源氏物語のセックスはどれほど激しかったか

前もっていうと、この話は与太話である。まあ、お下品な話だが、秘すほどのこともない。

少し前に、医心方について言及したエッセイを書いた（ネット公開の文章ではない）。そのおり、医心方を考え直していたのだが、その医心方だが、文化遺産オンラインにはこうある。

　『医心方』（三十巻）は、永観二年（九八四）に丹波康頼が撰進したわが国現存最古の医書である。内容は、治病大体部、鍼灸部等三十部門に分けて、医療、本草、養生等の肝要をまとめたもので、文中に引用する中国の医書には、現在逸書となったものが多く、東洋医学史上に重視されている。この半井家本は、その平安時代後期の写本で、現存最古写本のまとまった遺巻である。
　全三十巻、一冊のうち、二十五巻には文中に天養二年（一一四五）に宇治入道大相国藤原忠実の本によって書き込まれた訓点や校異、および医家本等による校異などがあり、この半井家本の由緒の正しさを示すとともに、その訓点は平安時代の国語資料としても貴重である。また巻第二十五、第二十九の二巻は平安時代後期の書写になる別本で、紙背には長承二年（一一三三）具注暦および保安・大治年間頃の文書およそ五十通があり、院政期のまとまった文書として歴史学上にも注目される。そのほか、鎌倉時代写本一巻、江戸時代写本二巻、一冊をあわせた全巻を完存し、中世以来の医家として著名な半井家に伝来した。なお、幕末期に江戸幕府の医学館において本巻の書写・板刻が行われ、版本として万延元年（一八六〇）に刊行された。附の文書はその際に、本巻の返還をめぐって幕府と半井家との間に交わされた書状類である。（https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/159755）

この第28巻が曲者というか、性に関連している。房内篇と呼ばれ、源氏物語と関係しているだろうと、ためしにググったら、あちゃー、鹿島茂先生がずばり書いていらした。

『源氏物語』の時代の宮廷人はこの「房内篇」を拳拳服膺し、健康促進のためにセックスに励んだり、あるいは禁忌に触れまいとつとめたにちがいない。
（https://allreviews.jp/review/1766）

源氏物語を通読していて思うのだけど、どうもセックスにやたら時間をかけているし、しかも、朝、女がぐったりし過ぎ。これは、かなり激しいだろとしか思えない。鹿島先生も書かれているが、「時間をかけたなめらかな挿入」だろう。

なぜ、平安貴族が、そんなこってりしたセックスをしていたかだが、単純に子作りのためだろう。また、女が魅惑的であることも価値とされていた。

とはいえ、光源氏と藤壺の密通など、密通においては、子供産まれちゃまずいだろうというのはあるが、セックス自体は様式しとして、こってりしてしまっていたのだろうか。それと、末摘花が暗示するように、そして夕顔でもそうだが、やっている最中では相手の顔は見てないようで、そのあたりは、どうなんだろうという疑問はある。

この手の話は、林望先生もけっこうなさっているので、参考になるが。

あと確か、網野善彦の言及だったと思うが、都の女が地方豪族に下賜されるのは、都の女が性技に長けるというのがあったらしい。