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吃音は”良い印象”でとらえることが何よりも大切なのです。
吃音と言えば、しゃべりにくい、精神的な二次症状が現れる、というネガティブなものです。しかし、そのネガティブさに負けてしまうことで、精神的によろしくないことが数多く、起きてしまいます。
話すことから逃げることでコミュニケーション障害を起こしてしまう、話すことに失敗経験が多くて立ち直れなくなる、といった風に良くないことが数多く起こってしまいます。
そもそも、吃音の症状の大きさは、”症状のとらえ方”でも変化します。症状に対して良くない印象を大きくもつと症状の大きさは増えます。
でも、その症状を逆手にとってコミュニケーションにおける好機としてとらえられる人の場合、症状の起きる頻度や程度が同じであっても、症状の大きさ自体は小さくなります。
では、どのようにして好機ととらえられるのか。
吃音を持つ人の喋り方は、なかなかに独特です。喋りだしで詰まる、喋るときに「か、か、か…」という風に詰まる、「かー」と出だしから次の音に繋がりにくく詰まる。あるいは喋りだし、息を余計に吸う、肩が上がる、視線が安定しない、など。
このようなことが冗談ではなく、真面目に起きてくるのです。
でも、これは、吃音を持たない人には絶対に出すことのできない喋り方なんです。
どんなに演技のうまい方であっても、これは絶対に真似はできません。
独特な喋り方で、笑いを取れるのであれば、それこそが好機ととれるでしょう。他の人には絶対に出すことができない唯一の喋り、そういうとらえ方でいけばいいのです。一つの個性です。
どんなに詰まったとして、他の人への悪影響はあるのでしょうか?あったとしても、それはどのくらい規模の小さな悪影響なのでしょうか?時間がとられたとして、その時間はどのくらいだったのでしょうか?
そう、吃音で相手に与えるデメリットというものは、そう大きくはありません。逆に何も喋らなくなった時の、相手にかかるデメリットというものの方が断然大きいです。何も伝えられないという状況は重度の失語症(重大な脳損傷などで起こりうる言語全般に関わるの重い障害)にでもならない限り、まず起きないです。
吃音は、正しい理解があれば改善する症状であるため、他の本当に重い障害と比べると本当に軽い障害なのです。正しい理解ができれば、ですが。
この吃音に対して、「バカにする人」が現れたなら、逆に「器の小さな人」だという評価を下すことができます。すべては認識の方法次第である、ということなんです。
悪い認識は、良い認識に変換して捉えることができます。
悪い経験をしたという学習を重ねるよりは、良い経験をしたという学習に置き換えたほうがいいです。別に詰まったところで、人が死ぬわけではありません。相手の時間を少しいただく程度です。
少しの時間で人の生き死にに関わる、という職についているのであれば早急にリハビリを行ったほうがいいです。しかしながら、そのような職についているのであれば、吃音を克服しているに違いはなさそうですが。
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