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被検体:Eの"E"に関する考察

今回はFGO第二部における最大の謎の一つ、被検体:Eについての考察。

作中において検体:Eが最初に登場したのはブルーブックの物語だ。

この時点での呼称は『E検体』であったり、『検体:E』だったりで表記揺れが存在している。

検体:E
E検体

次に登場したのが特異点トラオム。
この時にもまた『被検体:E』と呼称を変え、木の根の側にはグロテスクな物体が一緒に転がっていた。

検体:E(木の根)とブルーブックの死体?

この表記揺れの違和感はひとまず置いておいて、簡単に情報を整理する。

まずこの被検体:Eが発見された場所は特異点トラオムの端に存在した『エリア51』である。

この特異点は2017年のアメリカ合衆国ネバダ州、エリア51を起点として作られた。

A.D.XX17年、人理定礎値:ERROR

しかしこれは最初に観測された年代の情報と異なっているうえ、特異点が存在した場所も実際にはアメリカ合衆国ネバダ州ではなくカナダである。

アメリカではなくカナダを指し示している


1700年より100年程度先であること。
特異点の位置を本来のカナダではなく、ネバダ州であるとしたこと。
特異点で発生していた界域戦争。

これらの要素は、この特異点の根本的な解決とは無関係だった。

一方で、この三つの要素はトラオムという特異点を作り上げるうえで"土台"となっているのもまた確かである。

そしてこれと類似する物語が作中で登場している。それはFGO第一部第五章第五特異点:北米神話大戦イ・プルーリバス・ウナムだ。

この特異点の人理定礎は「アメリカ合衆国という国家の誕生」であり、A.D.1783とはアメリカ独立戦争の年代になる。

そしてこの特異点でカルデアはエリア51の近辺にも立ち寄っている。死にかけのラーマを治療するため、シータを探しに「アルカトラズ刑務所」へ向かったときだ。

話が逸れてきたので軌道修正。
ここで重要なのはトラオム(ブルーブックの物語)において、『第五特異点』の要素が土台として存在しているということである。

さて、ここで若森が残したトラオムの謎について思い出したい。それはトラオムのマスターは誰なのか?という疑問である。

マスターは誰なのか?
この先に、特異点のマスターがいる。
マスターは複数人いる。

トラオムのマスターは、徐福の占いによって複数人いたことが確定している。

にも関わらず、エリア51でカルデアが辿り着いた真相は『被検体:E』という得体の知れない死体が『一人分』だけ。

これはこれまで積み上げてきた事実と矛盾した真相である。つまりエリア51に存在したのは『不可思議な矛盾』であったということだ。

彼の行動は汎人類史への復讐。報復。
報復は彼個人の意志でない

だがしかし、一方で若モリアーティが語ったのは、この特異点は彼個人の願いによって成されたモノではなく、多数の願いを受けて成されたモノであるということ。

つまり被検体:Eという存在は、多くのマスターの願いを束ねた存在。

『多数から成る一つ』であったということだ。

実はこの『多数から成る一つへ』という言葉は、
アメリカ合衆国という国家の標語だ。そしてこの標語は北米神話大戦でダ・ヴィンチちゃんによって語られたモノであり、同時に彼女はこれを『矛盾』であるとも評している。

矛盾という言葉を聞いてトラオムで思い出すのは、トラオムを攻略した後に出てきた言葉"Ex Falso Quodlibet"だ。

これは論理学の矛盾を特別な方法で扱う『矛盾許容論理』における『爆発律』と呼ばれるモノを指す言葉であり(雑解説なため注意)。

「矛盾した前提からは、どんな定理でも導き出すことが可能である」というモノ(雑)。

トラオムは北米神話大戦を土台にして作られた物語である。

ならばエリア51に存在した『矛盾』という要素もまた、第五特異点から持ち出してきた要素であるということになる。

第五特異点に存在した矛盾。

イ・プルーリバス・ウナム(多数から成る一つへ)はラテン語で『E pluribus unum(エ・プルリブス・ウヌム』

つまり被検体:Eの"E"とはこの『多数からなる一つへ』という言葉の頭文字を取ったものではないか?というのが今回の考察の結論である。

U-オルガマリーが自身を『地球国家元首』だと名乗ったのは、被検体:Eという"多数"の為に地球に降り立った存在(神)だからと推測できる。

unumラテン語で1を意味する言葉である。
被検体:Eの本質が多数であるなら、その多数(人類)を救う為に降臨した唯一(神)であるU-オルガマリーのUはこのunum(1つ)を指しているのではないだろうか。

ちなみにunumがU-オルガマリーを指しているのではないか?という説は、とあるフォロワーさんに情報提供してもらったモノを採用させてもらいました。

同時に彼女の言動には魔術的な要素が一切見受けられない。

彼らの国には怪物とも魔術とも、まったく縁が無い

そしてこの内容も北米神話大戦にてダ・ヴィンチが語った内容でもある。

最後に現在のアメリカ合衆国における公式な国家の標語は『IN GOD WE TRUST(イン・ゴッド・ウィー・トラスト)』

日本語で『我々は神を信じる』である。


次回、気が向いたら何故、異星の神は被検体:E『多数から成る一つへ』という矛盾を用いたのかについて考察&解説するかも…しれない…。

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