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複利効果の逆効果⁈

『投資は早く始めた方がいい!』

よく投資初心者向けの書籍などではこのように書かれていることが多いのです。

そしてそれは、「複利」の効果を得るためであると説明しています。

実際に複利効果について、このブログでも触れてきました。

実際にテレビなどで新NISAについて解説しているものを見て「複利効果ってすご〜い!」と思われた方も多いのではないでしょうか?

ですが!投資に限った話ではないのです。投資以外の複利効果には注意が必要なのです!

そもそも複利とは?

そもそもの「複利」について解説しておきます。

仮に一年の運用で利益が出た場合、その利益を受け取らずにそのまま運用にまわして元本に加えていきます。

それによって元本と利益の両方を徐々に増やしていくというものです。

負債では…

これまでは利息の注意点についてお金を増やす「投資」の観点でお話しをしました。

しかし、投資以上に利息が身近なものと言えばローンなどの「負債」ではないでしょうか?

住宅ローンや自動車ローンを組まれている方も多いですよね?

長期的なローンを組む際に代表的な返済方法は二つあります。

それが『元利均等返済(がんりきんとうへんさい)』と『元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)』です。
なんとなく聞いたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

『元利均等返済』は毎月の返済金額が金利と元本合計で均等にする返済方法です。元金と金利の合計は毎月同金額に設定し、最初のうちは金利部分を多めに、終盤に近づくほど元金を多めに返済します。

一方で『元金均等返済』は毎月の返済金額について元金の部分のみ同じ金額になるように返済する方法です。
元利均等返済と同じく当初金利部分を多めに返済するプランですが、元金部分の返済金額が一定なので、元利合計の返済金額は当初多く、月を経るごとに減少していくという返済プランとなります。

ここから具体的な例でご説明します。

仮に、借入金を1,000万円として、金利5%で返済期間10年としてみましょう。

すると、元利均等返済は総額が12,727,800円となります。

もう一方の元金均等返済では総額が12,520,723円となります。

負債でも複利が…⁈

ここで注目していただきたいのは双方の返済においても、金利の支払い総額が250万円を超えるという点です。

金利が5%なので単純に1,000万円×5%で元本1,000万円の元本と50万円の金利を合わせて返済すればいいという訳ではありません。

なんと10年かけて返済する過程で元本そのものが新たに金利を生み出しているのです!

複利効果によって負債が増えているのですね!

その点でいうと元金均等返済は少し金利負担が軽減されます。(金額にも差が出ていますね!)

最初は返済額の負担が大きいですが、元利均等返済よりも早めに元本部分の返済が進みますので複利効果による金利の増加が少しは抑えられる訳ですね。

投資は長く!返済は短く!

今回は投資だけではなく、身近な負債の観点から複利について見てきました。

現実では、長期のローンを組んでもなかなか繰り上げ返済に回せず、返済期間は長くなりがちです。

一方で投資は一攫千金狙いで短く攻めて、結局は撤退してしまう人が多くいます。

利益が出ていてもいなくてもちょっと値段が動くと手放してしまったり…

ここまでの説明でおわかりいただけたかと思いますが、逆ですよね?

返済はなるべく早く終わらせて、投資はなるべく長く続けた方がいいのです!

住宅ローンを借り入れた際に金融機関からのシミュレーションをみて「35年返済で毎月の負担額は少ないから安心!」と思ってそのままにしていませんか?
金融機関も複利効果で利益を得ているんです。

「複利効果」は投資だけではなく身近に潜んでいるものでもあるのです!

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