マガジンのカバー画像

執筆の独り言

30
取材や原稿執筆などなど、仕事にまつわるできごとで感じたことあれこれの覚え書き
運営しているクリエイター

#ゆたかさって何だろう

出版物の総額表示義務化と紙媒体の衰退で引き起こされること

1989年の消費税導入時は出版社1社平均3623万円の負担 そろそろ寝るか、と思ったら、TwitterでこんなTweetを見てしまい、「ああ、そうだった」とくらくらしているところである。出版社のなかの人間ではないので、消費税が上がる=表示問題の勃発をすっかり忘れていたのだけど、消費税改正のときのドタバタを思い出すことになった。89年はまだ出版界に入っていなかったので現場は知らないのだが、それ以降の改正では、雑誌が元気でまだなんとか出版社に余裕があったときでさえ、もれ聞くなかの

本は人、雑誌は世界。1冊の向こうに人がいる

思いがけず、「出版物の総額表示義務化と紙媒体の衰退で引き起こされること」を多くの方に読んでいただくことになりました。本当にありがとうございます。フォローもしていただいて恐縮しております。その後の経過やTweetなどを見ていて、本や雑誌を大事に思ってくださる方がたくさんいることをあらためて知ることになり、うれしくもなりました。その続きのようなものを今日は書いてみようと思います。  新型コロナウイルス感染症による自粛生活が明けた6月、初めて三省堂書店に行ったときのこと。自分の毛

ブラックボックスの壁を越える「ハイパーハードボイルドグルメリポート」

世の中に無数にあるブラックボックスの壁 世の中にはブラックボックスが多い。存在していることはよく知られていて、外側は誰でも簡単に見ることができるのに、なかの様子を肌感覚で知っているのは、内側で暮らす人だけ。会社も学校も、昨今はそんなブラックボックスに見えてくる。  これまでは職種と働いている場所を聞けば、おおよその働く姿が想像できた。しかし、新型コロナウィする感染症は、「場」に多くの人が同時に存在することを許さない。自粛生活を余儀なくされてからは、人々の働く姿が想像しにくく