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ニンジャスレイヤーTRPG自作ボス/ゼッタイレイド(ヒヤリ・ニンジャ)

2038/XX/XX 21:00
その日、ネオサイタマに猛吹雪が襲っていた。
時を同じくして、オールド東京湾には氷の巨人が現れた。
ネオサイタマには、大量のユキダルマ・ミニオンが現れた。

「十二人」が一人、アルゴスは即座にこの存在による被害を計算。演算結果は、ネオサイタマ全域の都市機能崩壊すらあり得ることを示していた。
ソウカイヤ・アマクダリ両組織は一時的に同盟を結ぶことを決断。ザイバツ乱入への対処、ネオサイタマ市民のコントロール、そして速やかなカイジュウ駆除、全てのミッションを同時に展開し、外科的治療めいた対処を行わなければならない。

ミニオンとザイバツにはダークニンジャ、ゲイトキーパ、シャドウドラゴン等を中心に、衛星組織やアンダーカードが担当。市民操作、ないし電子戦にはダイダロスとアルゴス。

そして巨人には、精鋭である君たちアクシスが対処することになった。
ミッション通達
目標:オールド東京湾に発生した未確認ニンジャ存在の排除。

ソウル評価:コリ・ニンジャクランのアーチ級と断定。コリ・アーマーによる武装を確認。アクシス、クリスタライズドとの類似点あり(下記データ参照)。

特記事項:本作戦にはキョウリョクカンケイが参加している。また、ソウカイヤも独自に対処することが予想される。共に連携し、ニンジャ存在に対処せよ。

戦闘指揮権、及び臨機応変対応の承認権はアルゴスが保持する。アクシスとして、最適かつ秩序だった行動を心掛けること。
『現在、異常気象により猛吹雪が襲っています。市民、絶対に外出しないでください。ネオサイタマ・プライドでは吹雪での対処法を……』

『……皆さん!異常気象に打ち勝つには共に連帯することが大事なのです!この寒波に乗っかって、違法なことをする人がいるかもしれない!そうなれば即通報だ!ステイホームに押しつぶされそう?ならばみんなでデジ・ネンブツを……』

輸送機が、凍りついたネオサイタマの空を飛ぶ。見下ろせば、ニンジャのイクサ。

「イヤーッ!」「「「「グワーッ!?」」」」アーソンのカトン・パンチが炸裂。超自然の発火能力は氷すら燃やし尽くす。「あれはアマクダリのものか!」

「GRRRRRR!!!」「「「「グワーッ!?」」」」ダイアウルフがミニオンを蹴散らす。空を見れば満月、コンマ00秒ごとに彼女のカラテが膨れ上がる。「精鋭部隊だ!手柄が獲られるのを指咥えて見ていろ!行け!」

「AAAAAARRGH!」「「「「グワーッ!?」」」」シャドウドラゴン飛翔、上空からシャドウピンの雨。「凍ル都市/凍ル秩序/凍ラヌ我ガ影」「…字余り」

「イヤーッ!」「「「「グワーッ!?」」」」街灯の上にはフロストバイト。巨人襲来による異常寒波は、秒間10枚の過剰ギザギザ氷スリケン投擲を可能にした。「全く!こういう時に限って調子が出るかーッ!」

寒波の恩恵を受けたのはフロストバイトだけではない。アイスジャベリン、クリスタライズド、ダイヤモンドダスト、チリングブレード。コリ・ジツを操る者全てが、ホワイトドラゴンの祝福を受けていた。

「「イヤーッ!」」「「「「グワーッ!?」」」」ダークニンジャとゲイトキーパーが恐るべき速さでミニオンを切り捨てる。怪しく光るベッピンとトンファーが氷のメガロシティに煌く。モスキートとインペイルメントが爆発四散した。ゲイトキーパーは武装ヘリを一瞥する。

「カラダニキヲツケテネ」彼はそうつぶやいた。

イクサの喧騒が薄れ、ヘリはオールド東京湾へ。やがて、もう一つの戦いの音が聞こえ始める。海上にハイタカやシデムシ、カラビツの残骸が見え始める。次にキョウリョクカンケイ、そして巨人の影。
接近するにつれ、そのディテールがはっきりしてくる。氷の甲冑をまとった、恐るべき巨人。

「それ」が、先んじてアイサツした

「ドオオオオオオオモ……ゼッタイレイド……デエエエエエエエス」

君たちは未だ巨人の周囲を旋回するハイタカの上に着地する。アルゴスより戦闘開始の通達。ポイント・オブ・ノーリターンだ。

はじめに

この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG」において、ボスニンジャ「ゼッタイレイド」を登場させる際に使用できる、自作のデータとシナリオフックである。
加えて、ニンジャスレイヤーTRPGの「ニンジャスレイヤーボスキャラコンテスト」の凶悪! リアルニンジャコンテスト部門応募作品でもある。

ゼッタイレイド

「トゥララ……トゥララ……」///「トゥララアアアアアアアアア!」
◆ゼッタイレイド(種別:ニンジャ/リアルニンジャ)
カラテ    15  体力   240
ニューロン  18  精神力   90
ワザマエ   15  脚力     -
ジツ      ?  万札   200
スキル:『絶対零度の巨人』『猛吹雪』『トゥララ・ミサイル』

◇絶対零度の巨人:現代によみがえった-666℃のカイジュウ。氷河よりなお分厚い氷の鎧は、100万の銃弾でも傷つくことはない。このキャラは以下の能力を持つ
・『大型(7x7)』、【体力】は【ニューロン】値×15、【精神力】は【ニューロン】値×5である
・攻撃の基本リーチは3マス、基本ダメージが5となる。また、このキャラによる『近接攻撃』は全て回避難易度が−1される
・回避判定を行う事ができない
・このキャラに対するサツバツ1~6の効果は全て「本来のダメージを+5する」に置き換えられる。
◇猛吹雪
 このニンジャの周囲には恐るべき寒波が吹き荒れている。
 手番開始時、マップ上の敵全てにダメージ1d3(回避難易度U-HARD)を与える。
◇トゥララ・ミサイル
 全長8フィートのトゥララを打ち出す。恐るべき破壊力に加え、アウトオブアモーがない。終わりだ。
・自分の手番に宣言して発動する。
・このキャラはキョウリョクカンケイに向けて、射撃の代わりに以下の効果を持つ射撃を自動的に発射する(=射撃判定は不要)。キョウリョクカンケイはこれを回避できない。
・各PCはこの射撃に対して「ミサイル迎撃」を宣言できる。そうした場合、宣言したPCに均等に「時間差」をもつミサイルが割り振られ、PCはそれぞれに対して回避判定を行う。
・回避判定に1回成功するたび、キョウリョクカンケイへのダメージは一発分無効になる
・回避に失敗した場合、ダメージはPCではなく、キョウリョクカンケイに与えられる(キョウリョクカンケイの体力は100だ)。
 
トゥララ・ミサイル:「連射12」「マルチターゲット」「時間差」「ダメージ3」「回避難易度:EASY」

◆例◆
ボブ、エミリー、ケビン、スティーブはトゥララ・ミサイル12発を撃墜するかどうか迫られている。
全員で3発ずつ対処したいが、スティーブは不運な事故で瀕死になっており、猛吹雪に回避を使い切っていたため辞退した。
残りの3忍は対処を選択し、4発ずつ受け持つことになった。
スティーブを除く3人は回避判定EASYを行う。エミリーは全ての回避判定に成功し、ミサイルを撃ち落とした。
ケビンは1回、ボブは2回失敗。ミサイルが計3発キョウリョクカンケイに着弾、船は9ダメージ受け、残り体力は91だ。

行動方針
・体力180以上:このニンジャは猛吹雪とトゥララ・ミサイルしか行わない。
・体力179~120:トゥララ・ミサイルが「回避難易度:NORMAL」に強化される。また手番終了時、マップ上の好きなマスに「ユキダルマ・オートマトン」を2体設置できる。
・体力119~60:トゥララ・ミサイルが「回避難易度:HARD」に強化される。また手番終了時、マップ上の好きなマスに「ユキダルマ・オートマトン」を3体設置できる。
・体力59~0:トゥララ・ミサイルが「回避難易度:U-HARD」に強化される。また手番終了時、マップ上の好きなマスに「ユキダルマ・オートマトン」を4体設置できる。
◆ユキダルマ・オートマトン(種別:戦闘兵器)
カラテ    3  体力   3
ニューロン  1  精神力  -
ワザマエ   5  脚力   3
ジツ     0  万札   0
スキル:『突撃』『氷の自律兵器』
『氷の自律兵器』:
・このキャラは戦闘兵器の電磁ショックダメージ倍加のルールを無視する。
・このキャラは電子戦の対象にならない。

ゼッタイレイドは太古の時代、その冷気でイサオシを挙げたリアルニンジャである。カイデンネームはヒヤリ・ニンジャ。
トゥララ・ニンジャに深く陶酔しており、その気を引くためにフジサンを氷山にして献上しようとしたところ、「奥ゆかしさを欠いたシツレイ極まりない行為でクランの品位を下げた」と彼女に見なされ破門。心に深い傷を負った彼は、永い眠りにつくことになる。
磁気嵐吹き荒れる日本で目覚めた氷のリアルニンジャは、寒波と共に進軍する。もう一度トゥララに振り向いてもらうために。

ゼッタイレイドは成長限界向けPCが防衛戦を行うためのニンジャとして作られている。データ上ではキョウリョクカンケイとなっているが、シナリオに応じてトコロザワ・ピラーやマルノウチ・スゴイタカイビル、キョート城などに読み替えることが出来る。
戦闘時、このニンジャはPC達への範囲攻撃と防衛拠点への射撃を1手番で同時に行う。自衛と拠点防衛への回避ダイス配分が肝になってくるだろう。また、体力が減少するにつれて、行動はより激化してくる。最後まで気の抜けないイクサになるはずだ。

オプション:援軍について

ここではゼッタイレイドとの戦闘で援軍を利用するためのアイデアの一例について記す。D6で決めるか、あるいは任意の効果を使用できるかについては、戦闘開始前に決めておくとよい。
なお、これらの効果は各ターン、イニシアチブ0で発動と処理が行われる。

1.次のターン、サツバツが出目5以上で発動する。
例)ネブカドネザル、クロノスの一斉射撃

2.次のターン、サツバツの追加ダメージが+10に強化される。
例)ドラゴン・ニンジャ、ローシ・ニンジャのトビゲリ

3.次のターン、トゥララ・ミサイルが使用不能になる。
例)ソウカイ・シックスゲイツの援護

4.4D6ダメージを与える or 敵のミニオンを全て取り除く。
例)ドラゴンベインとスワッシュバックラーの強襲

5.次のターン猛吹雪が使用不能になる。
例)ホワイトドラゴンの支援

6.1~5の内好きな効果を選択する。
例)ニンジャスレイヤー、ダークニンジャ、ザ・ヴァーティゴ

ゼッタイレイドをシナリオに登場させるには

その1:氷の都市
現代で目覚めたゼッタイレイドは、トゥララ・ニンジャへのアプローチとしてまずネオサイタマを氷漬けにしようと考える。仮にそのようなことが起これば、都市に不可逆のダメージが発生するのは誰の目にも明らかだ。ソウカイヤやメガコーポ組織は一時的に同盟を組んでこれに対抗。カイジュウ殲滅戦を開始する。その最前線に送り込まれるのはPC達だ。
ザイバツシナリオでこのニンジャを登場させる場合、舞台をネオサイタマからアッパーガイオンに置き換えるだけでよい。観光業に依存しているキョートが氷に閉ざされれば、受ける被害はネオサイタマの比ではないだろう。
その2:フリージング・フジサン
「今ならフジサンを氷漬けにしてもトゥララ・ニンジャは怒らないはず」
そう考えたゼッタイレイドはもう一度凍てつくフジサンをプレゼントしようと考える。太古のニンジャレリック、メガトリイの遺産。フジサンが氷の山になることで失われるものは大きいだろう。PC達はそれらを守るためにこのニンジャと戦うことになる。
その3:女王の怒り
冗談では済まされない狼藉を働いたヒヤリ・ニンジャが現代でまた何かを企んでいる。ホワイトドラゴンの堪忍袋は、周囲を取り巻く冷気に反比例して温まっていく。PC達は直ちにゼッタイレイドの居場所を突き止め、彼の野望を阻止せねばならない。

もしコリニンジャ・クランのニンジャがPC達の中にいる場合、ホワイトドラゴンの祝福によってこのシナリオ中のみ【ジツ】値を1上昇させても良い(上限7)。この効果でジツ値が4になったレッサー級ニンジャは、好きなジツを1つ、ジツ値が7になったグレーター級ニンジャは、好きなアーチ級能力を1つ獲得しても良い。

利用規約

このルールセットのデータが含まれるリプレイなどを公開する場合、公式ルールとの混同を避けるため可能な限りこの記事を引用元として明記すること。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可。

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