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ジェロニモ自伝―第4部 新しきものと古きもの 第21章 万国博覧会にて

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セント・ルイス万国博覧会[1904年4月30日から12月1日まで開催、会場面積は1,240エーカー。東京ディズニー・リゾートの2.5倍。44州50ヶ国が参加。日本も参加していてアイヌを送り込んだり浅草の町並みを再現したりした]に参加しないかと最初に問われた時、私は行きたくなかった。後に、きっと注目を浴びてより良い保護を受けられるようになるだろうと言われ、合衆国大統領がそれはよいことだと述べたと言われた時に私は[参加に]同意した。私は、大統領から許可を得た関係者によって、インディアン管理局の管轄のもと、留め置かれた。私はその場所に6ヶ月間滞在した。私は自分の写真を1枚25セントで販売し、そのうち10セントを自分のためにとっておくことが認められた。また私は自分の名前を場合に応じて10セント、15セント、もしくは25セントで書き、そのお金はすべてとっておけた。日によっては2ドル稼ぐこともあった。そして、戻る頃には私はこれまで持ったことがないような多額のお金を持っていた。

セント・ルイスにいた人々は私を彼らの家に招待してくれたが、私の付添人はいつも断ってしまった。

毎週日曜日、万国博覧会の興行主が私を西部のショー[カミングスのワイルド・ウェスト・ショー]に送り込んだ。私は観衆の前で輪投げ競技に参加した。他にも多くのインディアンの部族がいて、私が聞いたことがないような不思議な人々もいた。

世界博覧会に最初にやって来た人々は、通りを行ったり来たりする他にすることが何もない。 それに飽きてしまうと彼らはショーを見に来る。ショーには不思議なことがたくさんあった。政府は私に護衛を同行させた。私は彼らを伴わなければどこにも行けなかった。

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