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【NO COAL FOR OUR FUTURE】ブンアン2が抱える3つの問題_ブンアン2って結局何がいけないの?Vol.2
前回の記事は、もうご覧になりましたか?
引き続き、FoEJapanの深草さんに、ブンアン2問題についてインスタライブにてお話を伺いました。【聞き手 酒井功雄/FFFTokyo】
Q 早速ですが、ブンアン2は具体的に何が問題なんですか?
A 大きく分けると3つあります。1つめは気候変動への影響が大きく、気候変動の対策にまったく逆行していること。2つめは公害や健康被害が非常に懸念されていること。3つめはベトナムの現地の人の声が聞かれてないのではないかという懸念があることです。
Q ベトナムの気候変動の状況はどうなんですか?
A 去年の10月にベトナムの中部に台風が4つも上陸したというのはすごく印象的でした。気候変動の影響である台風の巨大化の被害を受けているだけでなく、海面上昇もベトナムは脆弱で住む家を追われている方々もいらっしゃいます。
Q 石炭火力発電所を建てることはどのくらい環境に悪いのですか?
A 世界の温室効果ガスの排出の多くはエネルギー関係であると言われています。日本では電力に使われるエネルギーが約4割で、その中でも電気を作るときに石炭が一番温室効果ガスを排出します。日本の政府や企業は日本の技術が質が高く、高効率だから大丈夫だと言っています。しかし、高効率であっても石炭火力は一番温室効果ガスが出る電力源のため、それをまずはやめていこうというのが国際的な流れだと思います。
Q 公害の対策はきちんととられているんですか?
A ブンアン2が作られる予定のハティン省では、すでに公害が起こっています。調べられていないため因果関係は証明できませんが、ブンアン1が稼働しているからではないかという報道があります。また、日本にあるような質が高く高効率な石炭火力が途上国に輸出されているわけではなく、温室効果ガス以外の硫黄酸化物などの大気汚染の対策すら十分に取られていないことが数値として見えてきています。(環境省 p,94)
この図を見るとブンアン2は硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんが、日本にある発電所の約10倍も出るような設計になっていることがわかります。これらは、喘息などの健康被害に結びつきます。
JBICなどにこれでいいのか聞いてみると、現地基準を満たしているため良いと言われます。きちんと対策を取るとコストがかかることがネックなのかもしれません。日本政府は質の高いインフラ輸出戦略をとっているにも関わらず、日本の質が高く高効率な石炭火力すら輸出していないのはありえないと思います。
Q 現地の人々に対して、説明はされているんですか?
A EIA(環境アセスメント)は作られていますが、文書を見ていても代表に説明したと書いているだけの時もあり、きちんと住民に説明が行われていない可能性が非常に高いです。ロサンゼルスタイムスというアメリカの新聞に載っていた住民のインタビューには「汚染されたところに住みたくないし、今後何が起こるか分からない」と書いてありました。ベトナムは、政治的な状況により自由に声を上げづらいという問題もあります。
大気汚染対策すらとられていないものが、"日本の技術"として海外に輸出されているなんて...
ベトナムでは、国家プロジェクトに反対することは、身を危険にさらすことになります。それでも、匿名で声を上げた若者がいます。
先進国にいる私たちが責任をもって反対の声を上げていかなければならないのではないでしょうか。
次回は、ベトナムに本当に石炭火力発電が必要なのかについて見ていきます。
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