで始めて、楽しんで書いて、それを世に出したそれだけのことなのに、他人の文章を読んで、素直に面白い文章だなあで終われない私がいけないのだ。自分の文章と、もしくは自分の生き方までも引っ張ってきて、これがダメだこうしなきゃ、と勝手に思っている自分が悪い。赤ちゃんがそこでドツボにハマって歩くのをやめてしまったら、人類はいつか二足歩行を放棄することになる。

日本の教育や、日本の社会規範がいけないのでもない。
今でも忘れられない、小学校3年生の時担任の先生に、作文の宿題で大いに褒めてもらって、「あなたの作文は本当に面白い、いつも読むのが楽しみ」と言ってもらえたのが、私の第一次ブースターだ。高校2年の時、国語の先生に「あなたの文章、面白すぎてこの課題出してよかったって本当に思った」と言われたのが、第二次ブースター。別に世の中に大々的に作品を出して、芥川賞を取ったわけでもノーベル文学賞を取ったわけじゃないけれど、褒めてくれた人はいたのに、自信を持ち続けることをやめていた。そうする方が正しいと、勝手に思っていたから。芽を摘んだのは、自分自身だ。

「私だけだろうか」と書き始めたが、きっと私に近いような経験をした人は少なからずいらっしゃると思う。めちゃくちゃ自分のことを棚にあげて申し上げるが、恥ずかしくなる必要は、絶対にない。だって、私が落ち込むくらいにみんな本当に面白い文章を書いているから。なんと説得力のない発言だろう。自分でもメチャクチャなのは分かっている。でもあなたは確実に、私から見る「みんな」のうちの一人だ。文章だけじゃない、ゲームでも、歌でも、楽器でも、スポーツでも、勉強でも、パソコンスキルでも、なんでもそう。もし私と同じような人がいたら、自分が楽しいと思う気持ちを、目に見えない「変な正しさ」のせいで、摘んでほしくない。私もいつか、誰かにとって「みんな」のうちの一人になれたら、嬉しい。

さいごに、この文章を書いていて気付いたことがある。恥ずかしくなれるくらい、一旦私は自分の文章に自信を持っていたんだな、ということだ。だから、私の次の目標は、この記事を出して、恥ずかしくなってもいいから、赤ちゃんであることを自覚して、歩き続けることなのかもしれない。


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教育に触れたついでに、今私が住んでいるアメリカで聞いた話を紹介したい。
こちらに住んでいる日本人の方から聞いた話なのだが、お子さんが今小学生で算数のクイズ(アメリカでは小テストのことをQuizという)で脅威の全問間違いで帰ってきたらしい。日本では九九をやっている学齢で5+3=や7+4=が分からない我が子に対して狼狽えていた彼女だったが、担任の先生は「この子は9の書き方がとっても上手です!クラスで一番綺麗!褒めてあげて!」で終わったらしい。
加えて、州によるのかもしれないが、アメリカでは公立の小学校で宿題を出すことが、児童の個性を潰してしまうため法律違反になのだそうだ。日本で生まれ育った知人は戸惑いしか感じなかったが、自由の国の教育を体感するいいきっかけだったと言っていた。お子さんは9が綺麗に書けるという自尊心は強烈に付くだろうが、簡単な計算ができなければ9を書く前に困ってしまうのでは…?と思うのは、私も日本育ちだからなのだろうか。
ただ、面白いことに、そういうこともあってか、知人の住むエリアでは “宿題が出る” 私立が人気なのだそうだ。どの国でも足し算くらいは勉強しろ、と思うのだろう。

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