🇫🇷:Mont Saint-Michael
Mont Saint-Michaelに行ってきた!
高校生の時に「365日世界の絶景」的な本で見てからずっと訪れたかった場所。夜景が見られなかったのはかなり痛いけれど、それでも知的満足度の高い旅になったので忘れないうちにざっとメモがてら書いてみる。
奨学金のプログラムで出会ったお姉さんが手配してくれた日帰りバスツアーでの訪問だった。行きと帰りは5時間ずつくらいかかったのだけれど、お姉さんと色々な話をしたおかげか、窓から見える田園風景に癒されたおかげか、口を開けて寝ていたおかげか(多分全部)あっという間に感じられて全然辛くなかった。サービスエリアで適当に買ったチョコクッキーが衝撃的な美味しさで、お姉さんと興奮してた。
窓から見えた一面の緑と牛さん馬さん羊さんにとても心穏やかな気持ちにしてもらった。
バスガイドさんがフランス語・英語・ポルトガル語の3つでアナウンスしてくれるという有能さだった、ちゃんとフランス語でほぼ全部聞き取れて嬉しかった。
本当に何もない広大な緑と秋で黄金に染まったとうもろこし畑(?)の中にポツンと現れたモンブランみたいな山(モンブランみたいな山って表現が重複してるな)がMont Saint-Michaelだった。
バスから降りてさらにシャトルバスに乗るのだが、それがめちゃくちゃ並んでいたので45分ほど歩いて近くまで行った。10月半ばとは思えないほどの日差しの強さで、スカッと晴れていて気持ちよかった。めちゃ暑かったけど。
入り口に着いたら細い道を登って修道院を目指す。
その道が本当におとぎばなしみたいで本当に可愛らしかった。色々なモチーフの看板がひょっこり両脇からかかった細い道で、美味しそうなレストランやお土産屋さんが並ぶ。
バスツアーのために制限時間があるのでそのお店たちに入りたい欲は我慢してひとまず修道院へまっしぐらに進んだ。バスツアーについてきたオーディオガイドが面白くて、とても参考になった。
Mont Saint-Michaelで一番印象に残ったのは、その建築様式。数世紀にわたって増改築されたために、中世の多様な建築様式が混在するのが特徴らしく、その解説を聴きながら天井を見上げたり柱を観察したりして中を回るのが楽しかった。
聖堂の身廊部はロマネスク様式で、壁が天井を支えているために窓が小さい。天井は、なるべく軽くするためにノルマンディー様式に従った木造りとなっている。
けれども、そこから左側に目を移したところにある聖歌隊席はゴシック様式で、天井がバッテンになって上手に支えられているために壁が天井を支える必要がなく、天まで突き刺すような大きな窓が特徴。
回廊の柱は軽い木で作られているために壊れやすく、しっくいの繊細な装飾が施されている。
修道士たちが食事を取った食堂では私言が許されなかったが、聖書を読み上げるために声がとてもよく響く造りになっている。
また、山の麓から届いた食材や建築資材を引き上げる大車輪があって、ここに人間が入ってハムスターのように回して下から上へ荷物を運びあげていたらしい。食料がなくなったら火を焚いて煙で山の外の世界に知らせて、そうしたらロバが送られてくるのだけれど、そのロバに人は付かないしきたりだから途中でロバが狼に襲われたら餓死しそうになるとか言うから修道士たちは本当に命懸けである。
政治犯が閉じ込められていた牢獄は見られなかったけれど、Mont Saint-Michaelは「海のバスティーユ」と呼ばれた難攻不落の牢獄としての役割も果たしていたらしい。
こうして大修道院の中を見終えたら、海風とパノラマの視野が最高に気持ち良い階段を降りていく。煉瓦造りの建物がじぐざくに頭を出して、窓にお花が植えられたり色が塗られたりしているのがとっても可愛かった。
行きの道で一目惚れしたエプロン(グレーの麻の生地にミモザの刺繍とMont Saint-Michaelの刺繍がしてあって、ちょうどずっとエプロンを探していたので即決)もゲットして、熱々で外側パリっ中からチーズとろっのパニーニと美味しいバニラアイスも食べて、サブレも食べて(食べすぎだろ)ほっくほくの気持ちで帰りましたとさ。
帰りも歩いたのだけれど、前を歩いていた小さな女の子が数秒に一回後ろを振り返って変顔してくるのが可愛くて、こちらも全力で変顔対応をしていたら45分はあっという間に過ぎ去っていた。
帰りのバスもお姉さんに進路の相談に乗ってもらったり色々な話をしたりして楽しかった。
最近ほんとうに食の節制ができていないから月曜日からは徹底的に栄養バランスを考えた自炊をするぞ、エプロンのおかげで料理モチベも山盛りわくわく。
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