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簡約英訳版サンソン家回顧録について

『ロビン・フッド原典集成』で多大な支援をいただいたので『簡約英訳版サンソン家回顧録』の翻訳に着手します。完成がいつかは確約できませんが、少しずつ着実に進めるつもりです。気長にお待ち下さい。以下のマガジンを登録すると最新の進捗状況がわかります。購読しなくても無料公開分で進捗状況を確認できます。

翻訳刊行に関する注意書き

※翻訳刊行に興味がある方はご一読ください。

原書の『Sept générations d'exécuteurs, 1688-1847 ; mémoires des Sanson』は全6巻で2,964頁あります。簡約英訳版の『Memoirs of the Sansons, from private notes and documents, 1688-1847』は全2巻で704頁になっています。また1962年に『Executioners all; Memoirs of the Sanson family from private notes and documents, 1688-1847』という英訳が出ていますが、これも簡約版です。

英訳でも全訳がないくらいなので、日本語で全訳となると刊行の実現はほぼ不可能だと思います。

①訳者を確保する難点

近代フランスを専門にする歴史研究者、もしくは近代フランス語の言語研究者が望ましい。研究者はそれなりにいると思いますが、これだけの分量になると引き受けてくれる方はなかなか見つからないでしょう。

②出版社に企画を通す難点

どれくらいの部数が売れるのか。人文書は300部程度でも刊行される場合がありますが、助成金や科研費でもない限り、刊行は非常に難しくなっています。

③販売価格が高額になる難点

たとえばフェルナン・ブローデルの『地中海』だと全5巻の普及版で定価2万円で販売されています。普及版ではなく初版だと定価は3万6,000円です。ただこれはブローデルの『地中海』という幅広い読者を対象としているので可能な価格設定であり、仮に同じように『サンソン家回顧録』を全6巻で刊行するとどうなるか。刷り部数から考えて、定価を最低でも5万円以上にしないと採算が合わないと思います。

④私ができること

当然ながら私ができることには限りがあります。ただその限りの中で何ができるかをまとめておこうと思います。『Memoirs of the Sansons, from private notes and documents, 1688-1847』の翻訳であれば、私個人でも対処可能な範囲に収まります。ただ私はフランス史の専門ではありません。あくまで19世紀の英語を日本語で読めるようにするだけです。内容の真偽は検証できませんが、英訳自体の精度は保証します。フランス語原文はもちろんのこと、英語もあまり読めないという方のために翻訳するとご理解いただければ幸いです。

上記にもあるように底本は以下の2冊です。

Memoirs of the Sansons, from private notes and documents, 1688-1847 v.1

Memoirs of the Sansons, from private notes and documents, 1688-1847 v.2

なおバルザック著(安達正勝訳)『サンソン回想録』はタイトルは似ていますが、底本はまったく別の本です。『サンソン家回顧録』と比較対照して読むと理解が深まります。


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