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シリーズ山で死にかけた話(其の1 残雪期編)

ワイ氏、たいした人生を歩んでませんが、そこそこに山を登ってきたので、プチ死にかけたことも何度か。シリーズ化決定。ネタが尽きてすぐ終わります。


   2009 /4/29

上州武尊山(2158M)
(川場野営場〜不動岳経由)
 単独行



 じょうしゅうほたか、と読む。雪山始めて、まだ間もない頃でしたが、4月の残雪期だから余裕っしょ。と、ピッケルストックなし、8本歯アイゼンのみで行きました。


わたくし、北関東の生まれ。赤城おろし、上州空っ風に吹かれて育った人間。上州の雪深さを知らなかったわけではありませんが…。


雪のない時期でも初心者にはちときついコースです



前武尊までは雪も少なく快調に。前武尊を過ぎ、いわゆる稜線上に出ると景色が一変。本格的な雪山に。それでも晴天無風だったので、この後の悲劇を知る由もなく、気にせずのんきに前身。


雪も少なく晴天の楽しい雪山歩きだったが…。


 川場剣ヶ峰という小ピークにさしかかる。ここは現在崩落しており、本来なら右に巻いていくが…。雪で巻道や看板が埋まっており、そのまま登ってしまう。そしてこの坂が雪溜まりになっていて、半分くらい登ったところで、ズボズボっと、首くらいまで埋まってしまう。え、ええー❗️這い出そうと上がってもすぐに埋まってしまう。そんで上の方でなんか雪がカサカサ音をたてている。まさか雪崩れたりしねえよな、と。周りを見ると、平日昼間のこんな山奥に人がいるはずもなく、雪をまとった周囲の山々が風でヒュオーとか言ってる…。

  もしかして、ワイ埋まってしまうの❓

涙目になりながら、脱出を試みる。眼前の雪を手で叩いて固めながら、それを足場にして崩れないようにそっとそっと降りていく。何度も埋まりながら少しずつ降りていく。途中何ヵ所か木が出ていたので、それにしがみついたりしながら。数十メートル降りるのに1時間以上の時間をかけ、やっと安全圏にまで辿り着く。これでもう危機は脱したが、さすがに続行する気力などなく下山する。

 実際はそれほど危機的な状況ではなく、もっと冷静に対処できたりもしたのであろうが、あんな人気のない山奥で突然首まで雪に埋まったら、それは恐怖でしかない。

雪に首まで埋まった川場剣ヶ峰の実際の映像。危機脱出後に、記念に一枚。

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