大和物語00041

シュメール遊牧民がモアブにいても話題にすらならない。どこも多かれ少なかれ雑種だ。モアブを拠点とした名も無きシュメール人、今から探しても誰だかわかりようがない。モーセを受け入れ、ダビデを排出したシュメールの仮拠点が、最低でも一家族単位として存在していた。モアブの名が繰り返される偶然にも必然性が増す。ラ・ムーの伝承迄備えた、強者の中の強者シュメール一家が、謙虚に細細とモアブの民に紛れて生活を営み、ヘブライの民の行ったり来たりを横目で虎視眈眈と眺めていた。少なくともヘブライの如何なる集落にはそのようの人間が存在していた記録が無い。それでもメソポタミア文明は突如現れ、エジプトピラミッドは現代人にすら解析されぬよう建造され、超人モーセ、超人ダビデがヘブライ救出に突如出現した。それぞれが摩訶不思議な神による奇跡なのか、それらを可能とする何万年も培った伝統を東から西へと必要に応じて伝播する天使達が要所要所に居て、表に出たがらない恥ずかしがり屋さんが歴史に名を刻むなんてとんでもないって風の如くどこかに消えてったのか。私は後者だと信じてる。

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