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吃音という障害

私が小さいころより持っていて、非常に悩まされた吃音という障害について綴っていきます。

そもそも吃音とは何なのか

 吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。

 出典:国立障害者リハビリテーションセンター研究所 http://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2/

吃音は話すことにおける流暢性の障害といえます。
また、流暢に話せないことによって、気軽に話すことができなくなり、コミュニケーション障害をきたすこともありえます。

つまり、吃音症は発話障害であり、その発話障害から精神的な障害につながるということです。
DSM-5と略される精神障害の診断・統計マニュアル第5版というものがあります。そのなかでは吃音は”コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群”に含まれます。文字通り、コミュニケーションに不利となる症状が現れることを意味します。

吃音が残るということは何を意味するのか

吃音は発症したとして、そのほとんどの場合においては自然に治ります。ただ、ほとんどの場合というものであり、完全治癒とまではいかずに残ることがあります。
また、ストレスを多大に感じたり、脳を損傷したりすることで吃音を発症する場合があります。その発症時期は10代後半以降とされます。
その場合、自然治癒は難しくなります。話すことで喋りは詰まり、相手からバカにされることで、話すことにより嫌な思いをしたという学習をしてしまうのです。これを何度も繰り返すことで話すことに嫌悪感をいだいてしまうのです。

吃音が悪化するまでのフローチャート

①話す→②喋りが詰まる→③話し相手からバカにされる→④嫌という感情の発生→①に戻って繰り返し

いずれ、嫌な経験を積むことで話すことに苦手意識を持つようになります。

「嫌な経験を積んで、吃音が悪化した」から、吃音の症状を改善しようとするならば「良い経験を積ませることで改善」していきます。もう少し細かく言うのであれば、息の使い方を学んだりする必要もあります。
ただ、吃音が発症したからといって正しい対処を行える親はいるのでしょうか、という疑問が生まれます。
発症した子供にとっては「原因不明」であり、「なぜか喋りづらい」ということに悩まされています。
そもそも小さな子供に「吃音」というものが理解できるとは到底思えません。よって原因にたどり着くことなどできるはずがないのです。
そして、親にとっても子供の持つ症状から「発話障害」や「言語障害」に結び付けられるのかどうかにあると思います。

実際に起こった私の吃音による嫌な経験とは、こうだった

実際、私がそうでした。
授業中、教科書の読み合わせを行うときに、文を読もうとすると喋りが詰まったり、第一声が出なかったりします。その際に、先生から催促されたり、クラスメイト達のクスクスという笑い声にとても不快な思いをしました。本当に嫌でした。
「なぜ自分だけ」という思いが常にある、そんな状況でした。

私の親はそのような姿をみて、治そうと努力はしていました。非常にありがたいことです。しかし、「発話障害」に結び付けることができず、ズルズルと高校生まで引き摺っていきました。
高校生の頃に、また喋りが詰まったことでバカにされ、ついに心が折れました。心がへし折れた翌日の朝、ベッドから起き上がることができませんでした。

手を付けるべきは心理的な障害か、発話の障害か

その日、すぐに、親は車を走らせて心療内科のある病院に私を連れていき、不安や緊張感を和らげる薬をいただいてきました。
結果からいえば、このときに得られた薬では増量したとしても若干吃音の症状が緩和される程度で、意味はありませんでした。喋りは容赦なく詰まってきます。ただ、薬を得た安心感だけはありました。

はじめに話した吃音の解決法を得られたのは、言語治療に関する専門的な勉強を行ったためです。正しく症状を捉えることができ、正しく解決法を把握できればいいのですが、現実に起こった問題においては、そううまくはいかないものです。
誰もが知っているというわけではありません。

私の持つ吃音の症状の現在と今後

今でも、人前で話すことに苦手意識はあります。それでも、喋りが詰まることは圧倒的に少なくなりました。普通の人よりやや詰まる程度となりました。
よりよい改善のためには、人前で話した際の成功経験が必要であると感じています。

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