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地球白紙化事件の真相とそのトリックについての考察。

地球白紙化事件。
汎人類史と地球を一瞬にして白紙化してしまった漂白の波は、いったいどのようにして地球に流れついたのか。

今回はその白紙化のトリックについて考察していきたいと思う。

まずはおさらいから。
※必要のない方は区切り線まで飛ばしてもらっても構いません。本編でも軽くおさらいしてるので忘れている方だけどうぞ。

事件が発生したのは2017年12月31日のこと。
この日、数日前より魔術協会と国連から派遣されていた査問団によってカルデアとその職員たちは外部との繋がりを絶たれ、軟禁された状態におかれていた。

査問終了予定日は2017年12月31日

不穏な空気が漂う中、査問会は順調に進む。その一方でゴルドルフ新所長とその秘書であるコヤンスカヤ、そして聖堂協会から派遣された言峰綺礼を含めた三人は新スタッフであるNFFサービスの手によりカルデアのAチーム、7人のマスターのコフィン解凍オペに取り掛かっていた。

難易度の高いオペ

そして12月31日16時30分を過ぎた頃、ダ・ヴィンチちゃんの手を借りた新スタッフたちはAチームの解凍オペに無事成功する。

16時30分
コフィン解放に成功

しかし、解凍オペに成功したと思われたコフィンの内側にはいずれのマスターの姿もなく、

その直後、カルデアスが異常を検知、あらゆる観測と予測が困難となり、なんらかの負荷に耐えきれなくなったカルデアスには亀裂がはいってしまう。
負荷の軽減のため観測レンズ・シバを停止させた直後、今度は警告音とともに侵入者を正面・第三・第六ゲートにて魔力感知。

監視カメラの映像には膨大な数のオプリチニキと一人の少女の姿が映し出されていた。

その後、オプリチニキらの襲撃にあったカルデアメンバーはカルデアスを氷漬けにされ、多くの仲間を失いながらも秘密裏に開発していた新技術、虚数潜航によって難を逃れる。

空想からの侵略者

それから一週間後、現実においては三ヶ月後、カルデアは虚数空間からの浮上を試みることに。

しかしホームズの口から語られたのは、現実にあらゆる縁が存在しないこと、そして地球が漂白状態に陥っているという事実だった。

ここまでが地球白紙化事件における経緯である。



もう一度、時系列を整理してみよう。
まず査問団がカルデアを訪れたのが2017年12月26日のこと。それから査問会という名の尋問が行われ、31日まで事実上の軟禁状態にあった。

Aチームのコフィン解凍オペに成功したのが31日の予定時刻である16時をまわった頃。

しかしコフィンの内側はもぬけの殻。そして、その直後にカルデアは襲撃され壊滅してしまう。命からがら逃げ延びた先で見たのは、およそ現実のものとは思えない光景だった。

白紙化が行われたのは2017年12月31日。
起点となったのはアメリカ合衆国ネバダ州にあるエリア51と呼ばれる軍事施設。

白紙化したのは2017年12月31日

いったい何故そんな所から漂白の波が押し寄せてきたのか?これに関してはカルデアが襲撃されたタイミングから推測ができる。

事件の発端となったカルデアへの襲撃はコフィン解凍オペが完了した直後に行われている。そして、この解凍オペはAチームを蘇生するために行われたものだ。

Aチームのマスターだったクリプターたちは蘇生を行う際、異星の神と思しき存在と会話をしている。

この場所は特異点トラオムの端に存在したエリア51の地下施設を進んだ先にある宇宙の廊下に酷似している。そしてクリプターの一員であったカドックはこの廊下に見覚えがあり、その先に存在していたのは白紙化した地球を旅していたブルーブックの変わり果てた姿と、かつて検体:Eと呼ばれた木の根だった。

この特異点始まりの場所

つまりコフィン内部にいたクリプターたちが接触した異星の神を名乗る存在は、宇宙の廊下の向こうから語りかけていたのではないかと推測される。

上記の画像を見比べてみても、かなり似ているのが分かる。また宇宙の廊下を渡った先にいた特異点トラオムを作りあげたマスターは複数人の存在であることが分かっている。そして異星の神もまた複数の一人称を使用しているのだ。

複数のマスター
私とワタシ

そして特異点トラオムは異聞帯に等しい。
コフィンを解凍した直後、カルデアを襲撃したオプリチニキとアナスタシアも異聞帯の存在であることが判明している。

異聞帯のサーヴァント
この特異点はその逆

一方でクリプターは蘇生された直後に白紙化地球に放り出され、その後に異聞帯にたどり着いている。この齟齬はいったい何なのかというと。

コフィンは開けてみるまで証明のなされない箱だ。つまり、中身の反応を偽造されていた場合、そこで行われたことはコフィンが解凍されるまで一切確定したことにはならないのである。

中からの反応はいくらでも偽造できる

クリプターを蘇生するのに必要な成果を得るための人理修復シミュレーションは各クリプターたち個人の主観世界の中で行われている。

トラオムはドイツ語でであり、夢とは言うなれば主観世界だ。そしてブルーブックの世界も樹枝に覆われていて外部からは観測が出来ない状態にあった。

成果を得るための環境
地球を覆ってしまったドーム

つまりコフィンの内部で行われたことは外側である汎人類史の世界では一切観測されておらず、観測されていない事象は確定していないことと同義である。

そのため、クリプターが自分たちは蘇生されたと認識したタイミングとカルデアがコフィンを解放し生存が確定したタイミングとにズレが生じたのだと考えられる。

蘇生直後に白紙化した地球に放り出されたのは彼らの主観であり、その後、自らが担当する異聞帯に赴いた彼らは汎人類史を終了させるためにカルデアを襲撃したという寸法だ。

生死不明の状態だった

つまりクリプターはコフィン内部からブルーブックのいた白紙化世界にレイシフトしていたということになる。

特異点トラオムは異聞帯に等しい。
ではどのようにして異聞帯から汎人類史へ干渉を行ったのか。現時点で判明している干渉手段は始皇帝の幕間で語られた方法のみである。

まず異聞帯側から、剪定と編纂の分岐点を探るために特異点を発生させる。カルデアが観測した特異点から、より過去へ遡ってさらに特異点を発生させれば汎人類史に干渉することが可能になるというわけだ。

問題はどの様な干渉を行ったのかだ。
白紙化はコフィンが解凍された直後に発生している。つまりコフィンの中身を偽造し、何かが証明されたことで白紙化へと繋がっているのだ。

コフィンの内側に存在したのはクリプターだ。
ならば偽造とはクリプターに対して行われたものだと推測できる。クリプターは蘇生する際、7つの特異点を修正するという人理修復のシミュレーションを行なっていた。

人理修復による成果とは何か。
それは汎人類史という世界を取り戻すことだ。

人理焼却を棄却し、人理が保障された世界を存続させること。

にも関わらず、クリプターは剪定事象である異聞帯で、その存在が証明されてしまった。

ぐだと同じ7つの特異点を修正した彼らが編纂事象である汎人類史ではなく、剪定事象である異聞帯で蘇生される。

これはつまり人理修復というカルデアが成し遂げた奇蹟に瑕がつくということだ。

君たちが成し遂げた奇蹟が、凡人によって踏みにじられ、
台無しにされてしまう現実にだよ。
世界という規模のデカさ故に、
僅かな瑕疵も影響としては大きなものになる
『しかし、その前提からして瑕があった』とする

人理修復は不完全なモノだったと証明されてしまった訳だ。しかし、一方でクリプターが攻略した7つの特異点のシミュレーションは紛れもない事実でもある。

キリシュタリアは確実にシミュレーションをクリアし、その成果を手に入れている。

同一の条件で行われたシミュレーションであるにも関わらず、それぞれの結果が異なる歴史(異聞帯)が紡がれたのは何故か。

異聞帯から汎人類史に干渉するのに必要な特異点の数は最低でも二つ。一つは剪定と編纂(2017年)の分岐点にあるトラオムだ。ならばもう一つの特異点はそれより過去に存在し、なおかつ7つの特異点のどれにも該当しない特異点ということになる。

人理修復を行なっていたカルデアに気付かれず、聖杯が回収されておらず、いまだ修正が終わっていない特異点は特異点Fしか考えられない。

特異点Fの聖杯は回収されていない。
そして聖杯とは願望器のことだ。ブリテン異聞帯の詳細を知らなかったキリシュタリアは、何故かブリテンの脅威を知っていた。それをベリルに尋ねられた際、彼は「君の世界で考察した」と答えている。

ベリルの世界でありながら、ベリルが記憶していない世界。それはクリプターたちの主観世界によって運営された人理修復シミュレーション以外には考えられない。

君の世界で、考察したからだ
彼らひとりひとりの主観世界において、
苦しくも有意義だった旅を覚えているのは、
この世界では彼だけだった。

このシミュレーションは成果を得た時点で記憶から消去される。つまり、この出来事はキリシュタリアの記憶にしか存在しないということになる。

もう一度言うがシミュレーションはクリプターの主観世界である。そこから得た情報が異聞帯の考察に役立つということは、異聞帯は主観世界をもとに創造されたということだ。

シミュレーションの内容は人理修復。つまり正しい歴史を取り戻すことに他ならない。
そうして手に入れた歴史や世界が個人の願望によって歪められているということは、そこに聖杯が存在するということになる。

クリプターは7つの特異点をすべて攻略している。にも関わらず、聖杯によって歴史が歪んだままの状態だったため人理修復は不完全であると証明されてしまったわけだ。

人理修復に必要な特異点と聖杯は7つ、という前提に瑕が出来た。ならばカルデアに必要な聖杯はまだ存在するということになる。

人理焼却に続く
前人未踏の聖杯探索

今回の考察の結論。
白紙化はコフィンの解凍(存在証明)とクリプターのシミュレーションによって人理修復という奇蹟が否定されたためによるもの。
また前提を覆したのはトラオムと特異点Fの二つの特異点だった。

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