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アメイジングスパイダーマン2:”親愛なる隣人”は時間を超える

アメイジングスパイダーマン2の感想・考察を書いていきます。

最新作スパイダーマン:ノーウェイホームの予習・復習のために今作品を観た方も多いと思います。

スパイダーマンシリーズの中でワンツーを争う好きな作品なので、改めて考えてみたいと思い書きました。

世代的にアメイジングシリーズが私のスパイダーマンなんですよね。トビーはテレビで何度も見た覚えがありますが、映画館で見たのはアンドリューが最初です。叔父に連れられ、アンドリュースパイダーマンを観に行った覚えがあります。

彼にどれほど憧れたことか‥ 思い出話はこれくらいにしておきます。

アメイジングシリーズのネタバレしかないので、ノーウェイホームの予習・復習中の方でも読んでいただければ幸いです。もちろん、すべて見た方も読んで頂ければ幸いです。

再度になりますが、アメスパシリーズのネタバレはあるのでこのシリーズの2作を見ていない方はご注意ください。

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アメスパ2を時間から読み解く

アメスパ2には最後の戦闘場所の時計台にも代表されるように、時間が象徴的な存在になります。
時間という観点からこの物語をみていきましょう。

まずそれぞれの時間の捉え方について考えてみましょう
・ハリー
彼は遺伝性の病気を患っており、いつ死ぬのかがわからない状況です。生きるためにスパイダーマンの血を得て、自己修復能力を手にしようとします。彼にとって時間とは足りないものであり、時間に追われて生きています。

・グウェン
彼女はスピーチの中で時間について直接は語っていませんが、終わりがくるから人生には価値がある、と述べています。この瞬間は永遠に続くだろうと感じている他の若者と違って、時間は進み続け、いつかは終わりをもたらすことを彼女は受け入れています。彼女は時間と向き合い、だからこそ他の人ではなく自分の人生を生きる決意をしました。

彼ら2人は時間は終わるものとして考えています。しかし、時間は終わりをもたらすだけのものではありません。

そこで時間と共に新たなものを創造した2人の人物をみていきましょう。

・リチャードパーカー
彼には時間がありませんでした。しかし彼は死の直前に時間を克服しました。世間的には罪人として死んでしまいましたが、愛する息子には真実を知って欲しいと思い、そのためには動画を転送する時間が必要でした。そして、その時間を自らの拳で得たのがリチャードなのです。時間と共に真実を創造したと言えるでしょう。

・メイおばさん
両親がいなくなったピーターと多くの時間を過ごしたメイおばさん。どんな時でもピーターを支えていたのが彼女でした。そして彼女は、おばである事実を超えて、ピーターの母になりました。時間によって事実を超えた”親”という存在を創造したのでした。

彼ら2人の存在により、ピーターはグウェンと共に生きる決断をし、最後の決戦に向かうことができたのです。

では、スパイダーマンであるピーターパーカーにとって時間とは何だったのか。

彼にとって時間とはコントロールできるものだったのです。

だから卒業式には間に合うと思っていたり、グウェンが面接に遅刻しているにもかかわらず、苦悩を打ち明けていたりしたのです。

しかし時間をコントロールすることはできません。

その結果、時計の針は進み続け、時計台は崩壊し、グウェンを失ってしまったのです。

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時間を克服できた者とできなかった者の違いはなんでしょうか。

それはそれが人のためであるかどうかです。

リチャードパーカーやメイおばさんはピーターのために時間を得ました。しかし、ピーターは自分のために時間を支配しようとしていたからこそ、グウェンを想ったあの瞬間に、時間は味方をしてはくれませんでした。

ピーターが支配しようとしていた時間のそこからの反撃は厳しいものになります。グウェンを失い、その喪失を時間が癒してくれることはありません。来る日も来る日も彼女の眠る場所に行って、彼女をおもう時間だけが過ぎていきます。ピーターパーカーからスパイダーマンは奪われたままでした。

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それでは、時間に打ちのめされたピーターを助け出し、スパイダーマンを復活させたのは誰なのでしょうか。

それは時間を超えたグウェンと時間を止めたホルヘでした。

グウェンのこの世界いるすべての人に宛てた、あのスピーチは時間を超えてピーターを支え、彼に希望を与えました。

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スパイダーマンに助けられた少年、ホルヘは隣人を守ろうと時間を止めてライノに立ち向かい、彼に復活の場を与えたのでした。

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人のために行動した彼らによりスパイダーマンは復活したのです。

時間を克服できるように、人のために行動するのではありません。人のために行動した時、時間は味方となってくれるのです。

そのことに気付くための犠牲は大きすぎるものでした。

グウェンの死を無駄にしないために、再びスーツを着る。

本当の親愛なる隣人として、アメイジングスパイダーマンがここから始まっていくのです。

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