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【梅雨明け時のボクの逡巡】ー頭髪に関するエトセトラー

そろそろ梅雨も明けるだろうし
「頭をスッキリさせるかー」
と思い

バスルームの鏡の前で
バリカンを手にする

耳の上あたりから
「1ミリ」のバリカンを走らせる

白髪交じりの髪の毛が
バリカンの刃に
こんもりと盛り上がって、落ちる

そこで、思う


「頭の上の部分は、残そうかな、、、」

「ツーブロックみたいで
 カッコいいかもしれない」

、、、逡巡するワタシ
(とまどうペリカン)


「せっかく、ここまで伸びたんだから、、、」
(せっかくと言っても7ミリ程度である)


手鏡をもって
後頭部ならびに頭頂部を確認してみる

そこには
ところどころ、、、

ゆでたまごのよーな
頭皮が見える
(いわゆる、うっすらはげておる)


深く、長ーい溜め息をつきながら、、、

くりくりと、あたま全体に
1ミリのバリカンを走らせる





「ホントは、知っていたハズである」

それは
すでに失われたモノであろうことを

それは
すでに損なわれたモノ
すでに終わっているコトガラ

すでに、終わった過去であることを


でもワタクシは
「せっかく、ここまで伸びたんだから、、、」

と、
7ミリの頭髪を惜しむ

ワタクシは
いちど手に入れたものを
手放すのは、、、とてもツラい

積み上げたものを(7ミリでも)
失いたくないのである

(なにも、肩まで伸びた髪を切るわけでもない)


・・・・・

それは、すでに、
ダムの水の下に沈んだ村を思うように

そこにあった橋の欄干や
盆踊りの歓声や
風に揺れるひまわり畑を想うように

そこにかつてあったもの

豊かな緑の村の光景に
思いを馳せる

・・・・・

そして
1ミリのバリカンでは
飽き足らず

電動ひげそりで
あたまをまるめる


そして、つぶやく

「ビリー・ジョエルだって、、、
 ブルース・ウィルスだって」

「スキンヘッドで、カッコいいもんなー」


そのように
日曜の夕方、サザエさんのはじまる頃のような
このやるせない悲しさを

上手に思考で
後付けして、意味付けして

生きているのである

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