世界のセックストリビアから読み解く性教育の課題

昨日コンビニでたまたまこんな本を見つけました。


世界のエッチなトリヴィア 石原 行雄
http://www.amazon.co.jp/dp/4773087951

23日に発売したばかりだそうです。

ここでは海外の性に関する風習や文化など、日本ではおよそ信じがたいことがtrivia(つまらないこと, どうでもよいこと, 雑学的な事柄)として紹介されていますが、僕はマメ知識程度とは思いません。ここにこそ日本人の性を考える材料があるのではないかと思います。

たとえば、「インドの人口爆発は生挿入崇拝が原因」という頁。

インドに限らず発展途上国の人口増加は、小中学校の社会科では「主に労働力のため」と習ってきたかと思います。しかし考えてみれば、人口が増えているのはみんな避妊せずにセックスしているからという結論に行きつくのは当然の話。
どうしてそんな簡単なことが、この本を手に取るまでわからなかったんだろうとさえ思います。

義務教育で習ったインドの人口は8億人くらいだった記憶がありますが、気がついたら12億人に増えていました。これがコンドームを使わないセックスが原因であることは明らかです。ですが社会科ではともかく、保健体育でそんなことは教えません。

この項目によれば、インド人はコンドームを使用することを「逃げ腰」「根性なし」とみなす思想があるらしく、それが男尊女卑の因習によるものなんだそうです。
だとすれば、人口爆発の原因が労働力なんて理由は建前で間接的な原因に過ぎないわけですね。根本的な問題は男尊女卑という差別につながる問題のはずですが、日本で性に関することを憚ってそれを教えないのは、基本的な男女関係についての教育が不十分であることになるわけです。
そのくせ今や大して目の当たりにする機会もない同和問題はどこの学校でも特別に時間を割いて教育するのだから、愚の骨頂としか言いようがありません。

性教育の肝のひとつは、望まない妊娠と性感染症を防ぐことです。しかるに社会科で習う発展途上国の人口爆発と病気は避妊をしないセックスの結果であるわけですが、実際の性教育ではこの"実例"を誰も教えようとはしません。ひいてはこれがセックスを通じた男尊女卑の差別的な思想が要因であることなど、誰も考えないわけです。
しかしこのような繋がりが見えてくると、あらゆる問題が性と関連してひとつに繋がってくるという想像ができるのではないかと思います。


セックスは子孫を残す基本的な役割とコミュニケーションや(特定の相手との)娯楽の発展的な役割があると僕は思っています。しかしながら世界と比較しても、わが国が基本的な役割すら疎かにしている現実が見えてきますね。これを解決するカギは、世界に目を向けることにあるのではないかと思います。

トリヴィアとして世界の性事情を面白おかしくまとめている本ではありますが、応用すれば性教育のテキストとしても活用できる一冊ではないかと思います。思春期の子供を持つお父さんお母さんは、この本を手に取って家庭での性教育に応用してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、出版社は笠倉出版社。人気AV女優のつぼみが以前に専属契約していたAVメーカーなので、ある程度信憑性はありそうですね。

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