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無法者ビリー・ザ・キッド―第六章

第五章から読む

うまくいった牛の強奪―首領のキッド―チザムのラス・ベガスへの旅―マクロスキーの帰還―先導役の裏切り―キッドの誓い―裏切り者の捜索

新しく組織された徒党の最初の遠征は、牛の群れを奪うことに関してはうまくいった。早朝、キャンプを離れたキッドは、東部から初めてやって来た時に使った道程を踏破した。一味はコロラドとメキシコの境界にあるアニマス峡谷を下って、牛飼いたちの一団によって守られた牛の群れに遭遇した。襲撃団は別れる手筈を整えた。キッドと3人の男は牛飼いたちに向かって突進して戦う一方、その他の者たちは牛をニューメキシコに連れ去る。突進はうまくいった。牛飼いたちは戦いの準備をしておらず、リボルバーを発射しながらキッドと仲間たちが接近すると四散した。それからキッドと仲間たちは転回して牛の群れを追っている他の者たちと合流した。盗んだものはラス・ベガスで処分する手筈になっていた。ラス・ベガスは鉄道に近く、所有者が牛を取り戻そうとする前に遠くへ運び去ることができたからだ。そうした役割はチザムに任された。チザムはニュー・メキシコのすべての町で牛の売りてとして知られていたので疑われずに牛を処分できた。

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