檸檬茶

大学生。 作家を目指してます。 音楽、映画、漫画、読書、色々好きです。 短い小説を書いていこうと思います。

檸檬茶

大学生。 作家を目指してます。 音楽、映画、漫画、読書、色々好きです。 短い小説を書いていこうと思います。

最近の記事

【短編小説】もし、ひるマックが13時までだったら

「もし、ひるマックが13時までだったら、僕は飢え死にしていただろう」 菊池雅人(1998〜)  なぜか格言めいた口調で、そんな惨めな一言を呟いた彼はまだ生きています。  結局、最寄りのマックは閉店したようですが、それでも生きています。  彼はカラオケに行くと、いつも竹原ピストルを歌います。語りの部分に入ると結構、痛々しいです。  そのくせして普段はチャットモンチーや、aikoのような女々しい曲を聞いています。まさに「内柔外剛」といったダサい男ですが、彼は元気です。  

    • 【会食恐怖症】食べたいのに食べられない、美味しいのに楽しくない

       世の中には色んな恐怖症があります。例えば「高所恐怖症」とか「集合体恐怖症」とか。  この恐怖症というのは、飲みの場ではかなり定番な話題です。「俺、高所恐怖症なんだよ!」とか「私は海洋恐怖症!」とか言って、結構盛り上がったりします。そんな中、人知れず「絶賛恐怖症発症中」な人間が居たりします。  それが「会食恐怖症」です。僕は少し前から、この会食恐怖症というものに悩まされております。今回はそんな最近の悩みについて、書いてみようと思います。 ※全て自分の体験をもとに書いています

      • 【短編小説】コンビニ弁当と一緒に轢かれた

         7月の真っ昼間、太陽が一番高くある時、僕はコンビニ弁当と一緒に轢かれた。  僕は「スクールゾーン」と大きく書かれた地面の上に横たわる。子供たちは今頃学校で勉強中だ。轢かれたのが僕で良かった。なんてヒーロー気取りのセリフを並べてみる。  体を動かそうとするたびに、全身に鋭い痛みが響く。骨に直接トンカチを当てるような痛み。血液があらぬ方向に流れていくのがわかる。内出血だ。  嫌だ。死にたくない。  このままでは、僕は屈辱的な死を迎えてしまう。  今から10分ほど前、僕は昼

        • 【短編小説】横断歩道を渡る時の痛み

           友人の友人が自殺した。 という話を友人の倉田から聞いた。だから僕から見れば、友人の友人の、そのまた友人が自殺した。 「本当にそんなことがあるんだな」 と、悲しげに、しかし興奮気味な口調で彼は言う。夜通しビールを浴びるように飲んだ僕達は、徐々に理性を失い、新宿の閑散とした大衆居酒屋店に大きな声を響かせていた。  空が白み始めているのが、窓ガラス越しに感じられた。終電の時間が過ぎたあたりから、客は急速に減っていき、ついに残ったのは僕達だけになってしまった。  店員は「早く

          やっぱりお笑いをやろうと思う。

           はい、やっぱりお笑いをやろうと思いました。  最近同窓会があって、ふと小学校の卒業アルバムを見ていると、寄せ書きのページに、 「将来はお笑い芸人になって!」 とか、 「たくさん笑わせてもらいました」 的な言葉がたくさん書かれていて、まあ何とも複雑な気分になりました。  ずっと心の中にお笑いやりたいという思いはあって、でも身の丈に合わないことはやらないようにしようと人目のつかない所に閉まっておいたのですが、やっぱりお笑いやりたいです。  最近、実績も何もないのに

          やっぱりお笑いをやろうと思う。

          【短編小説】あさがくる

          「朝が来る」と、私を励ますのはやめて欲しい。 「夜が明ける」ならまだしも。 朝が憂鬱な人間は多くいるが、「朝」という言葉そのものを嫌悪する人間は少ないだろうと思う。 私はいつだって朝から逃げている。 不眠症の私にとって、朝は迎えるものではなく、後から追ってくるものなのだ。 しかし、朝は否応なく私の目の前に立ちはだかる。 午前三時半。 そんな戯言を頭の中で並べていたのは、友人の河本から自主制作の楽曲が送られてきたからであった。曲名は『あさがくる』。 私が重い腰を上げて床に就

          【短編小説】あさがくる

          自己紹介 │ はじめてのnote

          どうも檸檬茶(れもんちゃ)と申し〼。 作家を目指している大学生です。 普段はシナリオをメインに書いています。 実はもうすでに、『半透明少女』という短編小説を投稿しています。 だから「はじめて」というのは嘘です。 今回は自己紹介がてら、初めて小説というものに挑戦してみた感想について書いてみようと思います。 檸檬茶の好きなモノまずは、檸檬茶が好きなモノを紹介したいと思います。 私は「自己紹介が長い奴には気をつけろ」をモットーに、これまで生きてきたので、なるべく簡潔に済ませよ

          自己紹介 │ はじめてのnote

          【短編小説】半透明少年

          教室が濁っている。 濁った言葉で空気が振動している。 その振動が耳に届くと不快だった。 僕の高校の日本史は騒々しい。授業中にイヤホンをつけているのがバレたようで、生徒が一人立たされていた。彼はサッカー部のキャプテンで、全身が浅黒く日焼けしている。 「ちょっと待って下さいよ~」と、彼は今日売れようとしている芸人みたいに、大袈裟なリアクションを披露していた。 先生も怒っているようには見えなかった。怒っているというよりは、ツッコミをしているという感じ。きっと教師としてのプライドよ

          【短編小説】半透明少年