白ましゅ格子配置に関する考察の補足

0.この記事について
本記事はペンシルパズルアドベントカレンダーの15日目の記事の一部(予定)です。
この記事は白ましゅが格子上に配置されているときの手筋についての補足です。以前の記事において雑に扱っていた部分に関してより厳密に確認した上で、この手筋の有効な条件を考察します。

1.U字とは

ある白ましゅを通過する線の両端について、最初に曲がる方向が等しいとき、この線の引き方をU字と呼ぶことにします。特に、曲がるまでに通過する白ましゅの個数が1/2個の時に長さ1/長さ2のU字、曲がる方向が上/下/左/右の時に上向き/下向き/左向き/右向きのU字と呼ぶことにします。どのような条件でU字が禁止形になるか、曲がるまでに通過する白ましゅの個数の場合分けにより確認します。
なお、白ましゅのどちらか一方で必ずまがることから、長さ3以上のU字は存在しません。

1-1.  長さ1のU字禁止形

次の2つの図より、
白ましゅAに対して青マスの位置または赤マスの位置に白丸が存在する⇒白ましゅAは下向き長さ1のU字にならない
ということが分かります。

図1. Aを通過する下向き長さ1のU字の禁止形

1-2. 長さ2のU字禁止形

こちらも長さ1の時と同様に、
白ましゅAに対して青マスの位置または赤マスの位置に白丸が存在する⇒白ましゅAは下向き長さ2のU字の左側の白ましゅにならない
ということが言えます。

このように、長さ2のU字のうち片方が禁止されていることを片側の長さ2のU字禁止形と呼ぶことにします。

したがって、つぎにあげる3パターンとその左右反転形においてAの白ましゅを通過する下向き長さ2のU字を作ることはできません。

図2. Aを通過する下向き長さ2のU字の禁止形

1-3. 長さによらないU字の禁止形

以上の議論を踏まえると、次に挙げる5つの形およびその左右反転形が下向きU字の禁止形であることがわかります。

図3. Aを通過する下向きのU字の禁止形

1-4. 全方向へのU字の禁止形

1-3で得られた各方向のU字の禁止形を組み合わせる事により、全方向へのU字の禁止形が得られます。本記事では例としてひとつのみあげます。

図4. Xを通過するU字の禁止形

1-5. 使用例

白ましゅ格子配置に関する考察における議論が不正確な箇所がありました。訂正もかねて本記事でより正確に議論をしたいと思います。
問題引用元:SP1氏twitter
まず、盤面においてU字禁が発生している白ましゅとその方向を列挙します。矢印が書かれている方向にU字禁止が発生しています。

ここで、下図の線が引かれることを仮定します。

Case.1 Aから伸びた直線がすぐに右または左に伸びる場合

青色のマスのましゅはいずれも長さ1下向きU字禁止の条件を満たしています。また、かるい先読みにより、青色を通った後の直線がそのまま伸びると仮定すると盤面がこの線により分断され破綻することが分かります。したがって、つぎの2パターンのいずれかであることがわかります。

赤色のマスはいずれも長さ1および片側長さ2のU字禁止の形のため、次に曲がる際には直前と逆の方向に曲がる必要があります。
従って盤面が分断されるため破綻します。

Case. 2 Aから伸びた直線がすぐには曲がらない場合

水色マスの下向きU字禁止および、盤面を分断しないことより上記の二択になることがわかります。
ここで、赤マスの長さ1のU字禁止と盤面を分断しないことから、上/右/左のいずれに線を延ばしたとしても破綻することが分かります。

したがってAには横方向に線が引かれることがわかります。

1-6. 有用性の考察(未完)

以上で見たように、この問題は本当はU字禁止をあまり活用することが出来ない問題でした。
このU字禁止が最も生きるのはより大きな盤面においてだと考えられます。

具体例は以下です。
盤面 ※複数解です。
解析すると、解の共通部分は次のようになっています。

図.5 semiexp氏のましゅリアルタイムソルバーによる解析結果

ここで全方向U字禁止のましゅのマスを青く塗ると次のようになります。

U字禁止条件から、この青マスを通る線の両端は異なる方向に曲がることが分かります。

方針として「左下外周のアースする白ましゅが右上に抜ける必要がある」というのを示せば良いです。

...厳密な場合分けが自分でも追い切れていないので、またどこかで頑張って厳密化します...。

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