東京で就職することに憧れる皆様へ⑤
そろそろこの題名で書くことが面倒臭くなってきたので、今回で最後にしたいと思います。
前回、会社まで通勤時間を1時間又は3時間にするかで年間にして20日間分の時間が生まれると書きました。
時間だけで見ても大きな差ではありますが、実際には、身体や精神への影響も相当程度にあります。
短い通勤時間で身体や精神に余裕を持ち、余力を使って自己研鑽に励むことが出来れば、必然的に自尊心や充実感が高まり、浪費による自己肯定感ではなく、自己成長による確固たる基盤を得ることができます。
随分と硬い表現にはなりましたが、私のような田舎者が東京に出て働くということは、否応なしに地方には無い競争社会に触れることになります。
それは、単に会社内だけではなく、街を歩けば目に入るものの多くに見え隠れしています。
例えば、列車広告を見てみると、都内の電車内で見る広告の多くは、資産運用やキャリアに関する書籍の紹介や、人材紹介業者への問い合わせを暗に、或いは直接的に勧める広告です。
これは都内で数年働いた後、地方に転勤となってから気づいたことですが、東京という街は、労働者階級にありとあらゆる方法で不安を掻き立て、自己研鑽や最近ではリスキリングといった一見前向きに聞こえる言葉で進むべき方向を指し示すことで、何か別の商品を買わせようという心理が地方よりも遥かに強く、露骨に見える街です。
とはいえ、人口減少により地方都市の多くが衰退する中で、人とモノが集まる東京の魅力はなかなか減退しないのも事実かと思います。
だからこそ、これから東京で働く、或いは働こうとする際には、そんな東京の特徴を冷静に見つつ、企業や個人が利潤を最大化するために絶え間なく浴びせられる不安を煽る言葉やその解決の糸口を示す、或いは解答を与えてその成果まで親切にも提供してあげるといった甘い声に乗ってしまわないように気をつける必要があると思います、という今回はそんな話でした。
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