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スープバーに左利きのレードルが沈んでいてもたぶん嬉しくはない。

数年前のこと。左うすぽー二人で出かけた朝からの打ち合わせを終えての帰り道。お昼ごはんを食べようと帰り道にあるシズラーに入った。

ハンバーグのセットを頼んだような気がする。
サラダバーとスープバーのセット。

サラダをこんもりと皿に盛ったあと、カップを持ちスープバーのふたを開けるとあいつが沈んでた。右利きさんのレードル。左側がシュッとシャープに注ぐ口になったあれ。見た瞬間にブルーになる。

ため息をつきながら、左腕と右腕をクロスして、とても不自然な一瞬背伸びするような動作で注ぐスープ。

彼女も、あら…という顔をして、困ったなとおもむろに大きく口が広がる方からカップの外に勢いよくスープをこぼしながら注ぐ男前。

席に着いてサラダを頬張りながら、あれはほんとサウスポーキラーNo1って、穏やかに話す向かって右に利き手がある自然な対面の心地よさ。

それでも何度かお代わりするスープのレードルにぷんすかの思い出。

このあいだ、かっぱ橋で左利き用のレードルを見つけて買って来たんです。

手にして無理しなくていいんだねってしっくりを何度もエアスープ注ぎで実感する。

かみさんと息子に持たせて使いづらいだろなんて優越感に浸ったりして。

でもね、たぶんあのスープバーにこのレードルが沈んでいても嬉しくはないと思う左うすぽー。

あの中には右も左もシュッとなっているレードルか、ただのお玉が沈んでいたら嬉しいと思うんだ。


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