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clusterのアイテム&アクセサリで綺麗なテクスチャを実現する

clusterで銃とゴスばっか作る作者フェリエッタです。全ての問題をテクスチャ1点特化ゴリ押しと力技で解決するのが得意です。最近はあまり制作できてないですが、アドベンドカレンダーという事で私がclusterで制作アイテムやアクセで行っている高解像度風のテクスチャを表現する方法を紹介します。(2023年12月時点での仕様です)

尚この方法はあくまでも通常の方法でclusterにアップした時に発生する自動最適化での美観がどうしても気に入らない人向けの方法で、特に後半は完全な根気によるパワープレイで無理矢理仕様の限界を突破しているので、やろうとすると制作難易度と所要時間が下手したら病むレベルに急上昇します。無理に「この方法を使おう!!」みたいに推奨して、界隈の作る難易度を引き上げる等の目的は一切なく、むしろ望みませんのでご了解ください。初心者も比較的楽にモノが作れる、作って売るまでの敷居が低いのがclusterの良い所だと思っていますので。無理なく楽しんで完成させるのが一番大事です。

中盤までは見て知ってるだけでもそこそこ制作の役に立つ知識になるとは思います。後半はただの狂気の沙汰です。

綺麗だろ・・・ワークラなんだぜ・・・こいつ・・・

今回は私が作ったワールドクラフト製ワールドで使用したり、アクセサリーで販売している拳銃「.45 PISTOL FEL SPECIAL」を主なサンプルに解説していきます。尚こちらの銃は以下のワールドで射撃したり、以下のリンクからアクセをご購入いただけます。ここぞとばかりついでに宣伝。

ワールドクラフトシューティングレンジ:BETA https://cluster.mu/w/c93f55a6-40cf-4f83-92c3-0654f11cacd3

.45フェルスペシャル ロングスライドカスタム .45口径ピストル .45 Pistol FEL Special
https://cluster.mu/store/accessories/5568caa7-c3c0-4583-8619-90bd56b9429f

clusterアイテム&アクセのテクスチャ、マテリアルの隠し仕様

cluster公式クリエイターズガイドやクリエイターキットドキュメントには、「テクスチャは自動最適化される」とのみ表記されており、確かにclusterに持ち込むと多くの場合テクスチャは劣化します。しかし実はテクスチャは規定のサイズまで縮小されアップされる仕様なので、最初から圧縮後のサイズで制作すればそれ以上圧縮はかかりません。結論を言いますと、

テクスチャは自動で256x256に圧縮される

という仕様があります。なので最初から256x256でテクスチャを作ればそれ以上は圧縮がかからないという訳です。更にマテリアルには、

ノーマルマップ、Matcapが使用できる

という事も覚えておいて損は無いです。「マテリアルが2つまで、テクスチャが3枚まで」という一見謎っぽい制限は「通常のテクスチャにノーマルマップとMatcapを乗せたマテリアルが作成できる」という許容がある感じになります。クラフトアイテム用のStandardシェーダーの場合勝手にテカるのでMatcapは必要ありませんが、アクセサリー用のMToonの場合テカらせてノーマルの効きを出す為にMatcapが必要になってきます。ノーマルマップを乗せると一気に質感が向上し、上手くやれば市販のUnityゲーを彷彿とさせる雰囲気になります。

ノーマルマップの作り方に関してはクリエイターズガイド記事がとても分かりやすいので是非ご参考に。

ノーマルマップで凹凸を表現しよう https://creator.cluster.mu/2022/10/05/normalmap/

アクセサリーVer(MToon)


ワークラアイテムVer(Standard)

ワールドクラフトアイテムでアイテムが暗くなるのを防ぐ

上に関連してもう一つ裏技を。ワールドクラフトアイテムの指定シェーダーはStandardシェーダーで、勝手に上手い事リアルに明暗してくれる反面必ず反射や明暗が付くので、clusterで広く使われるトゥーン調表現とは相性が地味に悪いです。ワールドクラフトのライティング設定によっては、見えない位に影が入ります。

おのれStandard

これを防ぐために、

Albedoと同じテクスチャをEmissionに設定して暗さを無視させる

という技が使えます。赤線で囲ったところがポイントです。ほんの少し灰色にしておくと丁度いいかもしれません。Intensityは0のままにしましょう。ブルームでガン光りします。(逆に炎などはIntensityを上げると良い感じになります)

あと、トゥーンな感じに凝りたいのなら反射光沢設定のMetalicとSmoothnessは0にしておくと良いでしょう。
この方法は「同じテクスチャを2か所で設定してるだけ」なのでテクスチャの使用枚数制限カウントには響きません。軽率にやっていきましょう。

このアイテムも売ってます(暗くなる現象修正アプデ済)
適用後

StandardシェーダーのFadeはTransparentに自動置換えされる

最新版で未検証なのですが、多分重い等理由あってclusterヘルプにも言及があり、仕様だと思いますのでこちらも。

(https://help.cluster.mu/hc/ja/articles/13397093577753-Standard-Shader%E3%81%AEFade%E3%81%8C%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%8F%E5%8B%95%E4%BD%9C%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99)


おのれTransparent

炎や煙、水の表現に便利なStandardシェーダーのFadeですが、ワールドクラフトアイテムでは3つ目のTransparentに自動置き換えされるようです。なので私の撃てる銃アイテムは(データ上は)1番目のエフェクトが出せるのですが、明らかにバグってる3つ目のTransparentよりはマシな2番目のCutoutで妥協しております。妥協も大事。


さて、ここまでは中級者位の方々も参考になるかもな情報でしたが、ここから下はただの地獄です。ワールドクラフトやアクセサリーで、限界の画質に挑みたい方のみこの地獄の門をお開き下さい。

256x256で限界突破超解像度なテクスチャをやろう


cluster内で撮影したものです

まずはこちらのピストルの仕様を説明します。.45口径ACP弾使用1911モデルカスタム7インチスライド装弾数7+1発
ワールドクラフトアイテム(Standardシェーダー)、1マテリアル、256x256サイズの2テクスチャ(本体画像Albedo+ノーマルマップ)です。つまり256x256 1枚に全てのテクスチャを納めています。そのテクスチャがこちらです。(不正二次利用防止の為透かしを入れています。使っちゃダメだぜ!!)

256x256で潰れないよう、刻印や模様を出来るだけ大きく取ったテクスチャを大きなパーツ分けして描いています。当然ながらこのままでは銃の形になりません。そこでBlenderで一工夫という名の苦行をします。トリック自体は簡単です。

Entangled.

こちらがこの銃のUVです。グッチャグチャで訳が分からないと思いますが、何をやっているかと言いますとポリゴンの面1枚毎にこのテクスチャの各部分を最大化して手動で貼り付けています。つまりテクスチャを先に描いて、それにモデルのUVを1面ずつ設定しテクスチャを手動でタイリング(繰り返し並べ)している訳です。こうする事で256x256一枚でも4kを使ってるかのような美観を出し、尚且つ圧縮無しでアップロードしcluster上でもそのまま見えている訳なんですね。テクスチャ同士の縁が繋がるよう、端の色合いを合わせるのがポイントです。

応用:美麗なNPCキャラをワールドクラフトに配置する

私制作のワールドクラフト製ワールドには、私や私のオリジナル創作「Forgotten Nightmare」に登場するキャラクターのVRoid製NPCが配置してあります。少し前までは自作VRoidアバターをMesh Bakerでテクスチャ、マテリアルを1枚に自動でアトラス化し、その後Blenderのデシメート機能で全体をデシメートするという方法を取っていましたが、この方法では美観に限界があります。上の方法を応用すれば、複数の4096x4096テクスチャを持った数万ポリのアバターをワールドクラフト上でそこそこ綺麗に配置する事が可能になります。

左が上の方法の応用、右がMeshBaker+全体デシメート、美観は一目瞭然

こちらも上と作り方は同じで、自作VRoid製アバターのテクスチャを一度手動で全て分解し、見れるギリギリを狙って256x256テクスチャ2枚に収め、Blenderでデシメートを行い5000ポリゴンに収めた後、手動でUVを貼り直しています。縮小に当たりどうしても潰れる部分は描き直します。

俺.png

NPCのUVは衣装半分を大きく切り分け、反転させて反対側にも使用します。その為左右対称のデザインが良いです。肌は陰影やディテールが必要ない部分は全てごく小さい単色にUVをまとめて使用します(中央若干右の部分)。これは1997~2000年くらいのローポリFPSでよく使われていた手法でもあります。デシメートにあたってUVが崩れるので手動での調整は必須になります。

俺.fbx

デシメートする際は一度部品ごとにオブジェクトを元々ポリゴン数の少ない部品(爪や眉毛など)とポリゴン数の極めて多い部品(体、髪など)に切り分け、元の形がギリギリ崩れない程度にデシメートしていくと限界の美観が得られます。服で見えない部分はガッツリ削除していきましょう。不可能を可能にする為なので躊躇してはいけません。古き良き時代のゲームを思い浮かべながら可能な限り妥協しましょう。これを更に極めて行けば・・・

俺の嫁ルル!!!

頭2000ポリゴン、胴体2000ポリゴンの2アイテムで「VRoidアバターのアクセサリー化」が可能になります。

娘のアリス!!!

制限に収まっているclusterのアクセサリー機能なので、アバター自体にアバターを2体仕込む時のように変に重くなってしまう事もありません。私は延々と一人で制作してる時に隣に相棒が必要な他、ロビーや人の少ない場所を一人でNPCと放浪するのが主な楽しみなのでまず誰にも迷惑かかりませんが、1人で2人分の物理的空間(バーチャルで?)を占有する為賑やかな所でやる際は十分配慮しましょう。密集するイベント等では推奨できないと思います。

おまけ:5万ポリ+の像をワールドクラフトに配置する


生きる事 それはイキる事 全力でドヤれ 俺こそが魔王

我が創作「Forgotten Nightmare」の世界を再現した自城、
「Castle Lucidvine(ルシッドヴァイン城)」には、50,000ポリゴン以上の私と我が愛妻ルルの像があります。このワールドはワールドクラフト製ですので通常このアイテムは配置できません。ではどうやって実現してるのかというと、実にシンプルなパワープレイです。

うわあああああ

最大5000ポリ毎にデシメートしBlenderで分割したアイテムを11個重ねて作ってます。
アイテムサイズをx1、y0、z0にする事で複数個を同じ場所に重ね配置できるようになります。位置調整はUnity上で済ませてから11個分割してワークラ上で組み立てて完成させています。

これを上の方法で再UVする気力は未だ湧かず

動かないモノなら高ポリゴンの物体も何でも置けるので、色々と使えると思います。負荷はやってみてから考えましょう。意外とワークラは底力あるのでたぶん何とかなります。重すぎたら目立たないパーツを減らせばいいだけです。

最後に

私はテクスチャと力技で全てを解決するので、「テクスチャを綺麗に見せるスゲー技」をメインに紹介しましたが、当然制作を一歩進める毎に相当な根気と時間が必要になります。勿論モチベーションにも響いて楽しさを苦行が上回ります。大事なのはこういった技を駆使し続けて上手く完璧に仕上げる事よりも「無理なく、楽しめる範囲で作る」事だと私は考えています。難しくてストレスになりそうだったら無理せず妥協して、楽しめる範囲で制作活動を長く楽しむ。それが一番だと思ってます。何でもできるスーパーヒーローになろうとしなくても、各々が得意な事を無理せず一点特化で長く続けて行けば、きっと良きclusterの未来があるはずですから。

ついでに

色々と紹介しましたが百聞は一見に如かず。上記の様々な技を全部使ったのが見られるワールドクラフト製ワールドがこちらになります。人気作は他にありますが、私が最も丹精込めて作り長い間更新を継続している自信作ワールドで、9割程のアイテムが自作です。今年でサイト公開10周年になる自創作Forgotten Nightmareをcluster上に(ワールドクラフトで)完全再現するのが目的の
「Project MAREVERSE」シリーズの第一弾ワールドとなっております。

~Castle Lucidvine~ Forgotten Nightmare "The MAREVERSE" Teaser https://cluster.mu/w/cd96209f-1c9e-4d0a-8db6-426e3ab30adc


当方元々は色鉛筆画を描くアナログ創作者なのでギャラリーがでかいです。
小説や詩も書くので読むモノもあります。登場人物紹介with3DNPC。

またワールド内で使用しているアイテムはNPCを除き、殆どが販売中ですので是非ともアイテムストアやアクセサリーストアで「フェリエッタ」で検索してみてください。色々販売してます。

更に

BOOTHでVRoid衣装やcluster向けのアバターも売ってます。
自創作に登場するダークゴシックなキャラクター等、将来的にcluster内で販売やチケット配布する予定のアバターも先行配布したりしています。

https://nightmareshop.booth.pm/

今まで使ってたiPhone6sでclusterが動かなくなっちゃってるので何か買ってくれると新しいスマホ代の足しになってだいぶ助かります。

ついでのついでに
今年で10周年の弊創作サイトはこちら。
私は幼少期から明晰夢を見るのが上手いので、見た明晰夢を元にした絵や小説、仮装やドール制作やら立体造形やらその他思いつく限りあらゆる形での創作をやっております。
元々clusterで制作を始めたのも「新たな形の自創作を開拓したい」事が理由だったので、いつになるか分かりませんがいつかcluster上で広大な悪夢の世界を作れたらと思っています。

一部過激な表現もありますが、ここらへんは今後のclusterワールド化に際しソフトに配慮するつもりです。死者の国でゾンビやバケモノが大暴れする内容につき閲覧にはご注意を。

それでは、この記事が少しでもcluster制作ライフのお役に立つことを祈りつつ。


言い忘れましたが例のタバコの作者です


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