イベントで負けた話

本当に悔しい。
悔しすぎて久々にここで気持ちの整理をつける程度には悔しい。
普通にとかではなく異常に悔しい。

今日(20240129)は下北沢は近松でCHIKAMATSU SAMPLERというイベントに出てきた。
手短にまとめると、その日一番良かったと思われたアーティストが投票によって決まり、各日程で選ばれたバンドのみが後日別イベントに参加できる、というものだ。

このイベントに滅茶苦茶な思い入れがあったかと言われればそうではない。
昨年のこの時期は「留年」の2文字が常にチラついていたせいでこのイベントには出演できなかった。

ではなぜこんなに悔しがっているのかって?
「負けるべくして負けた」と思ってしまったからだ。

正直最近のバンド活動はどこかマンネリ化していた。
テストと就活を控えたメンバー、留学を控えたメンバー、おれ。
おれも何もないなりにテストは受けたりしていて、大学のサークルでカバーも色々やっていたせいでバンドがおざなりになっている節はあった。

そんな中で迎えたライブ

控えめにいっておれらは最高だった。
自分ら史上一番出来のいいライブなんじゃないか、もしくは二番目か!?
という議論を呼ぶほどには最高だった。

ところが蓋を開けてみれば敢えなく落選
いいところはあった。このイベントはオーディエンスが別々のバンドに計二票入れることができるのだが、二番目に選んでもらった数は全五バンドの中で一番多かった(自分ら以外のバンドを目当てに来てくれたお客さんがついでに自分達にも入れてくれたよって話)。

頭が真っ白になった。音楽やバンドを始めてから「勝負」というものに出会う回数は本当に少ない。自分の見えないところで審査され落とされることはあっても、目に見える形で負けたことは初めての経験だった。

数日前には昨年VIYONの自主企画に出てくれていた変心芙蓉が優勝していた。その翌日にはこの間対バンして少しお話をしたNAVY HERETICというバンドが優勝していた。絶対に負けられないと、サッカー日本代表も逃げ出す勢いで燃えていた。結果上手くライブができた。そして落ちた。自分の中でずっと積もっていた何かが弾けてしまった。

発表後は明らかに落ち込んだ。これが自分の子供っぽいところである。「勝負事に負けてなんで笑ってられるんだ」などと心の中では吠えていても、頭ではその対処や処世術は十分に理解していたし、自分が間違っているのを周りを見て嫌でも痛感させられた。

そんなこんなでメンバーと少し深い話をした。就職をしたらどうするのか、続けていく意思はあるのか、そもそも僕らの目標は何なのか。ここ数ヶ月バンドを一緒にやっていて、無意識の内にそこがズレてしまっていた、と僕自身は感じている。

バンドをやっている身からしても、30、40にもなって売れないままバンドを続けるというのは中々肝が据わった事象である。そうはなりたくない、売れてもっとデカいところで君らとやっていけなきゃ、というかそこに目標を合わせていかなきゃ、今バンドをやっている時間は無駄になってしまう。人生の無駄遣いになってしまう、という話をした。こういう話は今まで避けてきた。言葉が軽くなってしまうのでたくさんすればいいものではない。だからと言って全くしないのは、それはそれで間違った地図を持ったままバミューダトライアングルへ特攻するようなものだ。それはどう考えても得策じゃない。今持ってるその地図が、間違っていることも時には誰かが指摘しなくては、沈没して全員死ぬだけ。

これはずっとある話だがVIYONは集客が弱い。いろんなことを犠牲にしてきたと言えば聞こえはいいが、壊したもの、不安なものには蓋をしてしまう習性が染み付いてしまっている。結果人は集まってこない。

少し現実的な話をすると、今日のライブは二人来てくれた。ノルマは7枚。機材費が3,000円。チケットが一枚2400とかなので、大体僕らが地腹を切る金額は15000円。一人3750。話が逸れてきたのでここら辺で終わろうかな。

とりあえず優勝したバンドはおめでとう!!!などと言えるわけもなく、意地汚い嫉妬心のようなものが渦巻いている。汚い。でもバンド内で腹を割って話せて、企画もマリースメックが出てくれて、新しい写真も公開できたので何とかハッピーである。バンドマンなんぞくだらないと言っているそこのあなた、

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