帰国の理由

移住のメリット・デメリットについてお話してみましたが、実際は永住権取得前に帰国する方がほとんどです。
あれだけメリットが多いのに、どうしてだろう?
そんな疑問を持たれた方も多いと思います。
その理由は、僕の見る限り大きく2つ。
1つは経済的な理由。もう1つは子供が嫌がるから。
他にも家族のこととか食文化とか理由はあるかもしれないですが、完全帰国にはこの2つのどちらかが関係していることが多いと思うのです。

経済的な理由とは

あれだけ補助金・助成金が多くて、外国人でも簡単に受け取れるのに?
最低賃金だって日本と比べられないくらい高いのに?
と、思われますよね。
僕も経済的なことが帰国理由の大きな部分を占めていたので分かるのですが、事前に情報がないとメリットをしっかり享受できないからなんです。
しかも、それは「出国前」に知っている必要がある。
僕の場合はフリーランスビザで私立保険に入ってしまったのが運のつきだったと思っているんですが、これについては健康保険に関する記事のところで詳しく書いているので、興味のある方はご覧ください。
ざっくり言うと「保険のことを保険屋さんに相談すれば、その人の扱う私立保険をお勧めされるだけです。本当にお得な法定保険について詳しく教えてもらえるわけではありません。」という当たり前のお話です。
ドイツの場合は一度私立保険に入ると法定保険への移行が難しく、私立保険の掛け金が所得と年齢次第ではべらぼうに高かったりするために、保険が何かというのは長期滞在を考えるうえで重要なポイントなんです。
しかも出国前にポイントを押さえていれば、法定保険に入るのは実はそんなに難しいことではないんです。
市民手当や住宅手当といった給付金についても、事前に仕組みを知っている人はそれを受給できるような条件のビザや所得証明を提出できるように準備したり調整したりできますが、知らない人はそれができないため、いざ困って役所に相談しても「無理ですね。」となってしまうんです。
僕自身もこの2つは受給できませんでした。
でも、同じようなフリーランサーで、僕より所得の高い移住者の人で受給している方もいましたから、知っているということは大事なことなんです。

自分自身はもうベルリンに移住という形で戻ることはないと思うんですが、これから行く人で永住を希望する人には、余計な苦労をせず幸せになってもらいたいと思います。
一念発起して移住しても、帰ることになるのは本当に残念です。
「日本は地震が多いから。」ということは大半の移住者の方がおっしゃいますし、それが本当に切実だというのは経験上分かりすぎるほど分かりますので。
移住先でまで苦労せず幸せになって下さい、というのが心からの願いです。

学校問題

もう1つの帰国理由は子供が現地の学校を嫌がるということで、男の子に多いです。
もちろん子供次第ですし、男の子でもベルリンの方が好きなお子さんはたくさんいるとは思うのですが…僕の知る限り学校が理由で帰った家庭は全員男の子でした。
偶然かな?とも思うんですが、多分そうでもないでしょう。
ベルリンの学校は、時間通りに出席して、学校行事にも真面目に参加して、授業中は連絡事項をしっかり聞いて提出物をちゃんと出し、毎時間ごとのミニテストも全部真面目に受ける…そんな子に高い評価がつくことが多い印象なんですね。
求められるのは几帳面さなので、そういうのは女の子は得意だけど、男の子はそうでもない場合が多いのかと。真面目にしないと評価がつかないし、外国人でドイツ語が不十分だと特に留年になりやすかったりもするので、それで日本に帰りたいと思うのかな?とも思うんです。
この推測が当たっているか分からないですが、子供が現地校を嫌がるという理由で帰ったのは男子ばかりだったなと思います。
事前に情報があれば避けられる事態だと思うので、ベルリンの学校に適応するポイントについても、後日詳しくまとめてみようかなと思っているところです。












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