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古典語で作文 漢文篇  その2

古典語で作文(漢文篇) その2

(現代日本語との違い)「代名詞」は漢文や日本語では英語のように多用しないように思われる。
指示代名詞には「是・此・斯・之・其など」がある。

①私はその花を愛している。

英語のSVOの形を使う。(われはそのはなをあいす)

私(我・吾・われ・予・余・よ)漢文では文の前に前に来る傾向がある。
愛(心・旡・頭を巡らす、胸が詰まる・夂・足をひきずる・ひざまずく→心が惹かれ歩みが進まない・いつくしむ)
好(女性が子供をいつくしむ)
その(其の・「其れ」は文中でも文頭でも使われるが目的語として使われることはない・其は「其の」という使われ方をする・「夫れ」も「それ」と読むが文頭にしか用いない、また「その」とかよまず「夫の・かの」と読む。)
花(化・人の横たわった姿・姿がかわる。ばける・かわる)花(蕾から姿を変えたもの)

(現代日本語との違い)主語が述語の上に来ることは漢文も同じである。述語が名詞の場合「ナリ・タリ・アリ・ス」などを送り仮名として書き下し文に使う。
   義人正路→義は人の正路なり

②お前はお前であり、私は私である。

(なんじはなんじたり、われはわれたり)

お前(汝・ジュ、ニョ・爾・女・而・ジ、ニ・若・ニャク・ジャク・意味ではなく音によって、くっつく相手をあらわす)
である
為(象を手なずける形、母ザル等、諸説ありますが「なす・なる・ため・をさむ・つくる・る・らる・しわざ等」の読みがあります。「なり・たり」とも読まれ断定をも表します。)
也(なり・文末)
断定の「なり」は「に格助詞+ありラ変動詞」が変化した形であり、断定の「たり」は「と格助詞+ありラ変動詞」が変化した形であるという説があります。
       爾爾也なんじはなんじなり   爾為爾なんじはなんじたり

(現代日本語との違い)漢文では「其れ」は文中でも文頭でも使われるが目的語として使われることはないと言ったが、他動詞とともに使われ目的となる指示語もある。「此・是・斯・之」「諸(ショ・いろいろ→之於(シオ・これを)」である。

③はなはだしくこれを笑う。

(おおいにこれをわらふ)

大(おおいに・大和・大いに和す・たいそう調和がとれている・大安・おおいにやすらかなり・大雪・おおいにゆきふる・ひどく雪が降る)
笑(しなる竹・夭・そりかえる若い女性・上品に笑う)咲(口・しなる草・笑うが本義)
嗤(あざけりわらう・山野に住む醜い虫?)
これ(是・此・之・斯)
見敵必滅→てきをみればかならずほろぶ   
見敵必滅之→てきをみればかならずこれをほろぼす

Bグループ 漢文
①から㊿まで 瞬間的に読み方がわかると良いなあ。

①使人盗
②命人盗
③以姫行
④被疑・為疑・見疑・所疑
⑤役於物
⑥為人所制(二通りに読めますか)
⑦任将軍
⑧可飛
⑨得飛
⑩能飛
⑪不可飛
⑫不得飛
⑬不能飛
⑭百聞不如一見
⑮無如新
⑯青於藍
⑰礼与其奢寧倹
⑱与其富而畏人不如貧而無屈
⑲寧為鶏口無為牛後
⑳ 寧人負我不我負人
㉑坐而待伐孰与伐人之利
㉒与其有楽於身孰若無憂於其心
㉓戯耳
㉔但戯・但戯耳
㉕独賢者有是心
㉖不唯忘帰
㉗不独忘帰
㉘非唯無益
㉙非独無益
㉚豈唯怠之
㉛豈独吾父哉
㉜何独在長安
㉝如詩不成
㉞苟有過
㉟雖大
㊱縦不言
㊲ 微花
㊳不仕無義
㊴学若無成死不還
㊵但使主人能酔客
㊶朝聞道夕死可矣
㊷仏且不免況人間乎
㊸臣死且不避巵酒安足辞
㊹貧賤則軽易之況衆人乎
㊺以聖人之賢且学
㊻欲眠
㊼花欲咲
㊽願生還(二通りに読めますか)
㊾願大王急渡
㊿請以戦喩

略解
①使人盗(ひとをして ぬすましむ)②命人盗(ひとにめいじて ぬすましむ)③以姫行(ひめをもって ゆかしむ)④被疑・為疑・見疑・所疑(うたがはる)⑤役於物(ものに えきせらる)⑥為人所制(ひとの せいするところと なる・ひとの ために せいせらる)⑦任将軍(しょうぐんに にんぜらる)⑧可飛(とぶべし)⑨得飛(とぶを う)⑩能飛(よくとぶ)⑪不可飛(とぶべからず)⑫不得飛(とぶを えず)⑬不能飛(とぶこと あたはず)⑭百聞不如一見(ひゃくぶんは いっけんに しかず)⑮無如新(あたらしきに しくは なし)⑯青於藍(あいよりも あおし)⑰礼与其奢寧倹(れいは そのおごらんよりは むしろ けんせよ)⑱与其富而畏人不如貧而無屈(そのとみて ひとをおそれんよりは ひんにして くっするなきに しかず)⑲寧為鶏口無為牛後(むしろけいこうとなるとも ぎゅうごとなることなかれ)⑳ 寧人負我不我負人(むしろひとわれをそむくともわれひとにそむかず)㉑坐而待伐孰与伐人之利(ざしてうたるるをまつはひとをうつの りなるに いづれぞ)㉒与其有楽於身孰若無憂於其心(そのみになのしみあらんよりは そのこころにうれひなきにいづれぞ)㉓戯耳(たわむれしのみ)㉔但戯・但戯耳(ただたわむれしのみ)㉕独賢者有是心(ひとりけんじゃのみこのこころあり)㉖不唯忘帰(ただにかえるをわすするるのみならず)㉗不独忘帰(ひとりかえるをわすするるのみならず)㉘非唯無益(ただにえきなきのみにあらず)㉙非独無益(ひとりえきなきのみにあらず)㉚豈唯怠之(あにただにこれをおこたるのみならんや)㉛豈独吾父哉(あにわがちちのみならんや)㉜何独在長安(なんぞひとりちょうあんにあるのみならんや)㉝如詩不成(もし しならずんば)㉞苟有過(いやしくもあやまちあらば)㉟雖大(だいなりといへども)㊱縦不言(たとひいはずとも)㊲ 微花(はな なかりせば)㊳不仕無義(つかへずんば ぎなし)㊴学若無成死不還(がくもしなるなくんばしすともかへらず)㊵但使主人能酔客(ただしゅじんをしてよくかくをゑはしめば)㊶朝聞道夕死可矣(あしたにみちをきかばゆふべにしすともかなり)㊷仏且不免況人間乎(ほとけすらかつまぬがれず いわんやにんげんをや)㊸臣死且不避巵酒安足辞(しんしすらかつさけず ししゅ いずくんぞじするにたらん)㊹貧賤則軽易之況衆人乎(ひんせんなれば すなわちこれをけいいす いわんやしゅうじんをや)㊺以聖人之賢且学(せいじんのけんをもってすらかつまなぶ)㊻欲眠(ねむらん とほっす)㊼花欲咲(はな さかん とほっす)㊽願生還(ねがはくはいきてかえらん・いきてかえらんことをねがふ)㊾願大王急渡(ねがはくは だいおう いそぎわたれ)㊿請以戦喩(こふ たたかひをもつて たとへん)

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