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南の空に、亡き祖父を想う。

今日6月14日は、祖父の命日。

祖父の亡くなった時間は、正確には分からない。
なぜなら、祖父は寝ている間に逝ってしまったから。

脳出血だった。
普段と変わらず、祖母と同じ部屋で夜寝ていた。朝、祖母が先に起き、朝ご飯の時間になっても祖父は起きてこない。不思議に思った母が、祖母に声をかけて一緒に部屋に行くと、もうすでに息をしていなかった。

結婚して実家を出ていた私は、弟からのLINEでそれを知った。

「じいちゃん、死んだよ。」

たった一言だった。意味が分からなかった。
2日前に電話したばかりだったのに。
「引っ越しをしたから遊びにおいでよ!」と言った私に『お祝いを持って行かないとな!』と、豪快に笑った祖父の姿が思い出された。

あまり実感が湧かないまま、実家に帰省。
祭壇の前に寝かされている祖父を見ても、いまいちピンとこなかった。
日にちが経って、火葬の日。
祖父の姿がもう見られなくなる。急に亡くなった実感が湧いた。涙が止まらなかった。
小さな骨壺となって帰ってきた祖父。寂しかった。悲しかった。


祖父は、おおらかで地域のムードメーカーだった。
スポーツ万能で、少年野球チームを作り子どもたちに教えたこともあったそう。仕事以外にも地域の活動に精力的に参加し、いろんな役職を請け負っていたので、ほとんど家にいることがなかった。
実際、祖父の顔の広さを感じたできごとがあった。
葬儀のとき、ホールに入りきらないほどの人が集まったのだ。
「○○さんには△△で大変お世話になりました。」と、知らない人から声をかけられる。家族でも把握しきれない、祖父の功績と偉大さが分かった。

どんなことも明るく笑い飛ばしていた祖父。
私自身が壁にぶち当たったときに、祖父だったらどう思ってどう対応するか考えることがある。
でも、そこでも祖父はガハハと笑っている。

『笑顔でいれば、自ずと人は集まってくるんだ。大丈夫。』
祖父にそう言われている気がした。


じいちゃん。そっちの調子はどうですか?
しばらく実家に帰ってゆっくりできず、墓参りも行けなくてごめんね。
私は相変わらず、不器用に生きてるよ。
もっと立派になって、じいちゃんみたいに人が集まってくる人になれるように頑張るね。


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