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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(10/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、10個目。

「適正利潤」
商人は、自分の信念なり事業観に基づいて適正利潤というものを確保し、顧客を大事にしつつ商人としての社会的責任を果たしていくことが肝要で、それが社会共通の繁栄に結びつく望ましい姿だと思います。 そして、そうした望ましい商売をしていくためには、適当にかけ引きをして値段をまけるというのではなく、最初から十分勉強した適正な値段をつけて、それは値切られてもまけない、逆にお客さんを説得し、納得していただくということでなければいけません。その上で“あの店は値引く以上に価値あるサービスをしてくれる”という評判を、お客さんからいただくような商売をすることが大事だと思います。

松下幸之助 30の言葉

ここでのポイントは、「商売において”商人としての社会的責任を果たしていく”事が重要」でしょうね。
私は商売のプロではないですが、自身がロボットのソフトウェアエンジニアでBtoBの事業でもあった事からいわゆる営業のプロの方の仕事を間近で見る事は多くありました。なので、この「適正利潤」に書かれている事が如何に難しい事か?というのは分かります。その時に事業部長だったいわゆる営業のプロの方が「値引きして売れるのは当たり前でそれは営業として最低の方法」とよく言ってました。お客様はその製品やサービスによってもたらされる価値を認識(推定)し、それに対して見合う価格であるかどうか?同様の価値を提供する事業者が複数いたら最も安いものはどれか?と考えるのが通常のプロセスですかね。その方が言いたかったのは、「営業は製品やサービスによってもたらされる価値をどれだけお客様に認識していただくか?が勝負だ」という事でしょうね。それが決まってしまったら後は価格という客観的比較が非常に容易で明確な話のみになってしまうからです。価格だけの比較になる=コモディティ化された製品・サービスの場合、そもそも提供価値に差が無くなっている状態なので、営業は要らないでしょうね。

もう1つのポイントは「その上で“あの店は値引く以上に価値あるサービスをしてくれる”という評判を、お客さんからいただくような商売をする」で、こちらも前述の営業のプロが得意としていた事でした。当社の製品の価値をあの手この手で訴求して、他社の営業が提案しないような自社製品とは関係ないけどお客様のお困り事解決に資するような提案をしてました。その為にはお客様の現場に何度も行って見て、お話をとにかく聞くというのを繰り返していて、自然とお客様の信頼や期待を獲得するという事をしていました。
価格を値下げするという事はその事業における売上を当初期待からは減らすことになり、それはその事業の各プロセス(企画・開発・製造などなど)にコスト低下圧力をもたらすことになります。これが行き過ぎれば、事業継続性を失ったり、あってはならない事ですが色々なルール違反行為につながる事もあります。一方で値下げせずにその他のお困り事の解決でお客様の期待に応えるとそれは事業拡大のチャンスになるかも知れないという可能性があります。お客様との接点で価格の値引き交渉というゼロサムゲームに時間やエネルギーを使うのではなく、より提供価値を増す、お困り事の解決方法を考えるという1+1>2効果を生み出し得る事に使うべきという事でしょうね。
でもこれってBtoBだからこそできる事なんでしょうか?BtoCだとどうなんだろう?手前味噌かも知れませんが、パナソニック株式会社が実際にTryしてますね。

ここでは、下図にあるようにお客様がその価格で買わないと判断されたものの返品を受け入れる代わりに値引きして売るということをしないというまさにこの「適正利潤」の実践事例ではないでしょうか。この動きが価値に対して適正な対価が支払われ、それを原資によりお客様や社会に価値提供できる技術や製品、サービスの開発が行われるという当たり前の事が当たり前にできる事業の姿が広がるといいですね。さらには、これが循環経済の1つの重要な軸になると私は思っています。

従来の慣行と新たな取引(日経新聞より)

シバタナオキさんが書かれた記事のリンクです。


次回は「素直な心」を消化してみます。では、また〜♪

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