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雑な暮らしの手帖

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日々、出会ったことからつらつら考えたことの覚え書き。
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2019年8月の記事一覧

自分に「素直」か、他人に「素直」か

「素直」の言葉が持つ二面性 8月も20日を過ぎた頃から、テレビや新聞で、子どもたちに向けてのメッセージが目につくようになった。夏休み明けは、命を絶ったり、学校に行けなくなる子どもが多く、それを防ぎたいという呼びかけなのだそうだ。私の周囲には今、親しくする10代の子どもがいないので、「そうか、今の子どもたちは学校サバイバルが本当に大変なんだな」と思うくらいしかできないのだが、自分の子ども時代を振り返ってみて、一つの言葉が思い浮かんだ。「素直」の言葉だ。  日本では「素直」なこ

「おしん」からトレンディドラマに見る「家」思想

「家」に閉じこめられた女性たちテレビドラマ最高視聴率を記録したNHK朝ドラ「おしん」といえば、少女期の小林綾子のけなげさがクローズアップされることが多い。が、田中裕子が演じた青年期のほうが、きな臭さが漂う令和にはピタッとはまるのではないだろうか。 明治から昭和を生き延びた女性の一生を1年間の長丁場で描く波瀾万丈のドラマなのと、ネタバレしてもつまらないので、ストーリーは「まぁ、とりあえず、興味があったら見て」と言うしかない。今週で言えば、関東大震災ですべてを失ったおしん(田中