漫画棚

漫画を読むために漫画を処分する話

この度漫画を一部処分することにした
子どもの頃から漫画が大好きで1度を除いて漫画を処分したことなかった僕にとってはこれは大きな決断だ
ついさっきまで処分する本を箱詰めしていてなんとなくアンニュイな気分なので、そうなった経緯と処分すると決めたことで気づいたことをまとめておく

まず経緯についてだが一言で言ってしまえば自分のスタンスが固まったからである
僕は漫画好きとしては平々凡々といったところで、持っているのは1000冊超。ラインナップもサンデーマガジンジャンプといった少年漫画大好きなので珍しいものはほとんどない
ただ1つだけ特徴を上げるなら同じ作品を何度も読み返すタイプで、その読み返す作品がかなり多い
棚をざっと見まわすだけでも20作品以上は頻繁に読み返すものがあって、ほとんどが長期連載の少年漫画なので巻数にすると100冊を優に超える

そんな僕にとって不運だったのは、自分と同じタイプの漫画が周りにいなかったことだった
漫画好きの友人たちは皆、どんどん新刊を読み漁っていくタイプでともすれば買うペースに読むペースが追いつかない人もいるほど
月数冊、1冊も買わないときもある僕とは似ても似つかないタイプばかり
読む量ばかりが対等であるばかりにシンパシーを感じていたが、客観的に見れば同じ道を歩んでいないのは一目瞭然である
つい先日も集まって本の置き場所に困るという話をしていて、いつもと同じ「それでも本は手放さんけどな」という締めに同調したけどここに懺悔します

実は半月前から本を処分することを考えていました

同じ巻を何度も読み返す僕にとって、普段目に入らないところに仕舞われた漫画を片した収納ケースや、縦に積まれて背表紙の見えなくなった漫画の塔は漫画が死んでいるのと変わらない
常に存在を認知できていつでも読める状態にあることこそが漫画であり、そういう状態を保つのが僕のスタンスだと
そういうわけで多分多くの本好きにとってタブーであるだろう”本を処分する”を実行することになった

僕は自分の持つ漫画に優劣をつけ、漫画を大好きでいるために優先度の低い漫画を処分することをここに宣言します!


で、実際にさっきまで箱詰めしてたわけだが、これが意外にスッキリした気分だった
漫画だけでなく子どもの頃から大事にとってたそしてまったく読み返していない児童文庫なども処分しているのだが、いざ捨てるとなっても純粋にこの作品好きだったなあという気持ちしか湧いてこない
どうやら僕の頭の中には本を処分する=本が嫌いという意識があったようで、本を処分するということが逆説的に本が嫌いなことの証左になってしまうと思っていたようだ
だが実際に蓋を開けてみればそんなことはなく、むしろ自分は本が大好きなんだという気持ちの再確認さえできている
いざ乗り越えてみると、こういう変わらないことこそ好きであることの証明、みたいな無根拠な考え方は本以外でも多く持っているのを実感する
せっかく成長してできているのでついでに勢いで他のことに関しても自分を肯定してしまう

・最近はスマホゲームばっかりでコンシューマはポケモンとかドラクエとかラスボス手前で投げ出してるけどやっぱり好き
・昔は週に1、2本しか見てなかったアニメを今は5、6本見てるしもう立派なアニメオタク
・最近は月に1冊もラノベを読んでないけどやっぱり好き

昔と違う自分に言い訳してるのはこのあたり
こうやって自分の価値観を客観的に見ると本当に実感するのが、価値観を肯定するのは難しい
僕はパーソナリティが薄いから他の人と話していても会話内容で立ち位置が変わることが多く、正直そんな自分が好きじゃなかったりする
そんな不安定さは今の自分と過去の自分を比べたときも出ていて、つい昔の楽しかった自分を肯定するために今の自分を歪めたりすることがある。今も昔も両方楽しくても何もおかしくないのに
なんというか視野が狭いのかなと。楽しい=正解で正解は1つしかないはずだから今の自分が楽しい=昔の自分が間違えてたってことになってしまう的な
自分が好きじゃない僕にとって自分を肯定することは難しいけど、だからこそまずは自分の大好きとちゃんと向き合ってそれを肯定することから始められたらなとか思ったまる


というわけで最後の方ひたすらメンタリズムについてになってしまったけど、漫画を処分するという一大事を通した感想は以上
僕自身まだまだ底の浅い人間だからカッコいいまとめとかできないけど
「自分が課したルールとか他の人と同じ在り方を守ろうとするあまり趣味に対するスタンスが苦しくなってないか」
みたいなこと言って締めておきます
これ読んで趣味をより楽しめるスタンスを見つけられたら人が1人でもいれば良いなと思ったけど、この記事書くためにいろいろ考えたことで僕が趣味を楽しめるようになったので目標達成してました。ポジティブシンキング
とりあえずもらってきた段ボールでは全然本が入りきらなかったので、今日また貰ってこようと思います


おまけ 発掘した漫画紹介

箱詰めをするにあたって普段手に取らないゾーンの漫画を掘り起こしていたら良いものを見つけたので紹介

ヤシコー初代生徒会

タイトルの通り創立1年目の学園の生徒会が舞台
2巻完結と短いですが生徒会ものといって連想するものが全部詰まっています
めちゃくちゃ面白いです!!!!!!! とか激推しするようなタイプではないですが、どこにでもいる悩みを持った少年がちょっとの偶然をきっかけに成長していく優しい物語で、読み終わると良かったなあとじんわり満足します
箱詰めが終わってつい読み返しちゃいましたけどやっぱり読み終わって優しい気持ちになれました。ちなみに処分しないです。何度も読み返したい
2巻で終わるからこそ味わえるほんの1歩の成長をぜひ