行苦

3.無常をなげく苦(行苦)

最後の「行苦ぎょうく」は、「無常をなげく苦」です。
なぜかというと、「行苦」の「行」というのは、諸行無常の「行」と同じで、この世のものすべてを「行」といいます。
この世のものすべては続かない、無常であることをなげく苦しみです。

無常をなげくということは、
まだ「壊苦えく」のように、楽しみはくずれていないのです。

ですから、苦苦や壊苦のように明快な苦しみではありません。
ですが人生にいつもつきまとっている、ぼんやりした苦しみです。
とりたてて不幸というわけではないけれど、どことなく喜べない。
何が足りないか分からないのに、何か物足りない。
そんな虚しい気持ちになります。

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