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暗号通貨研究所

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暗号通貨に関連するイベントを記事にします。
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#bitcoin

Lightning Networkのメトリクスと攻撃手法

この記事では、CoinDesk のリサーチチームが2021年9月に出している Lightning Network の調査結果を紹介します。 https://downloads.coindesk.com/research/Lightning+Network+-+CoinDesk+Research+-+2021.09.pdf はじめにBitcoin が誕生してから 12 年後、1 億人のユーザーがいるが、Bitcoin はカジュアルなトランザクションには法外に高価であり、1

BitcoinのSegWit導入は進んでいるのか?

SegWit(Segrigated Witness)とは?SegWit とは、BIP141 において提案された Bitcoin の規格です。BIP141 では witness というトランザクションマークルツリーから別々にブロックをコミットする構造を定義しており、署名スクリプト(<ScriptSig>)を別の構造に移すことで以下のメリットを得ることができます。 トランザクション展性(Transaction Malleability)を排除 署名検証の効率化 ブロッ

高まるビットコイン需要とCO2排出問題

ビットコインの取引量の増加新たな調査により、2021 年中に Bitcoin ネットワークの年間取引量(取引数ではなく、取引に使用された金額)がアメリカン・エキスプレス(アメックス)やディスカバーといった有名なカードネットワークの取引量上回ったことが明らかになりました。 NYDIG Research Weekly レポートによると、Bitcoin は 2021 年中に 3 兆ドル相当の決済を処理し、アメリカン・エキスプレス(1 兆 3000 億ドル)やディスカバー(5000

Crypto.comのハッキング事件について

今回は、2022年1月に起きた暗号通貨取引所 Crypto.com がハッキングされた事件を紹介します。 事件の概要2022年1月17日、暗号通貨取引所 Crypto.com は、「2FA(二要素)認証操作がユーザーによって入力されることなく取引が承認されていた」という疑わしい活動を検出していました。サイトは問題を調査するために 14 時間すべての引き出しを停止しました。この被害によって発生した被害は以下のとおりです。 ETH(イーサリアム):1500 万ドル(約 17

Selfish-Mining攻撃って2010年からあったみたいです。

Selfish Mining に関する情報を漁っていたところ、Mining Cartel Attack(マイニングカクテル攻撃)という攻撃を見つけました。Selfish Mining の前身みたいなもので、2010年に提唱されています。 https://bitcointalk.org/index.php?topic=2227.msg30098#msg30098 「マイニングカルテル攻撃」では、ネットワークの計算能力の相当な割合(必ずしも 50% ではない)を持つ相当数の「